006. トライアスリート向け週間トレーニング例
暑熱順化ワークアウトを組み込むのは簡単
“体温”や“暑さ”という指標を認識したら、実際に暑熱順化トレーニングを実施してみましょう!
おさらいになりますが、暑熱順化トレーニングは効果が実証されているシンプルな方法で、例えば、最大酸素摂取量・乳酸性閾値におけるパワーの向上・暑熱下・寒冷下いずれでもタイムトライアルのパフォーマンス向上(時には5~8%ほどタイム短縮)が確認されています。
生理的な変化の代表的な事として、血しょう量や血液量が増加することで酸素運搬能力が向上する(筋肉への酸素供給不足のリスクを下げられます)事が報告されています。
アスリートにおいては、シーズンを通して暑熱順化トレーニングを続けることで、より高い負荷のトレーニングにも耐えうる身体となり、結果的にはレースでの良いパフォーマンスに繋がっていくことでしょう。
暑熱順化トレーニング【基礎】
暑熱順化トレーニングの基礎やヒートブロックトレーニングに関しておさらいが必要な方は是非、こちらの記事も併せて読んでください。
< ポイント >
・ヒートトレーニング:週2~3回 / 各セッションは45~75分
・ヒートブロックトレーニング集中期: 2~4週間 / 週6~7セッション
トライアスリート向け週間トレーニング例
水曜日:LSDなど低負荷ランニング
多くのアスリートにとってスローペースのランニング中でも深部温度をヒートトレーニングゾーンまで上昇させる事はさほど難しくないと思われます。
外気温の低い季節であっても、追加の上着を羽織って調整すれば、深部温度は上昇し易くなります。
もし必要な暑熱負荷(ヒートトレーニングゾーンで45~75分の運動)が足りない場合、ワークアウト後に湯船に浸かったりサウナに入ることで「適当な暑熱負荷」を身体に与える事も出来ます。
金曜日:低負荷のバイクセッション (オプション)
リカバリーランなどの低負荷ランニングの代わり(もしくは追加ワークアウト)として、インドアバイクを使った暑熱順化トレーニングもお勧めです。
あくまで低負荷で実行して下さい。
上着を多めに羽織る・クーラーや扇風機をオフにするだけでも十分です。
外気温にもよりますが、外ライドの低負荷トレーニングで深部温度をヒートトレーニングゾーンまで上昇させるには、かなり沢山の上着を着る必要があるため、環境が許す場合はインドアでの実施をお勧めします。
土曜日:ロングライド
多くのサイクリストやトライアスリートにとって、2~6時間のロングライドも珍しくないと思います。
もし暑熱順化トレーニングをロングライドに組み込む場合は、ヒートトレーニングゾーンでの運動時間はあくまで上限75分で実施して下さい。
ただ闇雲にやれば良いというわけではありません。ライド中に着たり脱いだり出来るアウターを使って、深部温度を調整してみて下さい。
暖かい気候では、アームウォーマーやレッグウォーマー、ニット帽、薄手のジャケットだけでも十分ヒートトレーニングゾーンまで上昇させる事が出来ます。
一方で涼しい・寒い季節では、上着選び方にも工夫が必要ですし、無理しないように計画的に実施して下さい。
注記:もしライド後のブリックランをするときは、深部温度が高いほどランニングがキツくなる傾向にあります。特にヒートトレーニングゾーンやそれ以上のゾーンでブリックランを開始する場合は、無理をせずペース配分に注意してください。
日曜日:ロングラン
ロングライドと同じように、ロングランで暑熱順化トレーニングを行う場合もヒートトレーニングゾーンでの運動時間はあくまで上限75分で実施して下さい。
ランニングの場合でも服装を調整して狙っている深部温度ゾーンに滞在するように工夫して下さい。
外気温や湿度によっては、一度上がってしまった深部温度を下げるのは難しい点も考慮に入れて下さい。
スマホアプリでデータを確認
COREのスマホアプリを使えば暑熱負荷の分析がより簡単になります。
週間や月間で何回ヒートトレーニングを実施したか?そして各温度ゾーンでの滞在時間の把握などが可能です。
アスリートのデータをコーチと共有するのも簡単です。
アスリートが自分のアプリにデータを読み込めばコーチ(データ共有を認められている相手)のアプリにもデータが反映されます。
次回のテーマ
次回のCORE Body Temp 日本公式 noteでは、COREスマホアプリの新機能”暑熱負荷インデックスや暑熱負荷スコア”についてつづろうと思います。
関連リンク
【CORE Body Temp Japan】公式ウェブサイト (日本語)
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