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大学を半年で休学して、就職してきた19歳未経験エンジニアの話。

彼は2018年の12月にTwitterで連絡をくれた。その時まだ19歳。僕の「エンジニア募集」という呟きに反応してくれたのだ。なぜ連絡をくれたのかということは省略するが、とにかく「大学を半年で休学した。エンジニアの経験は多少あるので働きたい」ということだった。

僕はすぐに「会いましょう」と返信をした。理由はいくつもあるが、一つはとても誠実な素敵な文章だったこと、もう一つは僕と同じ大学学部だったことだ。僕はつまらない大学を辞める勇気がなく惰性で卒業したが、彼は半年で休学をするという決断(英断)をしたのだ。尊敬できるに決まっている。

すぐに渋谷の宮益坂のカフェで対面した。彼は決して快活にうまく喋るというタイプではなかったけれど、僕はすぐに好感を持った。ひとまずアルバイトとして、すぐに来てもらうことがその場で決まった。

もともと弊社は広告のグラフィックデザインを中心とした会社であり(その頃はカラスという名前だった)、エンジニアはとても少なく、教育など含めて、新卒で入るには超貧弱な心許ないベンチャー企業だっただろう。

しかし彼は、アルバイトでありながら、黙々と作り続け、すぐに戦力になってくれた。あまりにすごいので、3ヶ月くらい経ってすぐに「社員」になってもらった(確か)。

そこからも彼は作り続けてくれた。この4年間でいったいどれだけのWEBサイトを作ってくれたのか、数え切ることもできないほどだ。教育環境も貧弱なのだから、ほとんどが独学に近いはず。にも関わらず、1年もしたらシンプルなLPサイトなど1日もかからず完成させるようになってしまった。仕事を一緒にする外部のプロジェクトマネージャーも「あんな出来るエンジニアは●●●(有名制作会社)でも見たことがない」と言っていた。

元来備わっている地頭の良さはもちろんあるだろう。しかしもちろんそれだけでは、今の彼の居場所まで辿り着くことはできないはず。時間を使って学び、自分の手足で必死に登ってきたのだ。僕には想像もできないほどの努力や葛藤があったはずだ。

結局、彼は大学には戻らなかった。それに関して、いろんなことを言う人もいると想像する。僕の周りでも「卒業はしておいたほうがいいのでは」という人も多くいた。僕はぜんぜんそうは思わなかった。彼の姿を見てきたからだ。

彼は4年間で多くの技術を学び、社会の仕組みを知り、どこに出たって働ける力を身につけている。大学の道が全てではない。道は多様にあることを知らないのはむしろ大人のほうだ。彼はまだ23歳で、僕なんかには想像できないほどの未来が広がっている。道を狭めるのはいつだって未熟な大人だ。

大学を半年で休学して就職してきた未経験エンジニアは、社会のレールではなく、自分のルールで生きている。そんな彼と働けることを僕はとても誇りに思うし、僕は彼からたくさん学び、刺激をもらっている。むしろ甘えてばかりいて申し訳ない。彼の才能を活かしきれていないという不安が募る。

また、誰もが彼のようにはできない、ということもまたわかっている。だからこれはあくまで一つの稀なケースだ。だからこそ書いておこうとふと思ったのだ。これから先、彼がこの世界でどうなっていくのか、とても楽しみでならない。それこそが、会社を作ることの喜びなんだなと感じている。しみじみと。

(最後に彼がこの1年くらいで作っていたもの(一部)を並べておきます。)

※さらに最後に、DEでは彼と一緒に動いてくれるエンジニアを全力で募集しています。(熱意があれば)未経験でも応募可です。彼だってほとんど未経験だったわけなので。



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