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手紙旅日記【北海道】 #11 まぼろしの簡易郵便局

2024年9月4日(水) 晴れ 30.1℃ (根室 23.3℃) (MCJ026)

初日に一人で釧路の風景印さんぽをしたときに、徒歩で行くには遠くて断念していたものの、風景印の絵柄が素敵なので行きたいと思う郵便局が2局あった。それが釧路西郵便局と釧路松浦郵便局である。そう話すとサオリさんが釧路空港へ行く途中に車で寄ってくれた。やったー!
この2局の風景印についてはまた別途記事にするのでそれを読んでいただきたい。

まぼろしの簡易郵便局

「まぼろしの郵便局に行ってみない? 風景印はないけれど旅行貯金はできるわよ」そう言ってサオリさんが連れて行ってくれたのが糸魚沢いといざわ簡易郵便局である。

”まぼろし”と呼ばれる所以は公共交通機関を使って行く人にとっての難しさを表している。公共交通機関はJRかバスがあるにはあるが、どちらもすこぶる不便である。旅行貯金するためにJRで糸魚沢局を訪れる人は、JRの最終時刻と郵便局の閉局時間がほんの数分しか違わないため、JRから降りたら走って局舎に向かわなければならないらしい。電車が少しでも遅れたり、ちょっとでも手間取ったりすると、郵便局は閉まってしまうのだ。

釧路と根室間の電車は1日にほんの数本しかない。途中の糸魚沢駅で降りると、半日ぐらいまわりに何もない場所で過ごす羽目になる。公共交通機関で糸魚沢簡易郵便局に立ち寄るには、万が一のために相当な時間的余裕と、さらに何もない場所で時間を費やしても平気でいられる能力が要る。それでまぼろしの郵便局と呼ばれていたらしい。”呼ばれていた”というのは、2年ほど前に糸魚沢駅が廃止になったので、JRでは立ち寄れなくなり、サオリさん曰く
「今となっては本当にまぼろしになっちゃった!」
というわけだ。

年季の入ったポストが目印

郵便局に入ると、昭和時代を思わせるなんともノスタルジックな木枠の窓口が目に入った。局内は撮影禁止なのでお見せできないのが残念だが、木枠につけられた看板のペンキ文字がまたレトロ感を漂わせて良い。年配の女性局員さんがお一人で切り盛りなさっているようだった。テキパキと旅行貯金の手続きをとってくれた。お宝印ではないが、なんといってもまぼろしの簡易郵便局なのだから普通の局名印で十分である。

この郵便局のことは現地に行くまで知らなかったし、自分が訪問できるとも思っていなかった。こういう意外な出来事が、行ってみてなんぼの旅の醍醐味だとつくづく思う。

最終日の風景印めぐり ↓ はこちらからどうぞ。

手紙旅日記【北海道】#12へつづく

こちら ↓ も合わせてお読みいただけましたら幸いです。

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