自分を止める”サボタージュ”と対処法
元々はフランス語で、サボタージュ(Sabotage)は労働上の「破壊活動」「妨害活動」といった意味です。コーチングで扱うサボタージュは、“自分自身の行動を止めるような制限的な思考や感情”を差します。
・どうせダメだ
・できっこない
・やるだけ無駄
・失敗するのが怖い
こんな感情は誰しもあると思います。コーチングにおいても、このような制限的な思考や感情をどう取り扱っていくかがテーマになることがあります。
こうした思考・感情をどう乗り越えていくのか、第一にその制限的な思考や感情自体が自分自身の一つの視点であることを自覚することが必要になります。
その視点が必ずしも普遍性のある真実ではなく、自分の視点であることに気づく必要があります。
”失敗する”ことが事実なのではなく、”失敗すると思う視点があること”が事実なのだと気づいていれば、その思考・感情を取り扱いやすくなります。
で、コーチングでは、特定したその制限的な思考・感情をしっかり吟味し、それをどう取り扱っていくかを考えていきます。が、最終的には”不安だろうが何だろうがやる”というところまで持っていくしかないのですよね。自分が本気でやりたいと思ったことであれば。
なぜなら、本質的に物事を実行した結果をあらかじめ知ることは不可能だからです。それを重々承知の上で前に進んでいく決意を、自分で醸成するしかありません。
このことをわかりやすく示す寓話を知人が教えてくれたので共有します。
<題名:「石=意思」>
ある日、ある人の所へ神が来て、このように頼みました。
「あの山の上にある大きな石を押していただけませんか・・・」
彼は、すぐに神に従い山の上に行き、石を押し始めました。
しかし、その大きな石は、なかなか動きませんでした。
そこへ、怠け者が来て言いました。
「無理です。あなたはその石を動かすことはできません。あきらめなさい」
それを聞いて彼はがっかりし、石を動かすのをやめて家に帰りました。
そこへ、神が来て言いました。
「どうして押さないのか・・・」
彼は答えました。
「押しました。私はすぐに行って、一生懸命押したのです
でも、石は全然動きませんでした。だからやめてしまったのです」
すると、神は彼に言われました。
「私は石を動かしてください・・とは頼みませんでした。石を押してくださいと頼んだのです。
もし、あなたが一生懸命、石を押したら、私が石を動かすのです」
(寓話終わり)
念のためですが、この寓話は神頼みしろと伝えているのではありません。結局のところ、リスクはあるが自分としてはどうしてもやってみたい事柄については、それを実行した結果をコントロールすることが不可能であることを重々承知して、取り組む他ない。それができた時に、活路が見出される可能性が拓けるのであって、それができなければ活路が見出される可能性はゼロだということなのです。
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