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私の昭和歌謡61  津軽海峡・冬景色 1977

19歳。津軽海峡・冬景色演歌も変わるさゆりの歌で


石川さゆりは、花の中三トリオ、森昌子・山口百恵・桜田淳子の影に隠れて、なかなか人気が出なかった。

あきらめず、二葉百合子のもとで基礎から学び直している。民謡や日舞などもこの時期に身につけたという。

私は、この時期のさゆりちゃんは、すごい胆力だと思う。はっきり言って、花の中三トリオより顔も歌もはるかに優れていた。

それが、売れなかったからとはいえ、3年もジクジクと自己研鑽に励んだんだから、根っから真面目なんだと思った。

「津軽海峡・冬景色」は、ちょうど同世代の歌手、石川さゆりが歌っていたから、大ブレイクした時に、私もテレビでは聞いていた。でも、全く興味がなかった。

音大生の私は、いつもたむろする喫茶店の有線放送で「ホテル・カリフォルニア」を聴いていた。演歌が無性に嫌いだ、という作曲科の子が「ベースが半音進行している」と言うから「ふん。そうね。」と答えていた。

私が、この歌に興味を持ったのは、公立中学校に勤め始めて10年目。学年の職員旅行で北海道へ行った時のことだ。そういえば、私の時代は、学校でも学年でも和親会があって、宴会や旅行の会費を取って盛んに盛り上がっていた。

北斗星という夜行列車に乗って、コースディナー付き。でも、青森駅には降り立たなかった。青函トンネルが開通していたからだ。

この北斗星も今ではなくなってしまった。夜行列車の旅は素敵なのに。

一人の同僚が、列車の中で「津軽海峡・冬景色」の話をしたので、急に思い出した。口ずさみながら、トンネルの中を通り過ぎた。

余談だが、北海道旅行は吹雪で散々の日があった。

羊ヶ丘で記念撮影をした。「少年よ大志を抱け」と言ったクラーク博士の像はおろか、同僚の職員の顔も何もかも吹雪にかき消されて、わけがわからない真っ白な記念写真が残っている。

さて、石川さゆりさん。可愛いなぁと思う。年とった今でも。
でも、若い頃、ものすごく歯並びが悪いと思った。数年前にライブの動画を見たら、しっかり矯正してあった。

やっぱり歌手は歯並びは大事だ。

それから、歌手にも旬がある。旬が布施明みたいに長ーい歌手もいるが、女性の声帯は年齢にはキビシイのかもしれない。

さゆりちゃんは若い頃は未熟だけど爽やかで伸びやかだった。
中年では、他に比べようがないほど熟練した歌声だった。
もう今は、喉の加齢を上手に隠しているつもりの発声だ。

私はそれでも現役でい続ける彼女を応援したい。
でも、私がほれぼれするさゆり節はもう過去のものとなった。

🎵さよならあなた 私は帰ります🎵
阿久悠さんと三木たかしさんはラッキーだ。

そりゃあ二人のプロにとっては大したことがないだろうが、この曲をこんなにも人生をかけて、心を込めて歌い続けてくれた歌手、さゆりちゃんにめぐり逢ったんだから、ものすごくラッキーだと思う。


今の口元
若い頃の口元


【参考資料】






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