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一期一会

あなたのことを知ったのは去年の3月末だ。YouTube で卒業のライブ映像を見て、強烈なパフォーマンスに驚いた。同じ苦しみを自分の何倍もの力で代弁してくれたような気持ちだった。それ以来、YouTubeやDailymotion で見れるほとんどの映像を見まくり、あなたの小説集や繁美さん、裕哉さんの著作も読んだ。まとまった尾崎豊を知るために。

今日あなたがカメラを見つめながら述べるあなたの映画を見てきた。

見ている途中に思ったのは、当時の大勢のファンやライブの観客の中にあなたの知己がどれぐらいいたのか。ポップコーンを食べながら、コーラを飲みながら、あなたの映画を見ている観客のように、あなたをただ娯楽で見ていたのではないか。映画が終わったら日常に戻る彼らのように、当時のファンの方々にとってあなたは非日常ではなかったのか?

また、あなたはなんで人の前で礼儀正しく振る舞えるのか?なんではつらつと笑えるのか?そんなあなたを囲む人たちと苦しみを打ち明けていたのか?ただ歌に託して、作品として人に見られていたのではないか?歌に託して、アーティストとして人に好かれるのが好きだったではないか?

私も同じ苦しみを抱えていた。親に聞いてみたり、心理学に専攻を変えたり、哲学や心理学の本を読んだり、生きる意味を研究する学者に声をかけたり、カウンセラーと話し合ったり、人と関わる中で自分を見つめ直したりしているうちに、答えを見つけたような気がしてきた。

生きる意味ってないかもしれない。生きるだけで精一杯だから。あるとしたら、自分で作り出すものだと思った。人付き合いは苦手で難しいし、厄介だと思っているが、その楽しみもわかってきた。だから頑張ってみようと思うようになった。

私の人生を豊かにしてくれてありがとう。修論もテーマを決めたのも、最後まで頑張り抜けたのもあなたへの思いが強かったからだ。

今日は成人の日。心の中の子どもを育てていかないとね。

雨明けに月が丸い寒夜に。

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