
私の昭和歌謡127 風が泣いている 1967
シンプルなアレンジだから聞き取れるエイトビートと風の鳴き声
風の強い日の夜の歌ーっていう、ギターのイントロで始まる。
で、ずっとストリングスの風のひゅるるるrrrrが鳴っている。
エイトビートをきっちり刻んだドラムのサビに行く前の盛り上げに、ティンパニのような連打が入るくらい。あとは、非常にシンプルだ。
ティンパニのようなって書いたけど、これはティンパニなのか、深みはそんなにないから、フロアタムをマレットでロールしたのか?わからない。
こんなシンプルな飾り気のないアレンジに、若いマチャアキのボーカルが響くってわけ。
これは浜口庫之助の曲。だから特段の深い歌詞でもないし、展開がある構成でもない。CMソングのようなエッセンスだけの短い曲だ。
今なら1番と2番の間に、ラップ風の展開とか、転調とか入るんだろう。この頃の、特にGSの曲は、童謡のようにシンプルで短い。
でも、歌い出しの🎵ゴゴゴー🎵の印象が強烈だったから、それだけで、物足りない気はしなかった。
この耳に残る擬音語🎵ゴゴゴー🎵が、この曲全体を引き締めてしまった。これはエンディングにも、盛り上がって歌われる。そして、フェイドアウトしていく。
北原白秋の「あめふり」は
🎵あめあめ ふれふれ かあさんが じゃのめで おむかえ うれしいな🎵っていう状況説明があって最後に、🎵ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン🎵と終える。
でもこの歌は、開口一番🎵ゴゴゴー🎵だ。たいしたもんだ。
この曲が流行ったあと「ゲゲゲの鬼太郎」がテレビに現れた。そのテーマ曲を聞いて、小学生の私は思わず「あー、これ風が泣いてるだ!」とアレンジを指摘したのを思い出した。
まあ、ゲゲゲのほうは、終始タレタレだったけれど、自分が歌謡曲を聴く時、この頃から歌手のファンでもなく、曲を聴いていたんだな、と懐かしく感じる。
自分の歌謡曲の聴き方を思い出したってわけ。
でも、マチャアキも私も、みーんな、「あの時君は若かった」なあ。
【参考資料】
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