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024. 暑熱適応度 = 暑熱順化スコア

免責事項:暑熱順化には、体温調節システムにストレスを与える必要があります。下記の情報は一般的なガイダンスであり、暑熱トレーニングを行う前には専門家およびコーチにご相談ください。いかなる状況下にあっても熱中症の症状が出た場合は、直ちに中止し、医療専門家にご相談ください。

暑いコンディションで最高のパフォーマンスを発揮する準備はできていますか?COREの「暑熱順化スコア」を使えば、暑熱適応の進捗状況を追跡し、自分の潜在能力がどの程度到達しているかを確認することができます。 このスコアは、あなたの暑熱適応の進捗を0~100%で示すものです。暑熱順化スコアは、広範で独立した様々な科学リサーチなどのエビデンスを基に、COREの研究所で改良された計算式を使用しています。

暑熱曝露を頻繁に繰り返すと、暑熱適応が誘発されることはよく知られています。したがって、「暑熱順化スコア」は毎日のトレーニングセッションで蓄積された熱負荷に基づいています。この熱負荷はCOREの「暑熱トレーニング負荷」によって測定され、毎日0~10の範囲で変化します。この「暑熱トレーニング負荷」は、“どのヒートゾーンでどのくらい運動したか”によって計算されます。注:ヒートゾーン=暑熱負荷インデックス

当然、「暑熱順化スコア」は適切な暑熱トレーニング負荷を与えれば上昇します。逆に、暑熱トレーニング負荷が加わらない日が連続するとスコアは低下します。「暑熱順化スコア」の観点から言えば、負荷が高ければ暑熱順化の効果も大きくなります。


① 暑熱負荷インデックスが1~6.9の場合、ゾーン2と3に該当し、この2つのゾーンで過ごすことを暑熱トレーニングとみなしています。
② ヒートゾーン2と3で過ごす時間は、暑熱トレーニング負荷(Heat TrainingLoad)となり、ヒートトレーニングの1日の累積指標となります。
③ ヒートトレーニング負荷を頻繁に行うことで、数日~数週間にわたるユーザーの暑熱適応度の累積指標であるHeat Adaptation Score「暑熱順化スコア」が上昇します。

暑熱順化(暑熱適応度)のレベル

暑熱順化の度合いを我々の独自標記で4段階に設定しました:

 0~24%:暑熱順化・新人さん “Thermal Rookie” 
あなたの暑熱順化レベルは低いです。気温が高い環境で運動するとき、不快感があったりパフォーマンスが低下する可能性が高いです。暑熱環境でのトレーニング中やレースでは細心の注意を払い積極的に冷却手段を導入しましょう。暑熱順化スコアを上げるために、暑熱トレーニングの回数を増やしましょう。
 
25~49%:暑熱順化・慣れてきた人 “Heat Accustomed” 
あなたは暑熱負荷がかかった状態での運動がどのようなものか理解しており、既に生理学的適応も身につけているかもしれません。これは暖かい天候でのパフォーマンスに役立ちますが、暑熱環境に適応するために、より多くの暑熱セッションを行ってください。
 
50~89%:暑熱順化・上級者 “Heat Adapted”
あなたは一定以上の暑熱適応を獲得しており、暑熱のレースでも良いパフォーマンスを発揮できる可能性があります。戦略的な冷却とペース配分が重要であることに変わりはないですが、暑熱順化を無視しているライバルよりもかなりの優位性があります。暑熱セッションを継続してより高みを目指してください!
 
90~100%:暑さを味方にした猛者 “Heat Champion” 
あなたの暑熱順化レベルは非常に高いです!あなたが得た順化は、暑熱コンディションでも涼しいコンディションでも、持久力のパフォーマンスを最適化するレベルに達しています。適応レベルを維持するために、週に1-2回の暑熱トレーニングを続けてください(特に気候が穏やかになり寒冷気候に移る秋~冬~春も継続してください)。


暑熱順化スコアをブーストしよう!

免責事項:以下は、暑熱トレーニングの参考例です。必要に応じて、暑熱トレーニングを行う前に、医療専門家にご相談ください。

ヒートゾーン3(Heat Strain Index 3.0~6.9)で45~75分間運動することは、最も効果的なヒートトレーニングのひとつです。この場合、暑熱トレーニング負荷は6~10になる事が多いです。

週5~6日、暑熱トレーニング負荷9~10を達成すれば、2週間以内に暑熱適応スコアを85~95%に上げることができます。我々はこれを「ヒートブロックトレーニング」と呼んでいます。

一方で、暑熱トレーニングの頻度を減らし、暑熱トレーニング負荷5~6で継続的に12週間行った場合、徐々に暑熱順化スコアは上昇していき、90%に近づける事ができます。

暑熱適応度が高い状態になれば、週1~3回の暑熱セッションを実施する事で暑熱順化スコアは維持できます。


その他のシナリオについては「暑熱順化スコアをブーストする!」の記事をご確認ください。また、様々なヒートトレーニング負荷が得られるワークアウトの例についても今後紹介して行きます。

参考文献

  • Daanen HAM, Racinais S, Périard JD. Heat acclimation decay and re-induction: A systematic review and meta-analysis. Sports Med. 2018;48(2):409-430. https://doi.org/10.1007/s40279-017-0808-x.  

  • Esh, CJ, Carter, S, Galan-Lopez, N. et al. A Review of Elite Athlete Evidence-Based Knowledge and Preparation for Competing in the Heat. J Sci Sport Exerc. 2024. https://doi.org/10.1007/s42978-024-00283-y  

  • Périard JD, Racinais S, Sawka MN. Adaptations and mechanisms of human heat acclimation: Applications for competitive athletes and sports. Scand J Med Sci Sports. 2015;25(1):20–38. https://doi.org/10.1111/sms.12408.  

  • Racinais S, Hosokawa Y, Akama T, et al. IOC consensus statement on recommendations and regulations for sport events in the heat. Br J Sports Med. 2023;57(1):8–25. https://doi.org/10.1136/bjsports-2022-105942.  

  • Taylor NAS. Human heat adaptation. Compr Physiol. 2014;4(1):325–65. https://doi.org/10.1002/cphy.c130022. 

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