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私の昭和歌謡5 浪花節だよ人生は 

アメリカのジャスポップスの全盛期そんな昭和に息づく演歌


私は子どもの頃、演歌は好きじゃなかった。

だから、こまどり姉妹はほとんど知らなかった。1984年に「浪花節だよ人生は」が、複数の歌手で売り出されたときに、あらためて、こまどり姉妹を知った。

だから、私が知っているこまどり姉妹は、三味線を肩から下げて歌う、可憐な双子姉妹のデュオじゃなく、けっこうなオバサンだった。

そして、今なお、こまどり達の活動は続いている。このことに私は驚愕するのだ。

自分たちの生い立ちを、こう語り始める。

「私たちはねぇ、歌が好きで歌手になったんじゃないこと、皆さんご存知でしょうか」

苦労人なのである。

食うために何か芸を披露するんだから、仕方ないけれど、そういえば、歌が上手って、今でも思わない。

演歌歌手は、ホント歌が上手だ。だから、余計、その下手さが際立つ。こんな失礼なことを書いたら、ファンが怒るだろう。でも、歌手なのに、歌以外の魅力がダントツにあるんだ。

一つ目に、人生のことが語れる。ライブでは重要だ。苦労話がわんさかある。それを面白く話せる二人なんだ。

二つ目は衣装。姉妹が2人揃って着物で登場すれば、ソロの女性歌手の2倍の派手さになる。着物って不思議。

三つ目は、死ぬまでタレントでいること。現歳85歳のおばあちゃんの二人はそれはそれで面白い。長生きして、まだやりたいことがある、そんなこまどりさんは、高齢者の励みになる。

デビュー当時のこまどり姉妹の写真や動画を見たら、かわいさでピーナッツどころじゃない。同じ双子でも、こまどりさんは、難しいジャズやポップスは歌わない。当時、日本に十分馴染みのある民謡風の歌を歌う。

七五三の衣装を着て、村の宴会で歌う、近所の女の子なんだ。あらー、田中さんちの娘っこかい、てな親近感がたっぷり。

これをリアルタイムで味わえなかったのは残念極まりない。

ま、仕方ない。だって演歌は、こんな歌詞なんだから、小中学生には敬遠されてしまう。

「浪花節だよ人生は」はこう始まる。

♪ 飲めと言われて素直に飲んだ 肩を抱かれてその気になった ♪

そしてこう結ぶ。

♪ 浪花節だよ 女の女の人生は ♪

作詞は「岸壁の母」の藤田まさと。作曲は「おれでよければ」の四方章人。

いつも私が好きな、聴いていた、昭和歌謡について書くのですが、いやはや、こまどり姉妹は、当時のかわいらしさと、現在の存在感を書きたかったんです。

こまどり姉妹よ!永遠なれ!



【参考資料】


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