メタルコア名盤&キラーチューン100選 #1
この記事はライブ配信の動画を基に書きました。
良かったらこの記事と合わせて見てみて下さい。(4時間ありますが…)
メタルコアとはどういった音楽なのでしょう?
一口にメタルコアと言っても現代ではたくさん種類があると僕らは考えています。
まず始めに簡単にはなりますが、メタルコアという音楽の種類について紹介させて下さい。分からない方は是非YouTubeにある僕らのジャンル解説の動画をご覧下さい。
メタルコアの種類
①正統派メタルコア
ヘヴィメタル×ハードコア
ハードコア由来のビートダウン、ブレイクダウンが頻出
王道メタルコアもこのカテゴリー
僕らはスタンダードメタルコアと呼んだりもします
②メロディックメタルコア
Melodic Death Metal×ハードコア
2000年代後半に入り正統派メタルコアのサウンドを継承したバンドに向けての呼称
この②でいうメロディックとは歌メロという意味よりもメロディックデスメタル的なリフに対して用いられているものであると考えています
理由はメロディックメタルコアと呼ばれるバンドに全くクリーンボーカルが導入されていないパターンがあるからです
もしくは叙情要素の強いメタルコアに対しての呼称
③【PROGRESSIVE METALCORE】プログレッシヴメタルコア
Djent程プログレッシヴではなくて、なおかつメタルコアリフがある
チューニングもそこまで極端に低くない印象
壮大なスケール感(雰囲気のある空間的シンセサイザーや電子音)と
ギターやボーカルのクリーンパートが特徴的です
④【METALCORE TYPE2.0】メタルコア第2世代
メタルコアニキ(2期的メタルコア)
ハイブリッドスタイル(2010年代に入りポストハードコア、スクリーモ、メタルコアが混ざった広義的なメタルコア)
ヘヴィメタル×ハードコアではなくてメタルをコア(核)にした音楽
ブレイクダウンが入っている以外は①とのサウンド的な共通点はほぼない
メタルを核にした何でもあり、他ジャンルの良いとこ取りをしたスタイルと言えます
⑤ハードコア寄りなメタルコア
ハードコア >メタルコア
ハードコアっぽさが6〜7割
メタルっぽさが4~3割
ハードコアっぽさというのはコード弾きという事ですね
メタルコアリフよりコードでゴリ押す感じのサウンドです
叙情系メタルコアなんて呼ばれたりもしてます
日本でいう叙情系/派ニュースクールハードコアは
メロディックハードコア もしくはメタルコアで一括りにまとめられがちです
⑥【Electronicore】エレクトロコア/エレクトロニコア
いわゆるピコリーモ
メタルコア内の更なる細分化だと思います
メタルコア第2世代のサウンドに電子音をプラスしたスタイル(ただしジャンル発生時期はメタルコア第2世代とほぼ同時)
⑦【NU-METALCORE】ニューメタルコア
メタルコア第2.5世代
最近シーンで盛り上がってきてるジャンルです
ニューメタルコアはとにかく
極悪な不協和音とブレイクダウンの嵐です
今回はニューメタルコアとされているバンドは入れてないです
最近話題のニューコアがメタルコア第3世代かもしれません
メタルコアかどうかの判断基準
似いて区別が付かないメタルのサブジャンルは他にもたくさんありますけど
メタルコアに関しては
①クリーンパート(ボーカル/楽器隊)があるかないか
②メタルコアリフがあるかないか
③(2010年以降メタルコアと呼ばれるバンドは)ブレイクダウンもしくは刻みがあるかどうか
この①〜③のうちで1つでも該当するかが
僕らなりの判断基準となっています。
現代シーンにおいては、刻みかブレイクダウンが入っていれば
それはもうメタルコアなのかなと思います。
メタルコアといっても定義がいろいろあるんですよね。
この記事では僕らが「これはメタルコアだと言って良いんじゃないかな?」ってラインのバンドの紹介になります。有名なバンドが多くなるのと、今回入れられなかったバンドもあるので、その点だけご了承下さい。
1:Adept - Silence the World
スウェーデンのバンドです。バンドの初期はスクリーモ的な音楽性でしたがアルバムを重ねるごとにヘヴィさがマシマシになって行きました。
前作の2ndアルバムDeath Dealersはかなりの名盤だと思いますが
メタル成分50%:ポストハードコア成分50%だったのに対して
今作3rdアルバムSilence the Worldからは一気にメタルコアにシフトした印象があります。
Secretsはそんな彼らの真骨頂とも言えるキラーチューンです。
彼らのオリジナリティーの根源は、メタルコアに見られるリフワークに加えて、スクリーモ的なウワモノの泣きが入る点が大きいでしょう。
ギター、クリーンボーカルのメロディーと高速ユニゾンパートは素直にかっこいいと思えるはずです。
2:After The Burial - Rareform (Reissue)
アメリカ、ミネソタ州のバンドです。活動中期からDjent方向に偏って行きますが、各アルバム内での曲のキャラクターがバラけていてバンドの音楽性の幅の広さを感じます。
全期間通して言える事はとにかく鉄クサい!!Rareformはとりわけメタリックですね。
ヘヴィメタル的なアツさがあります。特にギターソロが。
毎度思うんですけどAfter The Burialの音作りって超特殊ですよね。ドンシャリを地で行っていると言いますか。
そんな彼らの鋼鉄な魅力が存分に封じ込められたナンバーBerzerkerは開幕からリードの嵐です。
3:All That Remains - The Fall of Ideals
アメリカ、マサチューセッツ州のバンドです。正統派メタルコアのお手本のようなバンドだと思います。
エクストリームなドラムフレーズ、しっかりとしたサビ、ギターソロ…
どれもバランスが良いですよね~
個人的にはメタルコア初心者も「カッコイイ!!」と思ってくれそうなキャッチーさがあると思います。
Sixはメタルコア史に刻まれる超名曲だと思います。
4:The Amity Affliction - Chasing Ghosts
オーストラリアのバンドです。
初期からメタルコア+スクリーモに青春感のあるパンキッシュさが持ち味でした。
早い段階からザラついたクリーンボーカルと、シンセサウンドも用いており、他に類を見ないオリジナリティーを確立していたと言えるでしょう。
Chasing Ghostsから大手レーベルであるRoadrunnerと契約しており、一躍人気を博しました。coldrainあたりが好きな人にはオススメです。
5:Any Given Day - My Longest Way Home
ドイツのバンドです。
典型的な第2世代メタルコアの代表例と言えるでしょう。
正統派のメタルコアや、ジャーマンメタルの良い部分をしっかりと踏襲しつつも、Djentやニューメタルの要素も取り入れているのがいいですね。
最近は割とオーセンティックなメタルを大事にしたサウンドに寄ってきているので、そこは好みが分かれる部分かもしれません。
6:Architects - Lost Forever // Lost Together
イギリスのバンドです。果たしてArchitectsはメタルコアなのか?問題は全然あると思います。
これも僕らがよく言う〝ArchitectsはArchitectsというジャンル〟というやつですね。
とはいえメタルコアシーンの他のバンドに多大な影響をもたらしていると考えています。一時期プログレッシヴメタルコアのバンドは、軒並みDoomsday的なリフを使用していましたので…
アルバムの完成度は毎回上がる一方ですが、やはりLost Forever // Lost Togetherの素晴らしさはメタルコアファンの義務教育的なスタンスかと思います。
ただ僕らが選んだ楽曲はFollow The Waterです(笑)
この曲に心奪われはや10年…まさにキラーチューンです!!
7:Arise In Stability - 犀礼 / Dose Again
日本、横浜のバンドです。
ジャパニーズ・プログレッシヴメタルコアの雄と言えるでしょう。間違いなく世界基準のサウンドです。
超カオティックな曲展開に、要所で一瞬出てくる最強にかっこいいリフが使い捨てレベルで列挙されていきます。二度と同じリフが出てこない…そして他のメタルコアバンドのリフとも似ていない…
特筆すべきは一曲一曲の中で“侘び寂び”がしっかりと表現されているところでしょう。たまにホラーでスピリチュアルなお経のようなクリーンボーカルが入ります。
これは日本文化の独自性とも言え、他に類を見ないオリジナリティーだと思います。
8:As I Lay Dying - Shaped by Fire
アメリカ、カリフォルニア州のバンドです。
〝メタルコア三幻神〟の内の1バンドです。
メタルコアの特徴がよく分からない…そんな疑問はだいたいアズアイが解決してくれます。王道中の王道と呼べるメタルコアカイザー(帝王)です。
3rdアルバムShadows Are Securityと大変迷いましたが、Shaped by Fireが全てを凌駕してしまったように思うのでこちらを選びました。
とにかく速ぇぇぇぇんですよ。
BPM200を超えた2beatとお約束のメタルコアリフはやはり正義です。アズ愛。
Shaped by Fireはクリーンボーカルのメロディーラインも過去作より更に洗練され、歌のメロディーフックが少し弱い他のメタルコアバンドの追随を許さない次元まで行っています。
9:Asking Alexandria - Reckless & Relentless
イギリスのバンドです。
アメリカのAttack!Attack!と並び、イギリスでエレクトロコアでの地位を不動の物としました。
1stアルバムStand Up and Screamはどうしても作りこみの甘さや、めちゃくちゃ感みたいなものが目立ってたイメージがありますが、2ndアルバムReckless&Relentlessからはそういった雑味もなくなり、より洗練された一枚に仕上がった印象を受けます。
最近ではもはやエレクトロ要素は影を潜め、スタジアムロック寄りのハードロックサウンドへ転身しています。そこも評価や、好みが分かれる部分かもしれませんね。
10:Atreyu - The Curse
アメリカ、カリフォルニア州のバンド。個人的には米版Bullet for My Valentineといった感じのバンドです。メタルコア黎明期から存在しているバンドです。初期からオルタナティヴな雰囲気があります。
アルペジオやクリーンボーカルなどの音楽的な幅の広さは典型的なメタルコアサウンドと言えます。
特にスクリームの方法は後の時代のメタルコアでよく耳にするスタイルだと思います。
11:Attack Attack! - Attack Attack!
アメリカ合衆国,オハイオ州のバンドです。
Stick Sticklyで一世を風靡したいわゆるピコリーモバンドです。
MVのコミカルさ故、当時はネタ感が否めない彼らでした。
それはクラブ(蟹)コアという言葉が世界中のシーンで出来てしまう程でした。
せっかくメタルがクールな音楽として若い世代の音楽ファンの定着し始めていた2000年代後半に、メタルをネタ化した事を〝メタル界の原罪〟とする人も居ます。(僕らはわりと好きです)
紹介するこのアルバムはシリアスなメタルコアサウンドです。
12:August Burns Red - Messengers
アメリカ、ペンシルベニア州のバンドです。
初期の頃から持ち前のプログレッシヴさ、スピード、テクニック、アグレッシヴさが群を抜いてた印象があります。
ある意味メロディックメタルコアを完結させてしまった存在とも言えるかもしれませんね。
中期以降“静と動”を使い分け、ジャズや民族音楽なんかの要素も取り入れているので多少の“ダルさ”を感じてしまう事もあるように思います。(そこが好きな人も居るでしょうけど)
永遠に失われないオリジナリティーがリスナーを惹きつける所以であるとも言えるでしょう。
13:Avenged Sevenfold - Waking the Fallen
アメリカ、カリフォルニア州のバンドです。
バンド活動の中期以降は、より純粋な意味でのヘヴィメタルなバンドとなって行きますが、初期は典型的なメタルコアサウンドでした。
Avenged Sevenfoldがきっかけでメタル気がついたらメタル沼に佇んでいた人も多いのではないでしょうか?
そしてその沼は底なしだったのです。
14:Beartooth - Disgusting
アメリカ、オハイオ州のバンドです。
かなりハードコア寄りなメタルコアバンドですね。これも現代のメタルコアの新しい一つの形と言えるかと思います。
とにかく力強いサウンドが特徴的です。
ボーカルはスクリームとクリーンの境界がほぼ無く、パワフルな歌唱法です。
何といってもドラムのパワーが破壊的です。
一度プレイスルー動画をご覧ください。3日間は笑い続けられる事でしょう。
15:Blessthefall - Hollow Bodies
アメリカ、アリゾナ州のバンドです。
ポストハードコアでありスクリーモでありメタルコアなバンドです。
まさにハイブリッドスタイルなんですよね。
・ポストハードコアの叙情的な要素
・メタルコアのヘヴィなブレイクダウン
・スクリーモのハイトーンクリーンボーカル
全ての要素が詰まった“幕の内弁当”のようなバンドですね。
彼らのスタイリッシュさは全てのティーンエイジャーの心に爪痕を残すでしょう。
16:Breakdown of Sanity - Perception
スイスのバンドです。
スピード感のある刻みがクセになります。氷属性の北欧的なエピックな泣き。メロディックなリフ…
それぞれの要素が絶妙なバランスでブレンドされています。
似たようなバンドが居そうで居ない、それ故に根強いファンが居るバンドです。
17:Bring Me The Horizon - Sempiternal
イギリスのバンドです。
モダンメタルシーンのアイコン的存在ですね。
一番メタルコアと呼べる音楽性だったのはSempiternalかなと思います。
しかしBring Me The Horizonは、このアルバムでもメタルコアとは括れない、バックグラウンドの深く広大な圧倒的な音楽性センスを発揮しております。
既に超ビッグなバンドの域に達しているのにも関わらず、音楽性の幅という点においても、今後様々なシーンに影響を与えていくであろう可能性を存分に秘めているバンドです。
18:Bullet For My Valentine - The Poison
イギリスのバンドです。
メタルコア黎明期から存在し、そのスタイリッシュさから世界中で人気を集めたバンドです。メタルコアの黎明期はもっと昔だという説もありますが、ジャンルが確立しだしたメタルコア初期のバンドの一つです。
スラッシーなギターリフと高速の2beatは多くのキッズの心を鷲掴みにしました。
最近は地平線的な軌跡を辿り、オルタナティヴメタル寄りの音楽性に変貌しましたが、それはそれで好きです。
19:Bury Tomorrow - The Union of Crowns
イギリスのバンドです。
シブいクリーンボーカルが特徴的です。
1stアルバムPortraitsはアズアイライクな王道なメタルコアサウンドですが、2ndアルバムThe Union of Crownsからはニュークリアブラストにレーベルを移籍し、ブルータルかつモダンなサウンドへ変貌を遂げました。
要所でDjentyな刻みが入ったりと、新しい試みも垣間見える一枚です。他のアルバムだとEarthboundもオススメです。
20:Caliban - The Undying Darkness
ドイツのバンドです。
ジャーマンメタルコア界の金字塔でしょう。
このアルバムでは特に硬派な超正統派メタルコアサウンドを聴けます。
スラッシーなリフも随所に散りばめられており、メタル魂が温まりますね。
21:The Color Morale - Know Hope
アメリカ、イリノイ州のバンドです。
初期は割とアグレッシブなスクリーモサウンドでしたが、叙情なニュアンスとプログレッシヴさを見事に融合した作品となっています。
精神疾患とその克服や、前向きな積極性を誰かに向けて届けたいというメッセージ性もグッとくるポイントです。
22:Confession - The Long Way Home
オーストラリアのバンドです。同郷のParkway Driveの亜種感はありますが、こちらはこちらで古き良き“オージー風味”を醸し出しています。
空と海なニュアンスよりはもう少し乾燥した大地という感じです。
壮大な泣きも入るので、あの頃の“俺たちのメタルコア”を味わいたい方は強くなれると思います。
23:Confide - Recover
アメリカ、カルフォルニアのバンドです。
正確にはポストハードコア、スクリーモというカテゴライズの方がしっくりきそうな気もしますが、いわゆるメタルコア第2世代の走りとも言えるでしょう。チャグいです。
激情スクリームとわかりやすいサビといった構成が多いので、ヘヴィミュージック初心者に処方してあげると良いでしょう。
24:Crossfaith - The Dream, The Space
日本、大阪のバンドです。
昨今の日本のラウドシーンの音楽を海外まで持って行った立役者的存在。そして自身が主催のフェスAcross the Futureで海外の良バンドもたくさん輸入してくれています。
もはや説明不要なバンドですが、王道のメタルコアリフと電子音のセンスは、これからも日本のラウドシーンを牽引していく存在として輝き続けるでしょう。Stars Faded In Slow Motionはそんな彼らの良さが詰まったドラマティックなナンバーです。
25:Crown the Empire - The Fallout
アメリカ、テキサス州のバンドです。
シアトリカルなメタルコアサウンドで、最も成功を収めたバンドとも言えるかもしれません。
ゴシカルでどことなく喜劇を感じさせるニュアンスに、当時はツインボーカルスタイルで、二人とも歌えて叫べるという〝一度で二度美味しい〟スタイルだったのが一躍人気を集めた理由の一つだったのではないかと思います。