こけらいふ vol.5 人生のゴール
大学も高校も、サボって自分にとってより大事なことをやる人というのが、どこかカッコよいような風潮があった。(まじめに勉強しろとも思うけど)でも仕事になると、サボるとかそういうのは全く粋でないように思える。
将来の夢を描くとき、将来の職業を答えるのがセオリーだった。やりたい仕事に就く、仕事をしている今というのは、人生の一つのゴールをくぐった後のようにも解釈できるそういう状態だ。
今でも、結婚や出産がゴールっていう考え方もある。
何をゴールに設定するのか、私は全く自分のゴールが描けない。
そしてゴールを描くことへの興味もない。
一瞬一瞬の今の快楽を追い求めすぎていて、それが悪いことだとしてもそうしたいという意思がある。
何をゴールにしたらいいのか、ずっと悩み続けている。
結婚するのも楽しそうだし、仕事も好きだ。
どちらをとっても後悔しないくらいには、「私は誰かほかの人の力を借りなくても。自分が何の成果を出せなくても、特別でなくても幸せ」という気がしている。
ゴールがどこにあるのか、既にくぐったのか、これからゴールを目指すのか、そんなことを考えるのは退屈で億劫だ。
こういうのが普通の人生というんだろうと思って、でもその普通が、普通として享受できるのはいつまでだろうとこの世界を憂えて、自分が手に入れているものが、誰かから強奪してここにあるかのような錯覚、あるいは原罪に戦慄する。