メロコアを巡る冒険
メロコアの定義がよく分からない‼︎という質問を頂きました。そういえば分からない人が他にも居るかもしれないという事で記事にします。
メロコアについての動画はいつ撮れるか分かりませんが、出来るだけ普段の動画風なフォーマットでメロコアについて書いてみたいと思います。
※諸説あるので参考までにして下さい
メロコアとは?
メロコアとはメロディックハードコアの略称です。
メロディ×ハードコア
つまりメロディアスなハードコアという事ですね!
"メロ"の部分は古くはギターのメロディ
近年は歌メロも含んで良いと個人的には思います。
ざっくりハードコアより歌のメロディやギターのメロディがあるサウンドだと理解すれば良いかと思います。
ルーツはハードコアと同じくパンクですね。というかハードコアのルーツもパンクであるから当然と言えるかもしれません。
結論
日本の音楽ファンが言うメロコアは非常に広義的です。
そして、現在の日本で言うメロコアと海外で言うメロコアが微妙にニュアンスが異なるという点に注意しなければなりません…
それでは以下で少しメロコアの世界を紐解いて行きましょう。
海外のメロコア
僕が「これはメロコアと言って良いだろう」
メロコアらしいメロコアとして、まず思い出すのはRise Againstです。
Rise Againstはとてもキャッチーで聴きやすいのですが、ハードコア的な要素としてたまにスクリームします。
故にメロディックな”ハードコア”なわけです。
僕の定義、僕がメロディックハードコアだと思うのは
スクリームするけどバックサウンドがしっかりパンク的なバンドですね。
そしてメタル的過ぎない所も重要な判断基準です。
大丈夫です。海外でもメロディックハードコアという言葉はちゃんと存在します(笑)
さて
ここで問題なのがTAKENなどのいわゆる日本で言う叙情系/派ニュースクールハードコアも、やはりメロディックハードコアであるという事です。
こちらはほぼスクリームしかなく、”メロディ”の部分はギターのメロディのみとなってます。これがいわゆる"泣き"呼ばれるやつですね。
海外のメロコアは大きく分けて3種類
①プリミティヴなメロコア
NOFX、BAD RELIGION…
②メロディックなハードコア=メロディックハードコア
Rise Against、Strike Anywhere、Anti-Flag、Pennywise…
③叙情系/派ニュースクールハードコア
TAKEN、Shai Hulud、Hundredth、Life In Your Way…
余談ですが
"泣き"があるハードコア要素が強いメタルコアもここ③に含まれたりします。
The Ghost Insideなどがその代表例ですね。
僕的な感覚ですがThe Ghost Insideはハードコア寄りのメタルコアです。
あくまでメタルコアだと考えております。
リフがほぼ無いので!!(笑)
メタル成分30%:ハードコア成分70%ではあるのですが(笑)
こういったバンドを良く動画内ではハードコア寄りのメタルコアという表現で紹介していますね。
海外のポップパンク
メロディックハードコア を語る上で欠かせないのが、ポップパンクです。
1990年代後半~2000年代初頭~、ポップパンクは爆発的な人気となりました。
もはやバンド=ポップパンクというレベルでしたね。
みなさんもご存知であろうGREEN DAYは、この時代のアイコンですね。
紹介する意味があるのか疑問に思うレベルの曲ですね(笑)
ポップパンクはパンクの伝統を踏襲しつつも、その名の通り"ポップさ"に重点を置いたジャンルと言えます。
一体何が"ポップ"なのかというと…
歌メロです!!
もうとことんキャッチーです。飲食店、ショッピングモール、お母さんに聴かせても大丈夫なくらいキャッチーです。
しかし
いくらポップなパンクバンドと言えど歌詞やアティチュードは結構パンクスだったりしましたね。
やはり心底にはパンクスピリッツがあると言いますか…
GREEN DAYもまさにそういったバンドですね。そこが最高にクールだと思ったり…
やはりこのジャンルもバンド数が増えすぎ、飽和化が進みます。
現代ではほぼ、この時代のサウンドを鳴らすバンドはいません。絶滅したジャンルと言われる事もしばしば…
くろちゃん的には、メタルを聴くより先にこの時代のポップパンクを聴いて育ったので大好きで思い出深いジャンルです。
ポップパンクの面白い所はその自由度です。
メタルとも深い関係にあります。
Sum41のブレイクによりメタル要素のあるヘヴィなパンクバンドが増加しました。
日本のメロコア
日本のメロコアの音楽的特徴
①懐かしくて甘酸っぱい青春な歌メロ
②2beat+コードをメイン添えたギター
ギターは裏でリズムを引っ掛けるやつですね
ドラムはダブルは頭が一発
NOFXは日本のバンドではありませんが
このリズムとコードの絡みを聴くとこれぞメロコアって思いますよね(笑)
逆にこのパターンがあれば何でもメロコアなのではないかと思ったり。
③ポップパンク的メロディと自由な音楽性
現代シーンに於いて、日本のメロコアはかなり広い意味となってます
ほとんどの場合は海外でいうポップパンクの要素を内包しているバンドが多いです。
日本のメロディックハードコアを語る上で欠かせないのがHi-STANDARDですね。起源的純度が高いメロコアという意味では海外のメロコア3種類の①と同じような位置づけだと思います。
PIZZA OF DEATH RECORDSを母体としたムーブメントを自覚的に起こして行くのですから…レジェンドですよね
僕は体験的にこの時代を語る事は出来ませんが、こういうシーンと共に生きたら音楽が更に楽しいだろうと想像しております。
もう一つ
日本のシーンで触れておかないといけないのは、ELLEGARDENですね。
こちらは体験的に語れますよ!!
当時のシーンはそりゃあもうELLEGARDENのフォロワーだらけでしたよ。
誰とは言いませんけど(笑)
ELLEGARDENはパンクをコアとした音楽ですが、メンバーの音楽的バックグラウンドが広い為かたくさんの要素が入ってます。
結構ヘヴィなんですよねぇ。
Snake Fightingはこれで"ポップ"とは良い難いくらいヘヴィロックな曲ですよね。アルペジオはエモさの極み。
TV Maniacsスネアの音作り最高に鉄ですね
バタフライではサビの入り前スクリームチックなアレンジが入っていたり
ELLEGARDENはアンプもヒュースアンドケトナーを使っていたり
Evanescenceが好きと公言していたり
なかなかメタリックなエッセンスを持っているバンドですよね。
全ての音楽的要素がバランス良く、しかも超クールな仕上がりでブレンドされています。
僕らはよく"エモ要素"としてアルペジオを例として上げますが
ELLEGARDENのアルペジオも最高にエモいんですよね。
この高速アルペジオがギター初心者の鬼門だったりしましたね(笑)
アルペジオがあるのでエモがジャンルに記載されているのではないだろうかと思ったりします。ELLEGARDENに関して言うなら
メロコアでありポップパンクでありエモであり
たまにベヴィロックであるって感じしょう。
あとはELLEGARDENの場合だと歌詞がパーソナルで内向的な内容である事も多いので
そういった面でも当時のティーンの心を鷲掴みにしていましたね。
ELLEGARDENの爆発的なブレイクによって
日本のメロコアシーンはジャンル的拘束から解放され、より自由になったと言えると思います。
これも別にELLEGARDEN以前からジャンルのミックスは起きていたとする考えはありますが、やはりELLEGARDENはエポックメイキングな存在でしたので代表例としてですね。
そういった流れから
日本のシーンではハードコア 要素があまり無く、ポップパンク寄りなメロディさえあればジャンルがミックスされているバンドでもメロコアと言います。
メロコアという呼び方が一般的に定着しました。
そしてそのミックス具合が、メロコアを理解する難しさの一因と言えます。
日本のメロコアはメロディックハードコアと言うよりは
メロディをコア(中心)にしたパンク
と考えた方が分かり易いかもしれません!!
総括
メロコアの分かりにくさは
このあたりのジャンルが全て、パンク派生の音楽である事に起因していると思います。遡ればですが…
大まかなジャンル変遷の流れ
Step1(1970年代~):パンク
↓
Step2(1970年代後半~):**ハードコア **
【より激しくヘヴィになる】
↓
Step3-①(1980年代~):メロディックハードコア
【ハードコアよりは軽くなる】
↓
Step3-②(1980年代~):ポストハードコア
【ハードコアよりは軽くなる】
↓
Setp4(1990年代~):ポップパンク
【ハードコアよりは軽くなる】
↓
Step5(2000年代初頭~):メタルコア(メタル×ハードコア)
【メタル寄りなのでかなりヘヴィ】
↓
Step6(2000年代後半~):イージコア(メタルコアxポップパンク)
【メタルコアより軽い】
という感じになります
変遷の上にあるジャンルの音楽的要素を下にいるバンドは当然持っている可能性があるわけですね。
それ故にWikipediaでジャンル欄を見てみると複数のジャンルが記載されている事が良くあります。
別の動きとしてはStep3の時にポストハードコアやスクリーモになったりしています。そこら辺のややこしさを解決するには僕らのこの動画をどうぞ
イージーコア
イージーコアはポップパンクとも非常に聴き心地が近いジャンルとして外せないので軽く触れます。
イージコアもポップパンク的な歌メロを持っています。
イージーコアはメタルコア/ハードコア要素であるブレイクダウンとポップパンク的な歌メロが融合したようなジャンルです。
スクリームもメタルコアチックなミドル感の強いスクリームですね。
スクリームが入らないバンドも存在します。
イメージコアは
メタルコアより軽いメタルコア=イージコア
ですね
メタルコア由来のブレイクダウンを使用していて、なおかつポップパンク的な歌メロが入るバンドをイージーコアと呼んでいる感じです。
ジャンル的にはメタルコアとポップパンクより後発的なジャンルです。
聴いた感じの歌メロは200X年感はありますよね。
A Day To Rememberは曲によってかなりヘヴィさに違いがあります。とてもヘヴィな曲もたくさんあります。
Four Year Strongはイージーコアを理解するのに最も適したバンドの一つと言えるかもしれません。
「なんだ?お前は最終的にメタルと何でも結びつけるな?」と思われるかもしれませんが、少しだけメタル的エッセンスを取り入れたパンクバンドってとてもヒットしていた印象です。メロディ+アグレッションは最強だったのでしょう(笑)
メタルVSパンクなんて言われていた時代もあったようですが
完全にジャンルの境界を不問にして、何でも聴く世代のキッズが見事にジャンルをクロスオーバーさせてくれたということでしょう。
最後に
~コアという音楽ジャンルは、どこまで行っても〜を中心に添えた音楽という意味でしかなく、厳密に細分化する事が困難です。コア(中心)の外周を取り巻く他ジャンルの要素が多すぎるからですね。
カテゴライズにこだわり過ぎないで楽しく音楽を聴くのも最高ですよね!
「でもちょっと詳しい事も知りたい!」そんな方の手助けができるような活動が出来れば良いなと考えていますので、これからもよろしくお願いします。
Goodbye!!
By CORE TUBE 96CHANG