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一級建築士の街歩き02 表参道・原宿編 “この木なんの木”...気になる“木”達 【中編】


目次

5 ”木”は生える

6 ”木”は繁る

7 ”木”を組む

8 ”木”を慈しむ


5 ”木”は生える

キャットストリートから更に細い道を入っていくと
いきなり建物に生えている木が目に入ってきます。

何とも不思議で思わず微笑んでしまうこの建物は
藤本壮介氏 設計のOmotesando Branchesです。 

Branches-四角-950x950

オモハラで最もしげしげと見られる“木”の一つではないでしょうか。

ところでそこで疑問なのは木々への水やりはどうしているのでしょうか。

設計者の習性としてついこうした所を確かめずにはいられません。
でもご安心下さい。
ちゃんと灌水のためのチューブが木の根元にありました。

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この木を建物に植えると言う発想は
藤本氏の最近作である前橋の白井屋ホテルの
“木”の生えた客室にしっかりと継承されています。

6 ”木”は繁る
植え込み満載のこの建物は一体何でしょうか。
カフェ?お花屋さん?
一体どこが入り口、入って大丈夫?


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私はこの建物を密かにミニ“アクロス福岡”だと思っています。
アクロス福岡 外観


アクロス福岡はランドスケープアーキテクトで有名な
エミリオ・アンバースも参画した
日本で本格的に建物に植栽を取り込んだ建物です。

このお店をアンバースが見たら
きっと気に入るのではないかと私は確信しています。


7 ”木”を組む
裏通りに突然現れるパイナップルかはたまた竹籠か。


隈研吾設計のSunny Hills(パイナップルケーキのお店)。
外部は細い6センチ角のヒノキの木組み。

その継ぎ手は一度組み合わせたら
二度と離せない程頑丈である事にちなむ“地獄組み”と呼ばれるものです。

この細木は勿論構造体でしっかりと荷重を支えています。


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複雑な構成ですがシステマチックに組み合わせられており、
ある方向から見ると綺麗にラインが通っていて
すっきり見え規則性が窺えます。

お店の内部も忘れずに見て下さい。


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複雑しかし規則的な構造が内部でも良く見えます。
ここではパイナップルケーキと紅茶を戴きましょう。

8 ”木”を慈しむ

Sunny Hillsからほど近いそのコンクリート打放しの外壁には
しっかり木目が映し出されています。
とても優しい雰囲気を持つ銕仙会(てっせんかい)能楽研修所です。
コンクリート材にもかかわらず何故か和の雰囲気を創り出していて
設計者の意図が良く現れています。

この型枠には通常杉板を使いますが、
設計者はきっと型枠に指定した
きれいな木目の杉板を慈しむ気持ちがあったのではと想像します。


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かく言う私も以前この木目を映し出す
“コンクリート打放し本実(ほんざね)仕上げ”に挑戦したことがあります。
秋田県内のとある図書館の内壁に使いました。
施工者に木目の大事さを分かってもらい
大変良い感じの木目のコンクリートが打てました。

更に木目をもっと綺麗に浮き立たせるために
型枠の杉板表面を予めブラストして削り
木目をより出すこだわりのある設計者もいるほどです。


・・・ここでまた表参道の表通りにもどりましょう。

つづく




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