私の昭和歌謡13 黒い花びら 1959
こんなにも男の胸を焦がすひとそんな女がいるのだろうか
水原弘の「黒い花びら」はインパクト大だった。
🎵くろーいーはなびらー しずかーにー ちったー🎵
私が聞いたのは4歳。
うちはラーメン屋で、隣がパチンコ屋だった。父母が忙しい午前中、小学校へ上がるまで、ずっと2階の部屋でお絵描きをしていた。
それにしては、絵はすごく下手。
それもそのはず、BGMに流れてくるパチンコ屋の歌謡曲を聞くのが好きだったんだ。私の音楽教育は、隣のパチンコ屋の歌謡曲だった。
「ミヨチャン」「ステキなタイミング」なんかの明るい曲の中に、濃い歌詞とメロディーの、どこかアメリカ風のリズムの「黒い花びら」が流れた。
六八コンビの曲だ。作詞永六輔、作曲中村八大。作詞家阿久悠さんを感動させたという。
第一回日本レコード大賞曲である。
私は小さい頃から、好きな歌を大きな声で歌っていた。この曲で難しいのは、「し」なんだ。
この「し」が「しってる」と「したくない」という言葉で出てくる。
これが、すごーく難しいんだなぁ。カラオケで歌う人がどれだけいるか知らないけど、ここ大事。ここで印象がずいぶん変わるから。
水原さんは🎵オレは知ってる の「し」はSHにして、恋なんかゼッタイするもんじゃないっていう強い気持ちを表してる。
私は、この部分をSHだけで歌うことができない。ムズカシイ。
次に最後の🎵恋なんかしたくない の「し」だ。水原さんはSHIと「い」の母音が聞こえるように歌っている。
私は、この「し」を「い」の母音を聞こえるように歌うことができない。次に来る「たくない」のTAが上手に歌えなくなるからだ。
こんな些細なことだけど、この歌は深く考えるとムズカシーー歌なんだ。
さて。私が小学生になって気づいたのは、この曲がポール・アンカの歌に似ていること。すごく似てる。きっと八大さんはパクったんだ。いやいや似て非なるものに作りあげることは才能であるww
ポール・アンカは82歳で健在だ。
水原弘は42歳で肝硬変の重症化で死去した。借金が当時の額で9000万円と言われている。うーむ。
【参考資料】
🎵オレは知ってるの「し」はSHで 🎵したくないの「し」はSHIの水原弘
「黒い花びら」によく似てるアメリカンポップス
🎵したくない の「し」がちょっぴりshiのiが短い藤圭子
🎵したくない の「し」がSHの舟木一夫
🎵オレは知ってる も 🎵したくない も「し」がSHI
🎵オレは知ってる も 🎵したくない も「し」が1番2番で違う
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