chico.のパルテナめも chapter2
新・光神話パルテナの鏡 第2章:魔王とマグナ
Kid Icarus: Uprising Chapter 2: Magnus and Dark Lord
を比較して、興味深かった点をまとめました。
引用箇所は、日本語版→英語版の順に記載しております。
ピット:ふつうのロールプレイングゲームなら最終ボスといったところですね。これ以上ムダ死にを増やさないためボクがビシッと成敗してみせますよ!!
Pit: So what are we talking here? Miniboss? ...Final boss? Well, whatever. I hope this dark lord's hungry for a hot plate of punishment!
「a hot plate of punishment」って何なんでしょうね。直訳はできますけど…ホットプレート一面(いっぱい)の罰とは…ピットくんは一体どこからこんな喩えを思いついてきたのか…
その前の「ところでボクたち何について話してるんでしょうか? 中ボス? 最終ボス? まぁいっか」のところもちょっとかわいいですよね。
パルテナ:このままでは天使の丸焼きのできあがりですね。味見したいところだけど、逃げますよ!
ピット:おいしくないですよ。たぶん!
Palutena: If you don't watch out, we'll be having barbecued angel tonight. And though spicy angel wings sound tasty, I'd best get you out of there.
Pit: Plus...chicken is much more economical!
英語版ピットくん「鶏肉のほうが経済的ですよ!」
…そういう問題? いいの? いいのか。
その他、パルテナさまのセリフ「味見したいところだけど」の対象が「spicy angel wings」と具体的になっているところから、恐らくピット君のセリフから味に関するツッコミが抜け、お買い得とかそういう方向に変更されたのかと思われます。
…というか、21章の件を考えると、これまたなかなかに……この段階では、羽が焼け落ちるとか全く考えてなかったからこの発言なのでしょうけど。
ピット:……っておっと!
パルテナ:油断できませんね。
Pit: Why did we stop?
Palutena: Oh, I thought you might want to take in the sights. And destroy some monsters.
地下でダ・イーが出てくるあたりのところの会話。パルテナさまのセリフが結構変更されてます。「てっきりちょっと辺りを見てみたいかもしれないと思って。あと、魔物を浄化したりとか」という具合でしょうか。ここ、英語版ちょっとわかりにくいんですよね…「a hot plate of punishment」とは別の意味で…
ピット:うおおおぉッ!!じ、Gがかかる……!!
パルテナ:かなりの高さですが一気に越えていきます!
Pit: Whoaaaa! G-force in my faaace!
Palutena: It's fun, right?
パルテナさま、楽しんでませんか…?
パルテナ:メデューサ復活を前に急ピッチで完成させたみたいですよ。冥府の魔物を地上に運ぶ前線基地。いわしがいがあるでしょう?
ピット:えぇ。楽しみでランチに出かけたいぐらいです。
Palutena: Yes, he must've scrambled to build it after Medusa's resurrection. He's using this castle as a stronghold for Underworld monsters. Monsters designed to wreak havoc and sow sadness. Are you excited?
Pit: Yeah. It's like a birthday party where everyone wants to kill me.
ピットくんのセリフが「みんながボクを狙ってるお誕生日会みたいですね!」という例え方になっています。しかし、どちらにせよここの会話は少々わかりにくいような…日本語版でさえ、ちょっとあんまり理解できてなかったりします。特にピットくんの返答。どこにランチに行くのだ。
そしてパルテナさまのセリフもちょっとだけ変更されてます。「メデューサ復活を前に」が「after Medusa's resurrection」になっています。個人的には、英語版の「メデューサ復活後」の方がしっくり来る気がします。復活前にこんな急いで城を建設していたら、もっと早くパルテナさまもメデューサさま復活に気付くような気が。実際のところ、ガイナスが洗脳されたのもメデューサ復活後のことでしょうし。
マグナ:なんだ?おまえも分け前がほしいのか?天使のくせいにがめついな。
ピット:人間がかけた賞金のこと?いらないよ。ただ、みんなのためにガイナスを倒す!それだけだ。
マグナ:……。そうか。なら問題ない。信じてやることにしよう。
ピット:ハナシが早いなぁ……。いいの?いいのか。
マグナ:共同戦線と行こうぜ。二人で行ったほうがラクそうだしな。
Magnus: So you're here for a slice of the pie too?
Pit: Huh? Pie? Where? No, I mean... I'm here to defend the humans from the brutality of the Underworld Army.
Magnus: Sure, sure, you're the angel here. But me, I'm in it for the reward money. Since we both want to take down Gaol, how about we work together?
Pit: I don't know about that…
Magnus: What have you got to lose? It'll be easier on both of us.
マグナの「a slice of the pie」に対して、ピットくんが「パイ?どこにあるの?」と返してるのは、ガチなのかノリツッコミなのか。個人的にはガチなのではないかと思って英語圏の友人に聞いてみたことがあるのですが、その方も「多分ガチじゃないですかね」と話してました。(でもゲームの雰囲気的に、ノリツッコミでもそれはそれでアリなんですよね。15章の「アタマの月桂樹」のアレとか…でもまぁ、ガチの方がかわいいので、個人的にはそう解釈しておくことにします)
会話の流れもちょっと違うようです。「共同戦線」=「how about we work together?」を持ちかけるのが英語版の方が早いです。代わりに、最後のセリフは「失うものなんてないだろ?」という感じのものが追加されているようです。
ガイナス:ふたりがかりとは、おまえらしいな。
マグナ:最近不景気でね。社員二名なら少ないほうだろ?
ガイナス:では、右肩上がりのこちらは部下をたくさん派遣してやろう。
マグナ:羽振りがいいことだ。恩恵にあずかりてぇぜ。
Gaol: It's so typical of you to pawn off your work on someone else.
Magnus: Hey! In this economy, everyone's looking for work. Even part time work.
Gaol: That's funny. Business is booming for me. We're even hiring more staff!
Magnus: Huh, are these the new hires?
マグナの「最近不景気でね」発言以降が若干異なるようです。
以下、拙訳です。
ガイナス「自分の仕事を人に押し付けるとは、おまえらしいな」
マグナ「最近不景気でね。みんなパートの仕事ですら探してるぜ」
ガイナス「こちらは右肩上がりだ。社員も多く採用しているぞ」
マグナ「へぇ。こいつらが新人か?」
日本語版は「社員二名」ということでピットくんも社員にカウントされているようですが、英語版はパートタイム扱いにされている可能性がないとも言い切れない表現に。マグナの最後のセリフは日本語版も英語版もそれぞれ面白いと思います。
余談ですが、そういえば「羽振りがいい」とはどう訳されるのだろうかと某無料ネット翻訳に放り込んでみたところ「Good swing」と出ました。安定の翻訳精度…(無料ですし、期待しすぎてはいけないとわかっていますが)この場合は「influential」を使用するのが適切でしょうか?
ピット:パルテナさま……。
パルテナ:気にすることはありません。これによって、多くの人が助かりました。それに……まだ、かすかに息はあるみたいですよ。
Pit: Gaol was a human? I-I didn't know... What have I done…
Palutena: You can't feel bad. Just think of all the other people you've saved. Besides, she looks like she's still holding on.
ガイナス撃破後。英語版の方が、ガイナスの正体に酷く動揺しているセリフになっています。(というかピットくん、ガイナスが人間であるとすら思っていなかった模様?)
そしてさりげなくガイナスに対する三人称代名詞が変更されています。
He's earned it. He's working for Medusa. (空中戦)
Besides, she looks like she's still holding on. (ボス戦後)
実は、初見プレイ時、私はガイナスは男性だと思っていたのですが(名前も男性っぽい感じがしたので…)、英語版ではこの場面で「she」が使われているので、会話アリでプレイしている場合はすぐわかるようですね。
以上、第2章でした。
第3章も頑張って読んでいきます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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