メタルコア概論・メタルコアの歴史
一言でメタルコアと言ってもよく分からないですよね。
メタルファン同士でメタル談義を楽しむ時でも
「ん?この人はこのバンドもメタルコアって呼ぶ派なのか」のような戸惑いはよく起こります。
どこからどこまでをメタルコアとするのかという境界線が曖昧なのです。
毎度の注意で恐縮ですが、僕らはジャンル警察ではありません。
厳密なカテゴライズやジャンル分けは、実はどうでもいい派です。ジャンルにおいて絶対的な真理・答えは無いと思っております。
ただ、好きな音楽への仮説や持論をグルグルと考えを巡らせ、まとめるのって楽しいですよね。
この記事でメタルコアへの興味・理解・整理が深まれば幸いです。
ともあれ、同じメタルコアというジャンルの中でも微妙な認識のズレが存在するのは確かです。
つまり、メタルコアはそれだけ実態を捉えにくいジャンルです。
今までたくさんの動画でメタルコアをはじめとする「コア系」の音楽について語って来た僕らですが、
この記事では改めてメタルコアというジャンルにおける世代ごとの歴史について出来る限り分かりやすくまとめたいと思います。
メタルコアというジャンルを世代ごとに切り分けていきます!!
諸説ありますので、ご参考までに…
ジャンル名の由来
(広義的な)METAL×HARDCORE=METALCORE
が由来であるというのが一般的な定説です。
しかし、メタルコアという言葉の指し示す範囲が広すぎて、メタルコアとされるそれぞれのバンドの音楽性は統一されていません。
同じメタルコアというジャンル名で分類されていてもサウンドがそれぞれ微妙に異なる場合があります。
また時代毎に違った音像を持つメタルコアが存在しているのもメタルコアというジャンルの特徴です。
メタルコアの種類
①:ハードコア寄りなメタルコア、メタルコア0世代を含む
ハードコア×ヘヴィメタル
スタンダードなスタイルのメタルコアよりもハードコア成分の比重が大きいです。
ボーカルのスクリームの使い分けは少なく、ミドル音域の一定のテンション感のスクリームを主に使用します。
ギターはリフよりコード弾きがメイン。
リズムパターンはハードコア的2stepパート、2beatが頻出します。
メロディックハードコア・叙情系ハードコアも含められる場合があります。
【代表的なバンド】HATEBREED,THE GHOST INSEIDE,Counterparts,FOR THE FALLEN DREAMS,GIDEONなど
②:正統派メタルコア/メタルコア第1世代
ヘヴィメタル×ハードコア
メタルコアのジャンルとしての複雑さを考慮して、
CORE TUBEとしては、ここをメタルコアの始まりとしています。
メタル要素は主にメロディックデスメタルが核にあり、ハードコア要素も加えられています。
【代表的なバンド】Killswitch Engage,AS I LAY DYING,UNEARTHなど
③:近代ポストハードコア/メタルコア第2世代
②のようなヘヴィメタル×ハードコアではなく、
メタルをコア(核)にした音楽です。
メタルコアというジャンル内の更なる細分化だと捉えています。
またハイブリッドスタイル(2010年代に入りポストハードコア、スクリーモ、メタルコアが混ざった広義的なメタルコア)と表現できます。
エレクトロコアやいわゆるピコリーモもここに含まれます。
【代表的なバンド】The Devil Wears Prada,We Came As Romans,ASKING ALEXANDRIA,Attack Attack! ,Blessthefall,Memphis May Fire,Crown The Empire,Woe, Is Meなど
④:プログレッシヴメタルコア/メタルコア第2.25世代
プログレッシヴメタル×メタルコア
テクニカルなギターがあり、ギターソロもマシマシ。
アンビエント要素もあります。
Djent程プログレッシヴではなくて、なおかつメタルコアリフがある場合が多いです。
複雑なリズムやブレイクダウンも特徴です。
【代表的なバンド】ERRA,Oceans Ate Alaska,Invent,Animate,After the Burial,Novelists(FR),I The Breatherなど
⑤:ニューメタルコア/メタルコア2.5世代
ニューメタル×メタルコア
ニューメタルコアの特徴は、とにかく不協和音と極悪なブレイクダウンの嵐です。
リフはシンプルで、リズムはキャッチーな縦ノリである場合が多いです。
ラップ的な歌唱法を多用します。
【代表的なバンド】EMMURE,Alpha Wolf,Darko USなど
⑥:ニューコア/メタルコア第3世代?
最新の電子音楽×メタルコア第2世代
新しい世代のポストハードコアであるとも言えます。
バンドサウンドより電子音へのウエイトが高くなっています。
ギターのリードやメロディーも同様に少ないです。ギターにおけるいわゆるウワモノの役割が電子音に委ねられています。
トラック的なアプローチとしてアコースティックドラムではなく、打ち込みが使用される事もあります。
【代表的なバンド】Bring Me The Horizon,I Prevail,Falling in Reverseなど
⑦:メロディックメタルコア
メロディックデスメタル×ハードコア
メロディックメタルコアのメロはメロディックデスメタルのメロであるというのが一般的です。
メロディックハードコアの(叙情系)メロディーともまた異なります。
ブレイクダウン時のBPMが高速化した事も特徴です。
サウンド自体は②:正統派メタルコアに非常に近いです。
②の音楽性を後の時代に強調するために使用され始めたジャンル名だと考えています。
【代表的なバンド】August Burns Red,Bury Tomorrow,Texas in July,This Or The Apocarypseなど
⑧:イージーコア
ポップパンク×メタルコア
爽やかで青春感あふれるポップパンクの歌メロにメタルコアのヘヴィなブレイクダウンを足したジャンルです。
【代表的なバンド】A Day to Remember,Four Year Strong,Chunk! No, Captain Chunk!,Belmontなど
⑨:マスコア(カオティックハードコア)
マスロック×ハードコア
読んで字の如く数学的なテクニカル性があります。
しかし、プログレッシヴメタルのようなきっちり感・構築美より、
破壊的で無秩序なサウンドが特徴です。
特異で異質な音楽性を持ち、現在のメタルコアからかけ離れたサウンドであるマスコアですが、
メタルコア黎明期(第0世代)に存在していたバンドが、何故かメタルコアに混ぜられる傾向があります。
※黎明期はメタリックなハードコアやメタルの影響があるハードコアは全てメタルコアとしていた事が理由だと思われます。
ややこしいので、マスコアについてはこの記事では取り扱いません。
【代表的なバンド】Converge,Botch,The Dillinger Escape Plan,Between The Buried And Me
以上の種類を踏まえた上で
メタルコアの歴史をさらに詳しく紐解いて行きましょう。
メタルコア黎明期:1990年代~2000年代初頭
メタルコア0世代 ~メタリックハードコア~
派生ジャンルや別名:クロスオーバースラッシュ、メタリックハードコア、ビートダウンハードコア、ヘヴィハードコア、ニュースクールハードコア
起源と隆盛した年代:1980年代→1990年代まで
ジャンル配合率:ハードコア(60%)+メタル(40%)
音楽的特徴と概要:
メタルコアはニューヨークハードコアの影響下で産声を上げました。
1990年代に差し掛かる頃、既存のハードコアサウンドの中で、徐々にメタル要素が強くなったハードコアがメタルコア第0世代だと考えています。
もちろんメタルコア第0世代は一般的に浸透している概念ではありません。僕たち独自の解釈・説です。
ですので、この辺のバンドは一般的には、単にハードコアと呼ばれます。あくまでもメタリックなハードコアといった感じです。
しかし、後の時代の観点をもってこの時代のハードコアを捉えると、メタルコアの原型はこの時代から興っていたと言えると思います。
といっても今日のメタルコアサウンドとは全く違い、主成分はハードコアパンクです。
歌唱法についてもメタルコアのようにガチガチのLowグロウルを多用したりはせず、ミドル音域のスクリームが一定のテンション感で続くことが多いです。(スクリームにバリエーションと感情の起伏が少ない)
ギターに関してはリフよりコード弾きがメインでハードコアらしいシンプルな作りです。
あとはスラッシュメタル的なリフを起用しているバンドが多いです。ざっくり言うと聴いた時SLAYERを感じます。
メタル要素としては、リズムのタイトさやツーバスフレーズをハードコアバンドが使用したのがメタルコア第0世代の大きな特徴だと思います。
その他の特徴は、もともとハードコアというジャンルが持っていた疾走感があってノリやすい2stepパートが特徴的です。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
HATEBREED - Burn The Lies(1997)
ハードコア(60%)+メタル(40%)なサウンドを体現したレジェンドです。
ハードコアがメタルコアへ変化する過程を理解しやすい1曲だと思います。
現在もメタルコアのテンプレートであるブレイクダウンの原型とも呼べる曲中でBPMを落とすモッシュパートは、
メタルコアの0世代で確立されたと言えます。
この曲の後半にもブレイクダウンがしっかり存在します。
またメタルコアの特徴の1つである、ラップを思わせるリズミカルなボーカルラインの譜割りと
ミドルのスクリームの確立者とも呼べるボーカリストのJamey Jastaも是非、覚えておいて欲しいです。
Madball - Lockdown(1994)
ハードコア的なコード感とメタルのリフ感が分かりやすい一例かと思います。
他の曲ではビートダウンも確認できます。
Biohazard - Punishment(1992)
メタル要素だけではなくHip-Hop要素もあるので、もうメタルコアというより、実質ニューメタルの先駆けとも言えます???笑
2stepパートもふんだんに盛り込まれているので、現在のメタルコアへの繋がりを感じる事が出来ると思います。
Bulldoze - Nothing But A Beatdown(1996)
BPMを落とし出した張本人。
ビートダウンの始祖とされています。
Earth Crisis - Firestorm(1993)
ニュースクールハードコアとして認知されているEarth Crisisですが、
Earth Crisisをメタルコアの始めとする解釈も一般的です。
ブレイクダウンの原形が見て取れる1曲。
Panteraは
・一般的にはグルーヴメタルの始祖
・CORE TUBE的見解ではニューメタルの夜明け前の音
であり、メタリックなハードコアとしてはあまり語られません。
しかし、
メタル的なソリッドさやタイトさ×ハードコアの暴力性(曲の勢い)やヘヴィなグルーヴ(ハードコア的な縦ノリ)は
ヘヴィメタル×ハードコアのクロスオーバーの最も大きな成功例の1つだと思います。
メタルコア第0.5世代 ~メタルコア誕生前夜~
派生ジャンルや別名:ニュー・ウェーブ・オブ・アメリカン・ヘヴィメタル、MAメタル(マサチューセッツメタル)、メタリックハードコア、ニュースクールハードコア
起源と隆盛した年代:1990年代→2000年代中盤頃まで
ジャンル配合率:メタル(55%)+ハードコア(45%)
音楽的特徴と概要:
1990年代初頭という時代は、メタルコアにとって過渡期となります。メタルコア誕生前夜です。
過渡期故にこの時代のメタルコアをどう捉えるかは、人によって様々な意見があります。
単にニュースクールハードコアの一部とする場合もあれば、
マサチューセッツからのムーブメントをまとめてMAメタルとする場合もあり、
更に大きなムーブメントとして捉えニュー・ウェーブ・オブ・アメリカン・ヘヴィメタルとする場合もあります。
僕らのスタンスとしては、「ジャンルに細かくこだわり過ぎない派」なのでざっくりメタルコア第0.5世代で良いと思っています。
この記事ではあえてメタルコア0世代とメタルコア0.5世代に分けていますが、そもそも両方とも同じメタルコア黎明期として捉えてしまっても問題ないと思います。
メタルコア第0.5世代の特徴としてはハードコアのメタル化が更に進みます。
ハードコアの野獣的な暴力性はそのままに、曲中でギターソロやメタリックなリフの使用率が上がって行きます。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
Overcast - Seven ft. Grin(1997)
Shadows FallのVo:Brian FairとKillswitch EngageのBa:Mike D'Antonioが所属していたバンド。AFTeRSHOCKと並べて論じられる事が多いです。
AFTeRSHOCK - For Those of You Who Kill(2001)
Killswitch EngageのAdam Dutkiewicz(Gt)、Shadows FallのJonathan Donais(Gt)が所属していたバンド。
AFTeRSHOCKくらいまで時が進むと、
新しい世代のメタルファンも「お。なんかメタルコアっぽい」と思ってくれるのではないでしょうか。
ブラストビートや音にぶん殴られるようなビートダウンがあって、メタルコアの始まりを体感できる1曲です。
Shadows Fall - Thoughts Without Words(2002)
Shadows Fallまで来るともうメタルコアって感じですよね。1980年代のスラッシュメタルのエッセンスを残しつつ、メタルコアのパイオニアの1つである事は間違いありません。
ボーカルの歌唱法が古き良きヘヴィメタル臭を残していると思います。
Lamb of God -Now You've Got Something to Die For(2004)
メタルコア第0世代(90s)と0.5世代(00s)の狭間、まさに過渡期のバンドだと思います。
アルバム:Ashes of the Wake(2004)は、メタルコアといって遜色のない音だと思います。他の作品はグルーヴメタルやスラッシュメタルの影響を色濃く感じます。
Heaven Shall Burn - Endzeit(2008)
漢のメタルコアサウンド。原始的で凶悪な暴力性でわからせてきます。
メタリックハードコア的な側面が強いです。
活動開始は1996年と非常に長いです。活動初期からメタルコアらしいサウンドです。
メタルコア第1世代 ~メタルコアムーブメント~
派生ジャンルや別名:王道メタルコア、スタンダードメタルコア、メロディックメタルコア
起源と隆盛した年代:2000年代初頭→2000年代末期まで
ジャンル配合率:メタル(60%)+ハードコア(40%)
音楽的特徴と概要:
(エクストリームな)ヘヴィメタル×ハードコアの融合により生まれたジャンルがメタルコアです。
というのは一般論ですが、
もっと細かく述べると実際の所は、
メロディックデスメタル×ビートダウンハードコア×叙情的な要素を織り交ぜた音楽がメタルコア第1世代の実態だと思います。
そしてハードコアバンドがヘヴィメタル要素を取り入れてメタルコアになった説と
ヘヴィメタルバンドがハードコア要素を取り入れてメタルコアになった説があります。
僕らの解釈はどっちも正しいと思っています。
2000年代のメタルコアは、メロデス由来のリフ=通称メタルコアリフ(CORE TUBE的便宜上そう呼んでます)が頻出します。
メタルコアリフの例
メタルコアリフの例
メロディックデスメタルは世界的にポピュラーなジャンルとなりましたが、まだまだメタルファンの間での人気に留まっていたように思います。
メロディックデスメタルの遺伝子を受け継ぎ、メタルコアが登場するにあたって多くのバンドがクリーンボーカルを積極的に導入することで、
ある種のキャッチーさを武器としてライト層のファンを獲得していったと考えています。
メタルコアの登場で(エクストリームな)メタルは、より受け入れやすいものになったと思います。
聴きやすいんですよ。メタルコアは。
メロディックデスメタルのメロは主にギターのメロディーでしたが
メタルコアのメロディーはクリーンボーカルでありギターでもあります。
メタルコア第0世代で培われたビートダウンの手法は、
メタルコア第1世代になったタイミングで
タイトで機械的なユニゾンが特徴のブレイクダウンへと進化しました。
ブレイクダウンはメタルが手に入れた最も大きな収穫であり、呪いでもあります。(現代メタルはブレイクダウンが必要不可欠という暗黙のルールがある)
ブレイクダウンは現在もメタルにおいての1つのフォーマット・お約束の型と言えます。
以上をざっくりまとめると
メタルコア第1世代は、メロデスにブレイクダウンを追加したサウンド。
リフ感はメロデスもメタルコアも非常に近しいリフを使用していてます。
逆に言えば
メロデスにブレイクダウンはなく
メタルコアはブレイクダウンを積極的に使う
=ブレイクダウンがあればメタルコア
=ブレイクダウンがなければメロデス
となり、
あくまでも簡易的な指標として切り分ける事ができます。
補足ですが、
メタルコア第1世代の音楽性を2000年代を過ぎても続け、メロディックデスメタルからの影響を色濃く残したメタルコアをメロディックメタルコアと呼ぶ場合があります。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
Killswitch Engage - Rose Of Sharyn(2004)
名実ともにメタルコアのパイオニアと言えるバンドだと思います。
"Rose Of Sharyn"は、ブレイクダウンこそ入りませんがメタルコアの主要なスタイル・型を分かりやすく説明してくれる曲です。
Killswitch Engageは前述のMAメタルに混ぜられることもありますが、この記事ではKillswitch Engage、AS I LAY DYING、Unearthをメタルコア三幻神としてまとめたいので、メタルコア第1世代とさせて下さい。(というか個人的にメタルコア第1世代がしっくり来る)
AS I LAY DYING - Through Struggle(2005)
メタルコアの教科書的な1曲です。
メロディックなリフの嵐、タイトな刻み(ブレイクダウン)、クリーンボーカルパートに至るまでメタルコアのセオリーが凝縮されています。
Unearth - Zombie Autopilot(2004)
鉄分マシマシのヒロイックさが際立つ1曲です。楽曲によって、メロディックデスメタル、スラッシュメタルだったり音楽性や曲のジャンルに幅があります。ガツンと来るブレイクダウンはやはり良いですよね。
鉄すぎるメロディーを好んで使用していたのでメロディックメタルコアの開祖としても認知されています。
"My Will Be Done"のイントロに代表されるメロディックメタルコアのテンプレとなる
ピロピロ+刻みを編み出したのもUnearthは早かったです。
All That Remains - Six(2006)
「正統派メタルコアとは何か」と聞かれたら、僕らはAll That Remainsの名前を上げます。
アルバム:Fall Of Idealsは2006年リリースで、
2000年代中盤頃のこのアルバムをもって1つのメタルコアの完成形だと思っています。そしてここでメタルコア第1世代の終わりでもある…。
キャッチーさとエクストリームさ、スクリームの使い分けとクリーンの配分、リフとギターソロの配分…とにかくバランスが良いんですよね。メタルコア第1世代の良さ全部乗せです。
Parkway Drive - Boneyards(2007)
リフと2beatの疾走感からの急停止急降下のブレイクダウンに特化したサウンドが特徴です。
アルバム:Horizonsは2007年リリースで、メタルコア第1世代末期なので、メタルコアというジャンルが培って来た良い点が凝縮されていると言えます。ちなみにクリーンボーカルはありません。
I Killed The Prom Queen - Say Goodbye(2006)
メタルコア史に残る名曲だと思います。
ブルータルなスクリーム
メタルコアリフ全開
ガチブレイクダウン
おまけにクリーンボーカルのサビまで来る…
当時は他にこういうバンドがいなかったんですよねぇ…故に神格化されるバンドです。
狭間の世代:2000年代終盤~2010年代初頭
メタルコア第1.5世代① ~早期リバイバル・メロディックメタルコア~
派生ジャンルや別名:メロディックメタルコア、(単に)メタルコア
起源と隆盛した年代:2000年代終盤→現在まで
ジャンル配合率:メタルコア(80%)+プログレッシヴメタル(10%)+ハードコア(10%)
音楽的特徴と概要:
2000年代中盤頃に第1世代のメタルコア群のムーブメントが一旦過ぎ去って、
やや後発的に登場したバンドたちです。
ぶっちゃけメタルコア第1世代とは地続きなので、分ける必要性はないとの解釈もあり得そうですが、
この記事では便宜上分けさせて下さい。
一般的にはメロディックメタルコアとしてまとめられています。
メロディックメタルコア=2000'sの王道メタルコアをリバイバルさせた・モダンにした
という僕らは理解としています。
ブレイクダウンもガッツリします。
速い刻み・チャグを使用するのがこの年代のメタルコアの特徴です。
刻み合わせて細かい運指を要するギターフレーズを入れるのも頻出です。
楽器隊のテクニカル度はメタルコア第1世代より上がっています。
変則的な刻みを使用するバンドが多く、その点に少しのプログレッシヴ要素があります。ただ後発ジャンルであるDjentやプログレッシヴメタルコアほどプログレッシヴではありません。
もちろんメタルコアリフは健在。
リバイバルというよりメタルコアのかっこよさを信じ続けて、ひたむきに活動し続けていたバンドが多いです。
2009年はメタルコア第2世代が爆発的にリリースを行った年ですが、
一方で2009年は王道のメタルコアサウンドを突き詰めたバンドたちのリリースも多かった年です。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
August Burns Red - Meddler(2009)
メロディックメタルコアの開祖がAugust Burns Redです。(厳密にはUnearth等、メタルコア第1世代を含む)
第1世代のバンドに比べて登場はやや後発的でしたが、メタルコア三幻神直系進化とも形容できる正統派メタルコアサウンドです。
でもAugust Burns Redは叙情的でもあるので難しいですね…あとたまに民族
基本的には、活動期間の過去から現在まで不変のメタルコアサウンドを一貫しています。
メロディックメタルコアを一段階次のレベルに引き上げたバンドだと考えています。(バカテク的な意味で)
中期頃(2013~)からよりプログレッシヴ方面に舵を切り、曲中にボーカルの無いジャズパートの様なフレーズが増えてきました。
歌の入らないパートでボーカルのJake Luhrsは変なダンスをしています。笑
Miss May I - Relentless Chaos(2010)
Miss May Iの登場は2000年代後半なので、かなり後発のバンドとなります。
しかし、サウンドはAS I LAY DYINGを現代風(当時)に煮詰めたような音楽性であり、間違いなく正統派メタルコアだと思います。
それ故に他のバンド違いプログレッシヴ要素は、ほぼありません。
スクリーモやポストハードコアなニュアンスも薄っすら感じられます。これはプロデューサー(Joey Sturgis)が、理由かもしれません。
Bury Tomorrow - Her Bones In The Sand(2009)
初期はParkway Drive、Killswitch Engage、AS I LAY DYING直系のバックサウンドに、ジブめなクリーンボーカルが入った正統派メタルコアでした。
その後はモダンなメタルコアサウンドに変貌を遂げています。
でもリフはずっとありますぜ(笑)
Phinehas - I Am The Lion(2011)
出てきた時代が遅かったのでメタルファンに浸透しなかった感が否めない不遇なバンド。
反面、王道過ぎるメタルコアに、ヘヴィメタル的なエッセンスを取り入れたのは早かったと思います。
あと5年早かったら、もしくはあと5年遅かったら、おそらく評価は変わっていたはずです。
時代のワームホールに飲まれてしまいましたが、聴き直してみてほしいバンドです。
Texas In July - Lancaster(2009)
登場時は同郷のAugust Burns Redの弟分の様な形で出てきた思い出があります。
バンド名も8月と7月。
兄を超える勢いで演奏力が高いです。
作品を重ねる毎にオリジナリティが増し、ピロピロ感は薄くなっていきます。
実は"I am Yours"などのアコースティックのインスト曲が神がかってるので合わせてチェックしてみて欲しいです。Andy McKeeみたいで泣けます。
This Or The Apocalypse - Lamnidae(2010)
プログレッシヴでタイトな刻みの間に芸の細かいリフを挟むのが特徴。
改めて思うとかなり早い時期からDjent的な刻みが入っているのがすごいポイント。
玄人好みのサウンドですが、既存のサウンドに少し食傷気味の方にはイチオシのバンドです。
1stアルバム:Monuments(2008)の"Monuments"もオススメです。
For Today - A Higher Standard(2008)
最初期はピロピロ感の強いサウンドが前面に出ていましたが、作品を重ねる毎にハードコア要素が増幅していったバンド。
マッチョさが欲しい方は3rd以降をお勧めします。
Breakdown of Sanity - Crumble(2013)
硬質でタイトな速い刻みが主成分。
メカニカルな刻みのミュート感が気持ちの良いバンドです。
音楽性的には後述の2.25世代①に含めても良い気がします。
1stアルバム:The Last Sunsetが2009年リリースなのでこちらに記載しておきます。
メタルコア第1.5世代② ~別ベクトルの融合形・叙情系メタルコアとイージーコア~
狭間の世代①叙情系
派生ジャンルや別名:メロディックハードコア、叙情系ハードコア、叙情系メタルコア、ハードコア寄りなメタルコア
起源と隆盛した年代:2000年代後半→現在まで
ジャンル配合率:ハードコア(60%)++メタルコア(40%)
音楽的特徴と概要:
ギターのメロディーに重点を置いたメタルコア変形です。
CORE TUBEがよく言う「泣き」がギターのメロディーです。メタルコアリフはあまり起用されません。
メタルコア要素としては、ブレイクダウンがやはり頻出します。
ハードコア要素の占める割合が高く、海外シーンでは単にメロディックハードコアと形容される事がしばしばあります。
メロディックハードコアも非常に広義なジャンルですので、興味がある方は以下の記事もご覧下さい。
2000年代中盤頃から同系統のサウンド(いわゆる叙情系)のバンドたちが、数多く登場しました。
しかし、ジャンルとしてはマイナーである事は否定できないです。
メインストリームやトレンドとなるまでには、大きくならなかったものの、衰退はせずジャンル誕生時から現在に至るまでひっそりと存続し続けた来たジャンルです。
そのためどの時代にも良いバンドが多いのが特徴です。というか個人的に大好きなサブジャンル。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
THE GHOST INSIDE - Chrono(2010)
THE GHOST INSIDEは叙情系ハードコア、メタルコアの中で最も成功を収めたバンドと言えると思います。ハードコアの旨味を損なわずにメタルコア的ブレイクダウンがガツンと来るサウンドです。
Counterparts - Sturdy Wings(2010)
THE GHOST INSIDEに続く叙情系ハードコアのビッグネーム。
泣きMAXなギターと目まぐるしい曲展開が特徴です。
FOR THE FALLEN DREAMS - New Beginnings(2008)
サウンドはTHE GHOST INSIDEに非常に近しいです。メロディーに特化した印象に残るギターフレーズが特徴です。
Misery Signals - A Certain Death(2008)
メタルコア、メロディックハードコア(叙情系)、プログレッシヴメタルコアの中間に位置するサウンドが特徴です。(三角形の真ん中くらいの音)
様々なジャンルがミックスされた音楽性から醸し出される世界観は、美しさで統一されています。
狭間の世代②イージーコア
派生ジャンルや別名:イージーコア、メロディックハードコア、ポップパンク、メロディックパンク
起源と隆盛した年代:2000年代後半~2010年代
ジャンル配合率:ポップパンク(70%)+メタルコア(20%)+エモ/スクリーモ(10%)
音楽的特徴と概要:
一般的にはイージーコアとして認知・分類されることが多いです。
2000年代初頭に大きなムーブメントとなったポップパンクバンドには、メタリックな要素が微かに有るバンドがいました。
そういったメタリックなパンクが2010年代頃に進化して、メタルコア要素を取り入れたジャンルがイージーコアだと思います。
ハイスクール青春映画のBGMの様な爽やかで甘酸っぱい歌メロとヘヴィなブレイクダウンのコントラストが特徴です。
熱量と密度の高いシンガロングを多用するのもイージーコアの特徴です。
メタルコアほどシリアス・ソリッド・タイトにはならず、ポップで親しみやすいジャンルです。
近年ポップパンクリバイバルがありましたが、リバイバルの際に融合を果たしたのは、メタルコアではなくヒップホップ(エモラップ)だったように思います。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
A Day To Remember - The Downfall of Us All(2009)
イージーコア界のドン(首領)。
メタルコア的なスクリームと郷愁を呼び起こす明るくキャッチーな歌メロが特徴的。
そしてガツンと落とします。
Chunk! No, Captain Chunk! - In Friends We Trust(2011)
底抜けにポップで明るいサウンドが特徴的です。
ヘヴィになり過ぎないリフと高速刻みもクセになります。
エレクトロコア・電子音ブーム:2010年代
メタルコア第2世代/近代ポストハードコア(MC/PH)
派生ジャンルや別名:メタルコア/ポストハードコア、エレクトロコア、エレクトロニコア、ピコリーモ、メタルコア第2世代、近代ポストハードコア、メタリーモ(造語)
起源と隆盛した年代:2000年代末期→2010年代まで
ジャンル配合率:エモ/スクリーモ、ポストハードコア (40%)+エレクトロ・EDM系の電子音(30%)+メタルコア(30%)
音楽的特徴と概要:
2010年代頃になり、
メタルコアとスクリーモが融合した結果生まれた音楽的共通点を
メタルコア第2世代/近代ポストハードコアと捉えることができると僕らは考えています。
あえて近代ポストハードコアと呼んでいるのは理由があります。2010年代のポストハードコアやメタルコアが、原始的なポストハードコアのサウンドとあまりにかけ離れているからです。
原始的なポストハードコアと2010年代のポストハードコアは、まるで別物です。(気になる方は試しにFugaziなどの1980年代のポストハードコアを聴いてみて下さい)
しかし、どの時代のポストハードコアを指す場合であっても、ジャンル名は全てポストハードコアとされます。これが分かりにくい点ですね。メタルコアと同じです。
補足ですが2010年代頃のポストハードコアとエモ/スクリーモはほぼ同義語です。
この頃登場したエレクトロコア、メタルコア、スクリーモを全部まとめて、ポストハードコアと呼称される事が一般的に定着しました。
クリーンボーカルの印象がメタルコア第1世代と全く異なるのも、この世代の特徴です。
具体的にはSAOSIN型のハイトーンなクリーンボーカルが主流となりました。
2010年代のポストハードコアは、エレクトロ要素、電子音(シンセサイザー、ピアノ、ダンスミュージック的な4つ打ち)を取り入れているバンドが多数います。
この頃のバンドたちは2010年代にメインストリームだったEDM、ポップスの影響を受け、それらを積極的にバンドサウンドに取り入れました。
2010年代からバンドが同期演奏を使用する事が定着して行きます。そして、ライブで奏者が居ない音が鳴るのが当たり前の時代になって行きます。
コンピレーションアルバムPunk Goes Popを聴けば、この当時のポップチューンとヘヴィミュージックにおける電子音の類似性が理解できます。
メタルコアらしさが、ブレイクダウンくらいしか残っていないバンドが増えた時期でもあります。
メタルコア第1世代がメタル×ハードコアという音楽性であったのに対し、
メタルを軸=コア=核にして成立した音楽という意味に事実上なりました。
この記事ではこれを第1世代のメタルコアとはサウンドが少し違っている事を強調すべく、メタルコア第2世代と定義します。
ようするにメタルを中心に添えてさえいれば、他はどんな音楽的要素を追加してもOKで、何でもありの音楽スタイルになったという事です。
この時代からメタルコアという言葉は日本でいうラウドロックのようなレベルで広義的なジャンルになりました。
2010年代の特徴として、ヒットしたバンドの所属レーベルがほとんどRise Recordsだった事もポイントです。今振り返って聴くとやはりRise Recordsの音があります。(ライズサウンド)
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
The Devil Wears Prada - Danger: Wildman(2009)
The Devil Wears Pradaはメタルコア第2世代のパイオニアだと思います。メタルコアリフと煌びやかな電子音に美麗なハイトーンのサビ。
スクリーモ×メタルコアが半々ぐらいに混ざった塩梅は、まさに第2世代ド真ん中と言えるでしょう。
1stアルバム:Dear Love: A Beautiful Discord(2006)の時点で第2世代の大枠を完成させています。
Enter Shikari - Sorry You're Not A Winner(2007)
エレクトロコア(ピコリーモ)の先駆として非常に早期だったバンド。
この曲はリフありブレイクダウンありトランスありでハチャメチャです。
Enter Shikari系譜で進化していったバンドも多かったのも事実。
We Came As Romans - To Plant A Seed(2009)
近代ポストハードコアの原点的音楽性にして完成形。
曲展開の複雑さと練り込まれたリズムとギターフレーズ。
1パートに1回BPMが変わるプログレ具合…
それなのにパートの連続がありパッチワークのブツ切り感がない…
複雑なのに聴き心地はシンプル。でもよくよく聴くとシンプルなのに複雑…このパラドックスが永遠に飽きずに聴ける所以です。
そして他の追随を許さない最強のサビが待っています。
ASKING ALEXANDRIA - A Prophecy(2009)
英国産ピコリーモの原点的存在です。
メタルよりもスクリーモからの影響が強く感じますが、
後に色濃くなってくるハードロック由来のエッセンスは当時の楽曲からも見て取れる部分があります。
Attack Attack! - Stick Stickly(2008)
この時代のヘヴィミュージックシーンを良くも悪くも変革してしまった存在。
コアなメタルファンからは大罪人とされる場合もありますが、ここ10年以上みんなのオモチャになっているのは、愛されている証拠だとも思います。
蟹と揶揄されることが多いが浜辺にいるところは見たことがない。米的古民家や江戸には生息している模様。
Blessthefall - Hollow Bodies(2013)
僕ら的にはメタルコアというジャンルをややこしくした張本人だと思っています。笑
何せ似通ったヘヴィミュージックのジャンル名が全て記載されてますからねぇ…
アルバムによっても、曲によってもニュアンスが違うので好みが分かれるかもしれませんが、
メタルコア、スクリーモ、ポストハードコア全部のニュアンスが高水準でまとまっています。
Memphis May Fire - The Sinner(2011)
メタルコア第2世代/近代ポストハードコアが何か分からなかったらMemphis May Fireに答えがあります。
バンド初期のサザンロックのエッセンスはほぼ消えてしまいましたが、ポストハードコアとして大いに評価された作品です。やはりギターフレーズのオリジナリティーが評価されたポイントとして大きいと思います。
ザカザカ刻みまくってチャグりすぎずにリフを細かいバスドラムに合わせるのも一味違う独自性。
ブレイクダウンと刻み以外でメタルコアの新たな可能性を提示していたように思います。
ヘヴィミュージックの良い部分を凝縮したバランスの良いメタルコア/ポストハードコアです。
後続のバンド達に多大な影響を与えたのは言うまでもないですね!!
Crown The Empire - Initiation(2014)
ゴシカルな世界観が独特の個性を持っていて、若くして評価されたバンドです。
しかも恐ろしい事に昨今ニューメタルコア等で流行っているのインダストリアル的な要素も当時から垣間見えます。
個人的にはCrown The Empireはツインボーカル時代が最強であったと思っています。
I SEE STARS - Violent Bounce (People Like ¥øµ)(2013)
I SEE STARSも早いうちからポップなピコピコ要素を取り入れています。
何よりもクリーンボーカルのキャッチーさと、メロディセンスが飛びぬけていました。
昨今のニューコアの走りとも言える楽曲も当時から多く存在していたように思います。
Woe, Is Me - Fame>Demise(2012)
この時期のポストハードコア/メタルコアは、パーティー感あるポップな電子音を使う事が主流だった中、曲のデジタライズとしてスタッターやテープストップなどが取り入れられてます。曲のデジタル化もメタルコア第2世代の大きな特徴です。
トランス<2010'sヒットチャートEDMって感じです。
さらにWoe, Is Meは、そこにR&B的なクリーンボーカルを取り入れたり、アルバム中で曲同士を繋げたり、その新たな試みは後続のバンドに大きな影響を与えたと思っています。当時の人気は物凄かったですが、メンバーの変遷などで解散を余儀なくされたのが本当に惜しいバンドです。復活しました!!
【おまけ】早期ニューメタルリバイバル
派生ジャンルや別名:メタルコア/ポストハードコア、メタルコア第2世代、近代ポストハードコア
起源と隆盛した年代:2010年代頃→2010年代後半まで
ジャンル配合率:メタルコア(50%)+ニューメタル(35%)+エレクトロ・電子音(15%)
音楽的特徴と概要:
前述のメタルコア第2世代/近代ポストハードコア(MC/PH)とほとんど変わりませんが、
メタルコアをベースとしたサウンドにニューメタルをハイブリッドさせていたバンドたちがいます。しかも2010年代に早々に。
興味深い点はメタルコア×ニューメタルでありながらも後述するニューメタルコアとは全く別物になっている所です。
ニューメタルからの遺産としては
ラップ
コード感と縦ノリ
スクラッチ音
などが残っています。
クリーンボーカルはNu-Metalのシブいオルタナ的クリーンボーカルではなく、
エモ/スクリーモやポストハードコアのハイトーンクリーンや
R&Bからの影響を感じる歌唱法など様々です。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
Of Mice & Men - Would You Still Be There(2014)
メタルコア第2世代の中でも異色の存在感を放つニューメタルリバイバリストOf Mice & Men。
全活動期間、常にニューメタルのかほりがします。
アルバム:The Flood(2011)期あたりは、ギターワークはニューメタル的であるものの、
Shayley Bourget(Gt)のクリーンボーカルは完全にスクリーモ、ポストハードコアのそれでした。
アルバム:Restoring Force(2014)~Cold World(2016)期あたりは、Austin Carlile(スクリーム)とAaron Pauley(クリーンボーカル&ベース)なこともあり、オルタナティブメタル、ニューメタルな音になります。
Shayley Bourgetのクリーンボーカルがエモいのに対して、
Aaron Pauleyのクリーンボーカルがシブめなんですよね。
アルバム:Defy(2018)期になると、Austin Carlileが脱退してしまったこともあってか、さらにオルタナティブメタル、ニューメタル化が進みます。もはやBreaking Benjaminみたいになります。
Issues - King Of Amarillo(2012)
メタルコア第2世代に少々ニューメタル的リフとEDM(主にR&B)加えた味付け。
Tyler Carterの歌唱法がR&B的です。
特にスクラッチ音を使用したことから、登場はネットで「ニューメタル復活!!」と騒がれていた記憶があります。
使う電子音もハイセンス。ヘヴィだけどオシャレにまとめる!!それがIssues。
Dangerkids - Countdown(2013)
実はFrom Ashes to Newよりも早い時期に
LINKIN PARK×メタルコアをやっていたバンドです。
最早歌詞にもLinkin Parkが登場しますからね。
メタルコア第2世代らしいトランス的な電子音の使い方とMike Shinoda(Linkin Park)を想起させるフロウが特徴です。
2ndアルバム:blacklist_(2017)では、後の時代のニューコアの通じるサウンドへと変化しています。
Smash Hit Combo - Hardcore Gamer(2006)
ある意味で現在のニューメタルコアサウンドに一番近いかもしれないサウンドを持っているバンドです。
ニューメタルとDjentを融合させたようなサウンドが特徴です。
恐ろしいことに1stアルバム:Hardcore Gamerは、2006年リリース。
フランスなのでフロウの感じは、Pleymoを思い出しますね。
Djent影響下のメタルコア:2010年代前後~
Djentの歴史は古く、1990年代まで遡らねばなりません。
Meshuggahのアルバム:Chaosphere(1998)で、既にDjentの基礎は完成されていました。
乱暴な表現をするとDjent=ギターの音色です。(※もともとはギターの歪みの音色に対しての擬音語・オノマトペ。)
超低音チューニングと複雑なリズム構成から成る独特のグルーヴがDjentの大きな特徴です。
Djentという単語が一般的になり、半ばジャンル化したのは2010年代に入ってからです。
Peripheryの登場によりDjentは広く認知されました。
Djentはヘヴィミュージックシーンに革新を起こしました。その影響を受けたのは、メタルコアも例外ではありません。
Djentは奥深く、膨大な説明が必要になるため、この記事ではDjentについての詳しい説明は省きます。
詳しくは僕らのジャンル解説動画をご覧ください。
メタルコア第2.25世代① ~プログレッシヴメタルコアとDjent~
同義の派生ジャンルや別名:プログレッシヴメタルコア、Djent
起源と隆盛した年代:2009年前後→2010年代末期まで
ジャンル配合率:メタルコア(40%)+プログレッシヴメタル(30%)+Djent(30%)
音楽的特徴と概要:
変則的なリズムパターン、超低音チューニング、テクニカルさ、エクストリームさの増加により、
メタルコアが更に進歩したジャンルがプログレッシヴメタルコアです。
メタルコアという大きな枠で捉えると、プログレッシヴメタルコアやDjentも一応メタルコアとして捉える事が出来ます。
メタルコアからの影響としてはやはりブレイクダウン&刻み。
Djentと同じく必ずしも0(解放弦ミュート)で、ガリガリ刻むわけではなく、
チョーキングによるうねりを加えたり
引っ掛けリズム・アップピッキングなどの演奏法で独特のグルーヴを発生させています。
ボーカルスタイルもメタルコア的なタフなスクリームを使用するバンドが多いです。
クリーンボーカルはバンドによってまちまちで、共通点はあまりありません。
メタルコアリフを使用するバンドもいますが、それよりも叙情的なリードが頻出です。
そしてギターソロも盛り沢山。
これは個人的解釈ですがDjentほどブルータリティーに特化せず、
壮大でスケールの大きな楽曲、アンビエント的でエモーショナルで
アトモスフェリックなバンドがプログレッシヴメタルコアに分類される事が多いのではないかと考えています。(まぁだいたいDjentの影響下なのでDjentといえばDjentなんですけど…)
Djentの影響はかなり反映されていて、Djentの枠に含まれる場合がほとんどです。
プログレッシヴメタルコアはメインストリームだったエレクトロサウンドの裏で別の潮流を作り出しました。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
ERRA - Alpha Seed(2013)
正直なところプログレッシヴメタルコアというジャンルはERRA以上、ERRA以下でもありません。(暴論)
ERRAが最も分かりやすく的確にプログレッシヴメタルコアというジャンルを表していると思います。
他のバンドは音楽的要素が楽曲によってばらけていますが、ERRAはどの曲を聴いてもプログレッシヴメタルコアだと分かるんですよね。
Oceans Ate Alaska - Blood Brothers(2015)
テクニックにステータスを全振りしたプログレッシヴメタルコアバンドです。曲展開は恐ろしく目まぐるしいです。プログレッシヴメタルの中でもメタルコアらしさが光ります。
メタルコアとしての攻撃性を全面に押し出した曲ばかりではなく、雰囲気重視なプログレらしい曲も存在します。
Invent,Animate - Luna(2014)
Invent,AnimateもThis is Progressive Metalcoreです。ジャンルとしての説明が困難なプログレッシヴメタルコアですが、彼らのサウンドは分かりやすい一例だと思います。
After the Burial - A Wolf Amongst Ravens(2013)
After the Burialがプログレッシヴメタルコアのパイオニアとされる事が一般的ですが、曲によってジャンルの幅があるので判断が難しいです。(一概にプログレッシヴメタルコアとも言い切れない)
メロディックメタルコア×Djentというニュアンスの楽曲が多いですが、この曲はプログレッシヴメタルコア的です。
Novelists(FR) - Voyager(2015)
ERRA系統のプログレッシヴメタルコア群の中でも異才を放っているのがNovelists(FR)です。
テクニカルなギターフレーズ、変則的なリズムの高速刻み、美しいアルペジオ、クリーンボーカルでの歌い上げ…THE プログレッシヴメタルコア要素だらけです。
1stアルバム:Souvenirs(2015)は、プログレッシヴメタルコアサウンドを基盤としています。
アルバム内のブレはそれ程感じませんが(それでも多少ブルータルすぎる曲もある)、徐々に音楽性を変化させて行き、
現在では別バンドと呼べてしまう程にサウンドが変わりました。
I The Breather - High Rise(2010)
今やマイナーめなバンドとなってしまいましたが、圧倒的バランスの良さと楽器隊のセンスの良さが光っているバンドです。
テクニカルになり過ぎずに、プログレッシヴさとキャッチーのバランスも良き。
アルバム:Life Reaper(2014)ではクリーンボーカルも導入され、曲もさらに洗練されているのでオススメです。というかLife Reaperは神盤です。
Monuments - Atlas(2014)
Peripheryの亜種。もう一つのPeriphery。
初期こそPeriphery直系の音楽性でしたが、民族音楽的グルーヴが注入された独特のメタルコアサウンドでした。
チャカチャカしたカッティング音が気持ち良い。
最近になってメタルシーンきってのYoutuberボーカリストAndy Cizekが加入したこともあってか、Peripheryみは薄れました。
メタルコア第2.25世代② ~メタルコア再び~
同義の派生ジャンルや別名:(単に)メタルコア、王道メタルコアリバイバル
起源と隆盛した年代:2013年〜2015年くらいから開始→現在まで
ジャンル配合率:メタルコア(70%)+プログレッシヴメタル(20%)+Djent(10%)
音楽的特徴と概要:
2010年代中盤にはメタルコア第2世代、プログレッシヴメタルコアとも別に王道のメタルコアをリバイバルさせたようなサウンドを持ったバンド群が登場しました。
Djentの影響は超低音チューニングの影がちらつくくらいのレベルに留まっています。
少しだけDjentの影響があるので、ギターの歪みはブリブリ。Djentyなうねりのあるリフを好んで使用している印象があります。
Djentの刻みほど変則的ではありません。
ギターのメロディ(泣き)が、エモ/スクリーモ、ポストハードコア的だったりもします。
クリーンボーカルの質感はバンドにより様々ですが、エモ系のハイトーンではなく、ヘヴィメタルへの接近が感じられる漢感があります。
「メタルコアにはリフあった方が良くね?」組。
Nu-MetalcoreではなくNewMetalcoreといったイメージ。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
Crystal Lake(2013年以降〜) - Beloved(2014)
2013年以前までは正統派メタルコア的な音楽性でした。特にアルバム:Into The Great Beyond(2010)は、Parkway Drive直系のド正統メタルコアサウンド。
この曲はヒロイックなリフから始まり、ブリブリな音作りのブレイクダウンはまさに2.25世代の音だと思います。
Crystal Lake的なサウンドのメタルコアが、2.25世代の音の特徴といってもよいくらいCrystal Lakeはアイコニックなバンドです。
とはいえCrystal Lakeフォロワーが全世界的に増えたことが発生起因ではなく、
同時多発的に同じような特徴を持ったバンドが増えたと考察しています。
Fit for a King - Keep Me Alive(2013)
中期くらいまではデスコアとメタルコアの中間くらいというサウンドだったように思います。その上でニューメタル的な縦ノリも入っていて、音楽性をなんとも形容し難いサウンドでした。
他のメタルコア第2.25世代バンドにも共通する事例として、
この頃のメタルコアバンドのボーカルはデスコア的なブルータリティが強く(Lowグロウル、ガテラルも使う)、
バッキングは超重低音なメタルコアということがいえると思います。
中期以降はクリーンボーカルの比率がやや増え、暗めだったサウンドからやや明るめメロディックなサウンドになっています。
Our Hollow, Our Home - If Those Were Guns, Reggie Be Dead(2015)
第1世代的メロディックメタルコアをメインに、オージーメタルコアのエッセンスを加え、地味にポストハードコア風味もあり、当時のトレンドを押さえたオーセンティックメタルコアの最終兵器でした。そしてヘヴィミュージックの全ての良要素全種盛り。
2023年にギター以外のメンバーが全員脱退し以前ほどの勢いが無くなってしいました。
とはいえ今後も注目していきたいバンドです。
Currents - Sleep Paralysis(2015)
縦ノリでDjentyにうねるギターリフに暗いギターの泣きが特徴。
ここで紹介する中では最もプログレッシヴな要素を持つバンドです。
I The Breatherに泣きを入れてクリーンボーカルも入るというとわかりやすいかもしれません。
1stフル以降はそれまでの度重なるメンバーチェンジが落ち着いた事も相まって、割と一貫した音楽性となっています。
本当は"Euphoria"を推したいけど、Currents的には異質なので我慢。
Any Given Day - The Beginning of the End(2014)
All That Remainsにプロテインを大量注入したらこうなります。
ほんのり似ているのはメロディのニュアンスくらいですが…笑
年月が経つにつれて、ボーカルの上腕二頭筋が進化しているのを見るのも一興です。
アツいメタルコアを欲してる時にはマストなバンドです。
Wage War(初期) - Youngblood(2015)
初期はメタルコア要素が80%を占めるバンドだったと思います。
アルバム:Blueprint(2015)収録の"The River"は、ブリブリでDjentyな低音が強調されているメタルコア第22.5世代らしいサウンド。
しかし、"Alive"は何だかとってもニューメタル。
アルバム:Deadweight(2017)収録の"Stitch"や"Deadweight"はニューメタルコア的。
アルバム:Pressure(2019)は、チルポップ的電子音を大幅に導入し、地平線化が進みニューコア方面にシフトした印象です。
"Ghost"、"Low"、"Fury"は引き続きメタルコア第22.5世代らしいサウンド。
地平線化しすぎた事を自省したのか、
アルバム:Manic(2021)ではブルータルでヘヴィなニューコア的サウンドとなり独自性を打ち出しました。ちょうどI Prevailのアルバム:True Power(2022)のような仕上がり。
音の比率のニュアンスが
ニューコア(50%):メタルコア・ニューメタルコア(50%)
くらいで、ちょうど中間くらいに位置する印象。ここもI Prevailに近い。
結果、曲によって全く印象が異なる&古今東西のヘヴィミュージックの良いとこどりのサウンドになっています。
メタルコア第2.5世代 ~ニューメタルコア登場~
派生ジャンルや別名:ニューメタルコア、ニューメタルリバイバル、New Wave of Nu-Metal
起源と隆盛した年代:2015年頃→現在まで
ジャンル配合率:メタルコア(35%)+ニューメタル(25%)+ハードコア(10%)+インダストリアル(10%)+デスコア(10%)+Djent(10%)
音楽的特徴と概要:
ブルータリティーとグルーヴに重点を置いたのがニューメタルコアというジャンルです。
ニューメタルコアのサウンドの中で最も特徴的なのは、ワーミーリフと不協和音の多用だと思います。
この曲のイントロで「ピー」と鳴っているのが音がワーミーリフです。
現代に通ずるワーミーリフのニュアンスも90年代に既にあるはあります…
どんだけすごいんだPantera…
ニューメタルコアは全体的にKornの様な
暗黒邪悪陰鬱と爆発=静と動で出来ています。
Kornお得意の不安を煽る数々のギターワークの中に、始祖らしくもちろんワーミーもあります。
1998年時点で、現代のニューメタルコアに通じる手法としてワーミーが既に使われています。
バンドインしてからのこの縦ノリ…マジで頻出です。
ニューメタルコアでは、デスコアを想起させる重苦しく極悪なブレイクダウンも曲中で多用されます。
ニューメタルから引き継いだラップ的な歌唱法(ラップ的なスクリームの場合もある)を用いて、
リズミカルなボーカルスタイルで楽曲にグルーヴを加えていることが多いです。
一概には言い切れませんが、クリーンボーカルはあまり使用しないイメージがあります。
ラップ要素についてはニューヨークハードコアの時点からあったのか、ニューメタルからの影響なのかは、もはや分かりません 笑。
というよりハードコアからもニューメタルからも両方の影響を受けて成立したジャンルがニューメタルコアだと思います。
グルーヴ的な観点でもニューメタル的な縦のノリでもあり、ハードコア的2stepもあり、両方のグルーヴが注入されています。
そこにさらにメタルコアのブレイクダウンが加わって、ギターのサウンドメイクだけ超低音チューニングでDjenty★
というのがニューメタルコアの実態だと思います。
実はニューメタルコアがジャンルとして定義付けられるより前からAttilaやEmmureの様に
ニューメタル、デスコア、メタルコア、ハードコアを混ぜていたバンドは存在していました。
以上のバンドサウンドとしてのニューメタルコアの定義の上に、
2020年代のトレンドは、破壊的な電子音としてインダストリアル要素を加えたバンドが多いです。
ジャンルの配合率も各バンドによって違うので、ニューメタルコアの中でも既に細分化されつつあります。
・ニューメタル×コア要素
・Djent×コア要素
・メタルコア第2世代×ニューメタル
・トラップコア
・ニューメタル×ハードコア
などなど…
メタルコア第2世代の時点でもう色んなジャンルが混ざりまくっているのに、
第2.5世代からは更にジャンルの枝分かれが、えげつなくなっていきます。
2020年以降は、ニューメタルコアというジャンルではなく
1つのヘヴィミュージックの要素、味付けにすぎないのかもしれません。
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
Emmure - Solar Flare Homicide(2011)
ニューメタルコアのパイオニア的なバンドです。
Emmureっぽさ=ニューメタルコアと解釈しても良いレベルです。
メタルコアバンドの中で不協和音ワーミーリフを積極的に使用した始まりは、Emmureだと個人的に信じています。
当時はブレイクダウンばかりでつまらないとの批判がありかしたが、
このEmmure的サウンドがジャンルとして成長し、ここまで大きくなるとは当時は思いもしなかったです。
Attilaと同じくEmmureから影響を受けたバンドも多いと思います。
ニューメタル×ハードコアを体現しており、
ニューメタルコアという言葉ない頃は、モダンでブルータルなビートダウンハードコアだと思っていました。
2020年代になりニューメタルコアという言葉が、メタルリスナーの間で一般化したタイミングで、
「そういや最近流行りのニューメタルコアとかいうジャンル、Emmureに似てるな。Emmureが昔からやってたな。」で始祖になりました。笑
Attila - Proving Grounds(2014)
出てきた当時はパーティーデスコアなんて呼ばれていましたね~
Attilaはニューメタルコアという位置付けをあまりされませんが、早い段階で現在のニューメタルコアに遠からず近いサウンドを確立していました。
ニューメタル×デスコア(メタルコア)なサウンドが特徴です。
早い時期からデスラップなどをしていたのは後続のバンドに多大な影響を与えているように思います。
フロントマンのFrontzのキャラクターも相まって現代版Limp Bizkitという形容がしっくりくる様に思います。
作品を重ねるにつれ楽曲のパーティー感は少なくなりました。たまにふざけた曲も出します。
Alpha Wolf - Sub-Zero(2019)
Emmure的純粋なニューメタルコアサウンドを煮詰めた先の音楽性といった印象のバンドです。
ニューメタルコアという概念をいち早く世に浸透させた存在だと思います。
Emmureと同じく彼らも出てき始めはデスコアにカテゴライズされていた記憶があります。
絶対的にニューメタルコアなんだけど、彼らのルーツにはハードコアを感じます。(小声)
Dealer - Violent Stimuli(2020)
Dealerの登場をもってニューメタルコア開始といってよいほど
今日のニューメタルコアサウンドを決定付けた存在だと思います。
特筆すべきは既存のニューメタルコアの定型にインダストリアル要素を上手く融合させたことです。
後続でDealer型のニューメタルコアが増殖したのは言うまでもありません。
Alpha Wolfとは音楽性の面で共通点が多いのはもちろん、メンバーの入れ替え等でも関係が深いバンドです。
Darko US - Insect(2021)
ニューメタルコア最先端&最重要のユニットです。
脳を搔き回す不協和音の嵐、混沌とした複雑なドラミング、轟音と超重低音のギター、地下に住まう怪物の様なスクリーム、破壊的機械音…全ては残虐性のために。
デスコアバンドChelsea Grinと兼任するTom Barberがいるので、デスコア的なブルータリティーはありますが、
やはりデスコアのそれとは違うグルーヴが独自性を放っています。
ovEnola - The Old Blood(2020)
全世界に発信したい最高のニューメタルコアバンドです。
ブレイクダウンに固執せず、複雑に練られたリズム構成に気が付けば頭を振りまわすのは必然です。
ニューメタルコアの名にふさわしいニューメタル的なシンプルでヘヴィなギターリフとバウンス欲を駆り立てられるモダンなリズムパターンが最高です。
Graphic Nature - Sour(2023)
Slipknotをモダン&インダストリアルに煮詰めた様なサウンドが特徴です。
This is Nu-Metalcoreを体現したかのような、ニューメタルコアの到達点をわからせてくる存在感。
ブレイクダウンに執着したダレ感がなく、スピーディーなグルーヴと曲展開が個人的に超高得点です。
低音リフを基調にしたハネる横ノリ、バウンシーな縦ノリで超ノリノリです。
そしてホラーテイストな電子音のセンスが良いこと。良いこと。
このバンドのサウンドに近いバンドをニューメタルコアとするのがメタルファンの総意だと思っています。
Cane Hill - 10¢(2018)
現代版Corey TaylorことElijah Witt要するバンド。
Cane Hillはニューメタルコアというより、ニューメタルリバイバルを早い時期に行っていたバンドです。
2000年代当時のニューメタルバンドが徐々にオルタナティヴロック化していった流れと同じ様に、クリーンを歌えるボーカルがいるニューメタルコアバンドも大体オルタナティヴロック化していくのは自然の摂理な気がする今日この頃です。
Tallah - For The Recognition(2022)
新進気鋭のニューメタルリバイバルバンドです。
ニューメタルコアというよりは、単にニューメタルとされている事が多いですが、ニューメタルコアとも近いサウンドです。
2000'sニューメタルの邪悪な魔力を凝縮してモダンに翻訳したようなサウンド。
ニューメタルコアにはあまり見られないSystem of a Down的奇天烈な歌い回しが特徴です。
Justin Bonitz(Vo)は、スキルフルかつ狂気を感じるスタイルです。
Code Orange - The Game(2023)
インダストリアルでエクスペリメンタルなサウンドが主成分故、こちらもニューメタルコアとして語られる事はほぼありません。ニューメタルリバイバルの一つのバリエーションとして捉えて下さい。
アルバム:Forever(2017)~アルバム:Underneath(2020)時点でも、ニューメタル的アプローチは薄っすらありました。メインの音楽性はインダストリアルでホラーなハードコアといった印象です。
この曲を含むアルバム:The Above(2023)では、盛大にニューメタル的なリフと縦ノリをブチかましてくれてます。
Sylar - Assume(2016)
Sylarもニューメタルコアというよりは、ニューメタルリバイバルを早い時期に行っていたバンドです。
ラップもバチバチです。バックサウンドは少々Attilaを感じます。
クリーンボーカルの歌い上げ方に「え!!??そういうサビ来るの!?」驚くと思います。
曲に漂う何とも言えない雰囲気が、P.O.D.を思い出すのは僕らだけ?笑
Volumes - On Her Mind(2017)
Volumesは音楽性をかなり変化させてきたバンドです。
ただし全期間、スクリームにラップ的フロウがあります。
直接的にニューメタルコアとは扱われないものの、ラップ的なものとDjentサウンドをMixtureさせたのが非常に早かった印象があります。
極悪さとニューメタル要素という意味では、ニューメタルコアと同じだと思います。(ニューメタルコアとは元素材と混ざり方少し違うが)
アルバム:Via(2011)~No Sleep(2014)くらいまでの初期は、
Djent×ハードコア、叙情系ハードコア
でした。
アルバム:Different Animals(2017)期くらいからは、ニューメタルといえる要素が増えました。この時期はIssuesっぽいバンドになったな~と思ってましたね。
DVSR - Bloodlust(2020)
Djent×ラップバンド。最近はDjent的で複雑だったリズムパターンがシンプルになり、よりニューメタル的になって来ています。
当初からスクリームが入ったらもっとかっこいいのになーって思ってましたが、この曲で夢を叶えてくれました。
初期はDjent要素が強かったですがこのアルバムからは、ニューメタルコアコア的不協和音とノリやすいグルーヴが爆発しています。アルバム:West Technique(2020)は、非常にトウモロコシ味で美味しいです。
Hacktivist - HYPERDIALECT(2021)
DVSRと同じくDjent×ラップを基盤としたサウンドです。2人のラッパーを擁するバンドですが、スクリーマーがいるのが大きなアドバンテージになっている気がします。
トラップ要素も色濃く反映されており、それによりオリジナリティーとグルーヴが大きく加味されています。
強烈で社会派なメッセージ性も魅力の1つです。
現代のメインストリーム:2020年代
メタルコア第3世代? ~ニューコアの台頭~
派生ジャンルや別名:ニューコア、ニュースタイルポストハードコア 、New Wave of Nu-Metal
起源と隆盛した年代:2015年頃→現在まで
ジャンル配合率:エモ/スクリーモ、ポストハードコア(30%)+オルタナティヴロック(20%)+ニューメタル(20%)+チルウェイブなどの電子音楽(15%)+メタルコア(15%)
音楽的特徴と概要:
メロディーとキャッチーさに重点を置いたのがニューコアというジャンルです。
新しい(ニュー)スタイルのポストハードコアという意味を表しているからニューコアであるというのがジャンル名の由来として有力です。ニューコアという言葉はネット上で音楽ファンによって作られた造語です。
今では一般的な概念になりつつあると思います。
サウンドについては、もはやメタルコアらしさはほぼ無いです(笑)
ブレイクダウンすらしない事もしばしば…
そのためニューコアはメタルコア第3世代と呼ぶ事には疑問符が付きます。むしろヘヴィミュージックの現時点での最終進化系と捉える方がしっくり来るかもしれません。
ニューコアはメタルコア第2世代/近代ポストハードコアのメタル要素を調味料・隠し味程度に抑え、
更にポピュラーミュージック寄りに進化させたジャンルと言えます。
前述の通りメタルコア第2世代/近代ポストハードコアの時点で既になんでもありになっていたので、ニューコアも例に漏れずなんでもありです。
弦楽器のチューニングだけはダウンチューニングを起用していてヘヴィですが、ほぼスクリームもしないでキャッチーなクリーンのサビがくることが多いです。
そしてそのサビやコーラスを何度もリフレイン(繰り返し)させるというのがニューコアのスタイルの特徴です。1曲でサビが3〜4回来ます。
曲構成はJPOP的ともいえる以下のパターンを持つ楽曲が多いです。
イントロ(歌はじまりが多い)→Aメロ→Bメロ→サビ→ブリッジ→Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロ→サビ→サビ(変化形の大サビ)→アウトロ
Aメロで音量を下げてチルくする・静かにするのがニューコアの特徴で共通点です。Aメロはボーカルとベースとドラムとチルい電子音だけになることもしばしば。(ギターなしになる)
メタルコア第2世代/近代ポストハードコアと
ニューコアについては、電子音を使用しているメタルコア/ポストハードコアという点で同じではありますが、
時代の変遷と共に楽曲で使用する電子音が変化しています。(メタルコア第2世代/近代ポストハードコア→ニューコアへ進化する過程で変化している)
それぞれの時代に主流だったEDM、ポップスからの影響を受けています。
メタルコア第2世代/近代ポストハードコアの電子音は2010年代初頭のEDM(エレクトロやダブステップが流行っていた)からの影響が強く、音の印象としては明るく
ニューコアがチル系のポップスやトラップやエモラップからの影響が濃く、音の印象としてはやや暗いと言えます。
そして壮大・スケール感の大きなシアトリカルなSEや電子音が使用されます。
ピコリーモの時とは違うオートチューンも頻出です。ケロケロではなく低いダブリング的な使い方が多いです。
ニューコアで頻出する声の加工感の例
※CVLTEはニューコアと断定できないです。
ニューコアのバリエーションも様々です。
・メタルコアバンドがトレンドを意識してBMTH的なニューコア化を果たしたパターン
(メタルコアバンドの地平線化現象)
・メタルコアバンドが2000年代のニューメタルの要素を取り入れたパターン
(メタルコア×Linkin Park)
・ポストハードコアバンドがチル系の電子音を主に置いて歌モノ化したパターン
(スクリーム激減、ブレイクダウン減少)
などなど…上記の変遷からもわかるように最初からニューコアとして登場したバンドは少ないです。
ニューコアは現在のヘヴィミュージックシーンでポピュラーなジャンルの一つです。
この点においてニューメタルコアよりもニューコアの方が2000年代当時のニューメタルに近く、メインストリームになりつつあります。ニューコアバンドがグラミー賞にノミネートされてるのが主流たる証拠です。
スクリーモ(原始的な生音主体)→ポストハードコア(電子音の導入)→ニューコア(よりスケールを大きく)と言う図式は
Metallicaなどがよりスケールアップする為にグルーヴメタル、スタジアムロック(オルタナ)化した現象ととても良く似ていると思います。
この現象はBring Me The Horizonや、Parkway Driveなどにも当てはまります。
ヘヴィミュージックの限界点や伸び悩み、新たな客層の導入、はたまた演者の加齢など様々な理由が考えられますが、ある程度メタル、ヘヴィミュージックというフィールドである程度ビッグになったバンドが大衆化すると爆発的人気を博すというのは歴史が証明してきました。
ここにカテゴライズされてるバンドのほとんどがこの流れを汲んでいます。
ニューメタルコアと同じく、
全体像としてニューメタルからの影響を感じるニューコアですが
わかりやすい形容として、
■ニューメタルコアはSlipknot&Kornの進化
であり
■ニューコアはLinkin Parkの進化
と言い換えてもいいかもしれません。
ポストハードコア派生のニューコアバンドの中にはニューメタルの影響がほとんどないバンドもいますが、
Linkin Parkのエッセンスはニューコア全体の共通点でもあります。(声質と電子音の質感)
Linkin Parkの名前を出すとアルバム:Meteora(2002)、せいぜいアルバム:Minutes to Midnight(2003)までを想像しがちですが、
アルバム:Living Things(2012)やアルバム:One More Light(2017)も、今考えると非常にニューコア的なのでお忘れなきよう…。
今更ニューコアな曲。
特にボイスサンプル(子どもや女性の声)がニューコア的。
ボイスサンプルはLinkin Parkの専売特許というよりEDMからの流入ですが、ニューコアで頻出です。
【メタルコア×ニューメタル】グループ
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
Bring Me The Horizon - Throne(2015)
ニューコア=BMTH的な雰囲気のある音楽
と言っても過言ではないと思います。
"Throne"のハネるリズムパターンはニューコアで頻出です。
アルバム:That's the Spirit(2015)~amo(2019)までが特にニューコア的音楽性だったと思います。
実質的なニューコアの開拓者でありながらニューコア的な音楽性から早々に方向転換して、
アルバム:Post Human: Survival Horror(2020)では、メタルに回帰しています。
だだしPost Human: Survival Horror収録の "Teardrops"や"1x1"では色濃くニューコア的LINKIN PARK色が出ています。
しかし、これらの音楽的特徴も次のアルバムではガラッと変わるでしょう。
MVやライブの演出はどんどん映画的、劇場的になっています。
I Prevail - Hurricane(2019)
BMTHと対をなすニューコア二大巨頭。
ニューコア成分が強めですが、イージーコアやニューメタルコア的なニュアンスも多くアルバム内でも楽曲のニュアンスがかなり違うといった特色もあります。
全体な音の比率のニュアンスは、
ニューコア(50%):メタルコア・ニューメタルコア(50%)くらい。
1stアルバム:Lifelines(2016)収録の
"Stuck in Your Head"、"RISE"、"One More Time"やはとってもイージーコア、ポップパンク的です。
"Lifelines"や"Outcast"はニューメタル的。
アルバム:Trauma(2019)収録の"Bow Down"、"Paranoid"、 "Every Time You Leave"、"Rise Above It"、"Breaking Down"、
リードトラックの"Hurricane"は、非常に映画的なスケール感の電子音が積極的に導入されおり、ニューコアらしいと言えます。
逆に"Gasoline"はバチバチにハードコア寄りなメタルコアナンバーです。
アルバム:True Power(2022)収録の"Self-Destruction"や"Visceral"のギターはDjenty。"Closure"や"Deep End"はニューコアど真ん中なサウンド。
ジャンルミックス度合がまさに現代のメタルコアバンドと言った印象です。
ポップパンクからの影響もあり、とにかく素晴らしいメロディーのフックある事が海外での人気が根強い理由かもしれません。
Bad Omens - The Worst In Me(2016)
BMTHフォロワーの最たる例。
でしたが、現在はオリジナリティが出始めフォロワーの域を脱したと思います。
そのブレイクスルーの甲斐あってか、認知度爆上がり中です。
ニューコアセオリーのオンパレードなので、例として非常にわかりやすいバンドです。
なかなかにニューメタル要素も色濃く、DJアーティストKAYZOとのコラボ曲"Suffocate"はなんだかとってもDisturbed。
メタルコア第2世代/近代ポストハードコア の最終到達点とも言えます。
From Ashes to New - Wait For Me(2020)
ざっくり言うと現代版Linkin Parkです。
とはいえ、ここ20年分のメタル音楽のエッセンスを巧みに取り入れ、独自の音楽性を追求しているバンドでもあります。
懐かしいんだけど新しい。既視感があるけど新鮮。居そうで居ない。そんな絶妙なラインの音楽性です。
メタルコアバンドのオルタナティヴロック化という側面から考えると、Linkin Parkはニューコアの始祖的存在だったのでは?という考察に辿り着きます。
STARSET - MANIFEST(2019)
ニューコアというより、シネマティックプログレッシヴメタルコアみたいな感じです。
プログレッシヴでもアメリカンなキャッチーさがあります。
イメージは
クリストファーノーランの映画のサントラ
ニューメタルの分かりやすい縦ノリ
たまにDjent感ある変則的リズム
サビはNickelback
みたいな感じのバランスです。
もはやメタルというよりモダンなヘヴィロックバンドって感じです。
【ポストハードコア×トレンド・現代的電子音】グループ
代表的なバンドと特徴が分かりやすい曲:
ALAZKA - Empty Throne(2017)
単にポストハードコアバンドではありますが
今から遡って考えるとニューコア的です。
どこまで他のアーティストに影響があったかは定かではないですが、
ニューコアというジャンルは、
ALAZKA型の歌唱法と曲構成で成立して行きます。驚くほど現代のニューコアとの共通点が多いバンドです。
ポストハードコア→ニューコアの進化の流れが良くわかると思います。
ちなみに改名前(Burning Down Alaska時代)は、ここまでクリーンボーカルには特化していませんでした。
Cold Black - Circles(2017)
早い時期に現代に通ずるニューコアサウンドを確立していたバンド。
純粋なポストハードコアであったこともあり、ニューメタル要素はほとんどありません。
Falling in Reverse - Losing My Mind(2019)
初期はL.Aメタル、グラムメタルのようなアメリカンなロックサウンドが色濃いスクリーモ、ポストハードコアバンドでした。最近はラップがガチすぎるのでニューコアと括ってしまうのも微妙な気がします。
ポストハードコア的な超絶キャッチーなサビと、しっかりメタル的な重さが共存しているのが強過ぎます。そして極めてシアトリカル。
ポストハードコア×トレンド・現代的電子音グループに入れましたが、ニューメタル要素もあります。"Drugs"にCorey Taylorがフィーチャリングしてますしね。
"ZOMBIFIED"は、そこはかとなくLinkin Parkの"One Step Closer"。
個人的にはシングル:Drungs(2019)の路線を突き詰めて行って欲しいですが、メンバーの死などもあり制作スピードが落ちているので心配なところです。
Holding Absence - Gravity(2020)
最近の楽曲はニューコアよりも王道直球なロックサウンドと言った方がしっくりする気がします。"Gravity"に関してはしっかりニューコアしてますね。
ギターフレーズやボーカルのメロディラインなどを分解して考えると、やはりエモ/スクリーモ辺りの影響は色濃く感じます。とにかく歌メロのフックが効いているバンドです。
Dayseeker - Sleeptalk(2019)
2010年代前半に出現した際はスクリーモ、ポストハードコアとしか形容しようのないバンドでした。
作品を重ねる毎にミドルテンポの曲も増え、スクリームもほぼしなくなり、電子音の種類的にはニューコア的音楽性に変換しました。
ニューメタル要素は、ほぼ見当たらないと感じています。
登場時からクリーンボーカルが評価されていたので、クリーン比率が増えてくるのも確定事項でした。
Thousand Below - Silent Season(2022)
初期はスクリーモリバイバル的なサウンドでしたが、中期~後期のI SEE STARS的ポストハードコアサウンドへ進化し突き詰めていきました。
この手のサウンドに共通するサビのキャッチーさは持ち合わせてはいるものの、
突き抜けなさが何処か残るのは、ミドルテンポの楽曲に重きを置いてるからな気がします…やはり疾走感って大事。
CASKETS - Glass Heart(2021)
ズバ抜けたキャッチーさと強烈なメロディーセンスが武器。
ニューコアサウンドの究極完全体と言ってもいいかもしれません。
電子音に頼りすぎずに“歌”で勝負してるのも推しポイント。
メタルコアの今後~シンカし続けるシーンの観測~
各時代の様々なメタルコアの進化・変化を紹介して来ましたが、このメタルコアの分かりにくさは、どれだけジャンルの音楽性が変わっても"メタルコア"と呼び続けて来てしまったからだと思います。
各時代それぞれのメタルコアの共通点として、
もともと成立からしてメタル×ハードコアで既にミックスされており、
現在ではメタルやハードコア以外のジャンルあらゆる音楽ジャンルを貪欲に取り入れて進化して来ました。
これはメタルコアの持つ性質、食物連鎖による適応能力と言えます。
あるいはメタルコアの融合本能とも言えます。いろいろなジャンルが混ざるのはもはや必然なのです。
この記事での整理がメタルコアが少しでも分かりやすくなれば幸いです。メタルコアは奥が深いですね。
若い世代のメタルファンも2000年代のメタルコアまでは抵抗感なく遡って聴いてくれているイメージがあります。
メタルコアが誕生して既に20年以上が経ちますが、ここまで愛され続けるのにはやはりメタルコアがなんだかんだ言ってもかっこいいからだと思います。
これからも進化し続けるメタルコアを掘って行きたいですよね。
2022年現在、メタルコア第2世代の原点回帰(2010sサウンドへの回帰)やデスコア勢のエクストリーム化が進んでいると感じています。
シーンがブルータル方面とキャッチー方面で二極化し、両極端になって来ているように思います。
現在のヘヴィミュージックシーンを席巻するニューコアのブームは今後2年くらいは続きそうです。
しかし、楽曲がシンプルに無駄なものを削ぎ落とし過ぎたからか、ミドルテンポ、チル要素などをそのままに、今までよりヘヴィな電子音を入れてくる傾向が強くなってきたなと思います。(メタルに戻って行きそうな気配)技術的な革新と共に音楽が非常に手に取りやすくなった事により進化のサイクルがとにかく早くなっています。
これまでは電子音が少しのエッセンスだったのに対し、電子音が重さの中核にあったりするバンドも増えてきているように感じます。
それに対して生音至上主義のバンドも出てきているカウンターも見ていて面白いですね。
僕らはどっちも好きだからどっちが良いとは言い切れませんが、皆さんも今の音楽史の変遷を楽しんではみては如何でしょうか。
written by カラス先輩、くろちゃん
改版履歴
2022/3/6 公開
2022/3/8 メタルコア0世代、メタルコア0.5世代追記
2022/4/4 Panteraについてを追記
2022/10/25 メタルコアの種類、おまけ:狭間の世代を追記
2023/5/10 Bulldozeについてを追記
2024/1/21 大見出しと小見出しとサブタイトル、メタルコア第2.25世代②、早期リバイバル組、【おまけ】早期ニューメタルリバイバル、メタルコア第2.25世代①にバンドを追記
2024/2/6 全体修正
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