この時代に、なぜ「メールマガジン」をはじめることにしたのか。
こんばんは。牧野です。この令和という時代に「メールマガジン」という、ちょっと懐かしい響きのシステムを活用しようと思います。
名前は「from OUTLAND」というものです。「OUTLAND = 辺境」なのですが、アイデアとは常に辺境から生まれるというポリシーから命名しました。安定して落ち着いた場所から離れ、孤独になり、ある意味では精神的な鎖国をし、独自の世界で生きていくこと。そこから新しい思想やアイデアが生まれ、世界を変えていくのではないかと信じています。
さて、ではなぜ「メールマガジン」にしたのかというところに関しては、大きく2つほどの理由があります。
一つ目は、「手元に届く情報である」ということです。
今、文章を書くところはたくさんあります。このnoteもそうです。noteは素晴らしいインターフェースで、素敵な書き心地で、僕も大好きなメディアです。しかしながら、noteの情報というのは、常に「noteというプラットフォーム上」に存在します。そこにみんなが「アクセスしにいく」というわけです。
それに比べて、メールというのは「自分のメールボックス」に届く、という体験があります。実際にはどちらも「サーバーにアクセスしている」という意味では変わらないのですが、僕はこの「手元に届く」ということには、大きな意味があると思っていました。
それは「文鳥文庫」をつくった時の発想でもあります。どうしてこの時代に「紙の本が必要なのか」と考えたときに、それは「物理的に手元に存在するから」という仮説がありました。デジタルのものはそこに物理的に存在しません。画面をオフにすれば消えてしまいます。「物語が手元にあるわけではない」のです。だから、物語との精神的な距離がどうしても遠く、入り込むのに時間がかかってしまう。紙の本は、「自分の手の中に物理的に存在している」その確かさこそが大事なのだと思いました。
SNSやnoteといったプラットフォーム側にアクセスすることと、「自分のメールボックスへ届く」ということは実は大きな差があるものであり、届けたいメッセージもより深く、より身近に伝わるのではないか、と考えたわけです。
もう一つの理由は、「双方向性がなく、検索できず、拡散性が低い」というものです。
今の時代、あらゆるものが「拡散」を目指すことを前提に作られています。SNSはそうだし、ブログもそうです。シェアボタンがあり、コメント欄があります。誰かの発信に対して、すぐに「いいね」をつけられ、意見を表明することが可能です。Googleで検索をすれば、探し出すことができます。
もちろん、それはそれで素晴らしいことです。現に今、僕はこの記事を拡散性も検索性も高いnoteに書いています。しかし、そうでない文章も書きたいと思うようになりました。
つまり、もっと距離が近く、気の合う人たちに届けていくだけの文章です。拡散するわけでもなく、「いいね」を押されるわけでもない。検索しても見つかることがない。そういう「一方通行」だけど「距離の近い」、手紙のような文章を届けることを夢見るようになりました。
そんなことを考えているなかでたどり着いたものが、メールマガジンという「枯れた」システムを利用することでした。
そのような理由で、この「from OUTLAND」を始めることとなりました。
from OUTLANDは有料(月額500円)のメールマガジンです。週に一度配信していきます。テーマは、企画やアイデア、デザイン、クリエイション、経営やビジネス、そして生き方について。割と軽めなエッセイのようなものだと思ってもらえたらうれしいです。
拡散したい情報はnoteやSNSに書きますが、基本的に情報発信の場はこのメルマガにしていこうと思います。メルマガでは、いろんな人との対談コンテンツとかもやっていくのと、限定のイベントとかもやっていこうと企んでます。
このメルマガは、ひっそりと、ほそぼそと、でもちょっと温かい、そんな文章を手元に届けていけたらなと思っています。そしてこれを機に、メールマガジンの時代がくるのではないか(いや、つくっていこう)と密かに考えています。
そんなわけで、ぜひ気軽に気楽に入ってもらえたらうれしいです。
写真は、敬愛し尊敬しているYuki Ueda / 上田優紀 より
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