一級建築士試験_設備の考察

・一級建築士試験の部門に環境・設備があります。その中でも私の専門である給排水、空調の問題について、少しずつ解いていってみようと思います。
・実際の設計でどのように考えているかなども追記出来ればいいなぁ。

平成21年度の問題から

【No.11】
空気調和設備の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

  1. 円形ダクトにおいて、ダクトサイズを大きくし、風速を30%下げて同じ風量を送風すると、理論的には、送風による圧力損失が約1/2となり、送風エネルギー消費量を減少させることができる。

  正解
  ⇒風速を小さくして、その道を大きくすれば抵抗が下がるのは想像でき 
  ます。圧力損失が1/2なのか?という点がポイント。
  圧力損失の式は
  
  ・1/2ρV2

  というのをとにかく覚えておくといいです(詳しくは割愛)。
  速度です!速度がポイントです!
  ρは空気の密度で、Vは速度。(1.0-0.3)^2=0.49なので、ほぼ1/2!!!

  ※実際の設計では、単位抵抗を用いてダクト径を決めます。風量に対し 
  て1.0Pa/mになるダクト径を選びます。
  空調衛生設備の便利ツール DuctCheckerさんを重宝させてもらっていま
       す。https://tools.air-sekkei.com/ductchecker/

2.長方形ダクトを用いて送風する場合、同じ風量、同じ断面積であれば、形状を正方形に近づけるほど、送風エネルギー消費量を減少させることができる。
  正解  
  ⇒送風機は抵抗が大きいと機器も大きくなります。
  では、ダクトの抵抗が大きくなるのは?
  長方形ダクトは四角形で、その周長(4辺の合計)が一番短ければ風は  
  それだけダクトに触れないですむ(=抵抗にあわない)
  で、周長が一番短くなるのが正方形!!!⇒一番抵抗小さい⇒送風機動
  力小さい

3.一般の事務所ビルにおいて、窓、壁、屋根等の構造体からの熱負荷を50%減少させると、冷房用エネルギー消費量を50%減少させることができる。

   不正解     
   ⇒冷房用エネルギー=構造体負荷(窓、壁、屋根等)+人体負荷+照
   明負荷+OA機器負荷+換気負荷
   なので、構造体だけー50%でも表記のようにはならない。 
   空調機は、建物の中で発生するたくさんの熱を冷やしていますね。
   
   実務やってると空調機冷房負荷は、構造体、特に窓の負荷が曲者で 
   す。あと、換気負荷も大きく。この2点が負荷の大部分を占めます 
   ね。

4.照明の電力消費量を減少させると、冷房用エネルギー消費量も減少させることができる
   
   正解
   3.の式からも照明負荷は減らせば、冷房エネルギー減ります。

以上、一級建築士試験問題から実際の実務でどう取り組んでいるかを追記してみました。
皆様の実務等で何かしらの気づきなどあればうれしいです。

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