001. COREってなに?
スイス・チューリッヒに拠点を置くgreenTEG社は、開発した革新的なセンサーにCOREという名前をつけました。そのgreenTEGが目指している事は非常にシンプルで、スポーツ科学の“隙間”をCOREによって埋める事でアスリートのパフォーマンス向上に一役買いたい、ただそれだけです。
そのゴールを達成するために私たちは、センサー技術・生理学的研究・スポーツ科学という異なる3つの専門分野を融合させる試みをしました。そしてその結果として開発したモノが、運動時や日常生活において正確に深部体温を測定することが出来るウェアラブルセンサー【CORE】です。
COREを開発したきっかけはスポーツでしたが、深部体温を手軽に測定できることは、スポーツの枠を超えた活躍の可能性もあり、欧米では各企業が従業員の健康管理などの用途での導入にも強い関心を寄せられています。
ウェアラブル+深部温度測定 …!?
“ウェアラブル”デバイスにより、様々な身体指標をリアルタイムにモニタリングすることで健康状態や身体パフォーマンスを把握できるようになりました。現在既に販売されているウェアラブルデバイスは、例えば脈拍、呼吸数、酸素飽和度、血圧を追跡することが可能です。
しかし“ウェアラブル”に深部体温をモニターするデバイスが無かったのも事実です。それに対して我々のアプローチは、レーザー検出の用途にも使われる熱流束センサーを応用したセンサーの開発でした。
なぜ「深部体温」なのか?
なぜなら「深部体温」が非常に重要なパラメータであり、リアルタイム監視が出来るのであれば、それはアスリートのトレーニング効率やパフォーマンス向上に繋がるからです。例えば、人は暑熱環境に身を置いたとき、50~70%の心拍出量を体温調節(冷却)に使うと言われています。つまりアスリートが自身の“暑さ耐性(閾値)”を理解しておくことでトレーニング負荷を最適に設定することが出来たり、例えばレース中のペース配分や冷却戦略を駆使してより良い結果に繋げる事も可能です。それ以外にもデータの蓄積や分析など活用方法は多くあります。そしてCOREをきっかけに更なる研究が進む事にも期待しています。
まあ、そうは言ってもそんなにシンプルじゃないのが現実です。
深部体温をモニタリングする...いくつもの要素が絡み合っています:
キーコンポーネントは、我々が新開発した非侵襲的な方法で熱エネルギー伝達を正確に測定するウェアラブルセンサーです。運動中に体温計を口にくわえたり耳に固定するのは理想的ではないですからね。
センサーから取得した生データだけでは、分かりづらく実用的ではないデータを表示しているだけ、という問題を乗り越えるために、最新鋭のAIアルゴリズムを駆使する事で収集したデータから分かりやすい“情報”を提示するようにしました。
その“情報”は、スポーツ科学の視点からも理にかなったモノである必要があります。なぜなら、我々はアスリートのパフォーマンス向上に役立つようなトレーニングモデルを構築・提案するために、激しい運動をしているアスリートの深部体温がどの様に反応するか?を理解する必要があるからです。
技術的には、センサー・アルゴリズム・操作・情報表示などを統合したモノを提供する必要があり、デバイスとアプリに集約することで達成しました。
我々にはそれまでに培ったセンシング技術のノウハウと経験があったため、COREの開発に着手した時点で多少のアドバンテージはありましたが、これらの条件をクリアするにはあらゆる困難があったことも事実です。
そして開発段階ではもちろん、社内という枠を超えて活動する事も求められ、スポーツパフォーマンスに焦点を当て、一流のコーチやアスリートと積極的に交流し、真のニーズを満たすソリューションの開発に取り組んできました。手始めにポピュラーなサイクリングやランニングなど、いわゆる「持久系」種目に目を付けたのはニーズの収集がし易い利点を活用したかったからです。
またサイクリングやランニングに目を付けたことで、例えばトライアスロンのように競技的に関連の強いスポーツをはじめ、時には直接的には関連が薄そうな種目にもCOREの可能性を広げる事が出来た事は大きな収穫でした。
この旅を続けるにあたって、皆様の助言やコメントを歓迎しますし、是非とも我々の進歩を見守って頂けると幸いです。【CORE】Body Temperatureを日本の皆さんにもより深く知ってもらうために「どうやって活用すればいいの?」にお応えできるような投稿を続けていくつもりです。そして皆様からの質問・疑問にもお答えしますので、コメントをお寄せくださいませ。
【CORE】が皆さんのパフォーマンス向上の一部に慣れる事を期待して、これからもよろしくお願いいたします。
次回のテーマ
次回のCORE Body Temp 日本公式 noteでは「体温を認識すること」の重要性
【CORE Body Temp Japan】公式Instagram
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