私の昭和歌謡95 魅せられて 1979
ほんとうに好きな男の腕の中違う男の夢を見れるの?
芥川賞は「太陽の季節」と「感傷旅行」「エーゲ海に捧ぐ」しか読んでいない。
21世紀になって、本屋で文藝春秋をチラッと立ち読みしたことはある。夢中になって立ったまま、なんて全くなく、すぐに立ち去ってしまった。
最後に読んだのが「エーゲ海に捧ぐ」だったから、その印象は強く残っている。小説と映画と歌謡曲がセットになって、今ではジュディ・オングの歌声だけになってしまってるけど。
この出来事は、けっこうな衝撃だった。でも、今は微かに英詞の部分が聞こえてくるくらい、遠い昔に思える。
🎵 Wind is blowing from the Aegean 🎵
まず、小説。池田満寿男の描く男女は奔放だった。でも、若い男に複数の女という設定の中で、男がなんてバカな存在なんだと感じさせた。
そして、それを原作とした映画。この映画で印象的だったのは、妹の役。それから、音楽。エンニオ・モリコーネの音楽は「ニュー・シネマ・パラダイス」でますますファンになった。でも、この映画では、まだそれほどの感動はなかった。
ここから生まれたテーマ曲のような歌が「魅せられて」だった。
歌詞は阿木陽子だ。
🎵 好きな男の腕の中でも違う男の夢を見る🎵
🎵レースのカーテンひきちぎり体に巻きつけ踊ってみたくなる🎵
この物語を歌の歌詞として蘇らせているのに驚いた。
そしてジュディ・オングは、英詩で歌い上げた最後の
🎵女は海〜🎵のなんと官能的なこと。参りました。
これは、もう筒美京平さんの作曲の巧みさ。
最後に思い出すのは、舞台衣装。
テレビが楽しみな時代だった。
歌番組で夢を見る若者がいる昭和時代だった。
私は、たぶん、うっとり聞いていたと思う。
この3セットの「魅せられて」に関わった素晴らしい人々に乾杯!
【参考資料】
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