見出し画像

インドネシアコーヒーの歴史・種類・特徴について

インドネシアコーヒーにどんなイメージを持つでしょうか。

産地や島の名が付くので、インドネシア産というイメージが定着せず、味や名前だけが広まっています。

実は、インドネシアは世界有数のコーヒー大国。
生産量・輸出量ともに世界第四位を誇ります(ブラジル、ベトナム、コロンビアに次ぐ)。

銘柄は大衆的なものから、幻と呼ばれる超高級品種まであります。

ここではインドネシアの数あるコーヒーの種類や、その特徴、歴史に至るまでご紹介します。

インドネシアコーヒーとは…

インドネシアコーヒーはその名の通り、東南アジアの島国インドネシアで栽培されたコーヒーを指しますが、それ自体がコーヒーの種類とはあまりされません。

インドネシアには多くの島があり、コーヒーの産地や品種もたくさんあります。

それらは銘柄や産地、ブランド名などが付き、一見インドネシア産とわからないものもあるのです。

インドネシアがコーヒーの山地として有名ながらも、定番は何かといわれると答えにくいほど多岐に渡るのが、インドネシアコーヒーなのですね。

【インドネシアコーヒーの歴史】

インドネシアでのコーヒー栽培は、17世紀末期に始まりました。

オランダ人がコーヒーノキのアラビア種をジャワ島に持ち込み、栽培に気候が適しているとわかると、全土に広まったといわれます。

歴史は紆余曲折あり、20世紀初頭の"さび病"流行、1930年の世界恐慌などの影響で生産量は大きく上下しましたが、近年は世界有数のコーヒー生産輸出国となっています。

またインドネシアというと、地震と津波が多いことも知られています。

コーヒーは高地で栽培されるので農場が直接飲み込まれることはありませんが、経済的な被害は少なからずあるようです。

【インドネシアコーヒーの種類】

インドネシアのコーヒーは、品種やランクも多くあります。

日本でも知られる銘柄は比較的高級なもので、味わいと香りも豊かなアラビカ種のものです。

一方で、生産性の高いロブスタ種も多く栽培され、国内消費やブレンドに用いるだけでなく、銘柄として輸出もされています。

代表的な銘柄を以下にまとめました。参考にしてください。

ジャワ島原産「ジャワ」(ジャバ)

「ジャワ」 は、インドネシアコーヒーの代表的な銘柄です。「ジャバ」とも呼ばれます。

首都ジャカルタのある、ジャワ島で栽培されているからその名が付きました。

ロブスタ種が主で「ジャワ・ロブスタ」の名前で日本でも手軽に購入できます。

香りは個性的で、木のような香ばしい匂いがあります。
味は、酸味が少なく苦味寄りです。ミルクと相性が良いです。

また、酸味の強いモカとブレンドした「モカ・ジャバ」は有名ですね。

スマトラ島原産「マンデリン」

「マンデリン」はスマトラ島で栽培される、アラビカ種の高級銘柄です。

日本では今でこそ馴染みがなくなってしまいましたが、昔の喫茶店にはよく置かれていたようです。

栽培地域によって名前が変わり、「リントン・マンデリン」「マンデリン・トバコ」などがあります。

味は苦味が強く、深いコクがあります。

スラウェシ島原産「トラジャ」「カロシ」

「トラジャ」はスラウェシ島のトラジャ地方で栽培される高級品種。

「カロシ」は、同地方のカロシ地区で栽培される更に高級な品種です。

世界大戦の影響で一時は存在すらなくなりかけましたが、1970年に「KEY COFFEE(キーコーヒー)」が再建に着手し、1978年に「トアルコトラジャコーヒー」販売を再開しました。

「トラジャ」「カロシ」ともにコクの深い味わいです。苦味は強くなく、ジャワロブスタとは対照的なイメージになります。

ジャコウネコの糞から採れる幻の品種「コピ・ルアク」

「コピ・ルアク」は世界で最も高級なコーヒーです。

「コピ」はコーヒー、「ルアク」は現地に生息するマレージャコウネコのことです。

コーヒーノキの実がマレージャコウネコによって丸呑みされ、糞にそのまま混じっていたことから、発見に至りました。

ジャコウネコの腸内を通った実は、独特の香りと味が付き、希少でもあることから高級な品種とされたのです。

銘柄の定義としてはジャコウネココーヒーとなるので、品種は定められていませんが、やはり元がアラビカの高級な豆であるほどより美味しくなるといわれています。

価格は普通のコーヒーの10倍以上はします。一生に一度は飲んでみたいコーヒーとして有名ですね。

【インドネシアコーヒーの特徴】

インドネシアコーヒーは品種も多いため、大きく分けて二つの特徴があります。

「ジャワロブスタ」に代表される、苦味の強いロブスタ種の銘柄。

「マンデリン」「トラジャ」などの、香りと酸味の強いアラビカ種の銘柄。

コピ・ルアクは別格として、ロブスタとアラビカの品種がそれぞれ逆の特徴を持っているのです。

これほど多くの品種を一つの国で持っているのは珍しく、単にインドネシアコーヒーといっても多種多様な味を楽しむことができます。

「品種も豊富なインドネシアコーヒー」

インドネシアコーヒーの歴史、種類、特徴をご紹介しました。

歴史も深く、島それぞれにブランドがあり、インドネシアコーヒーは世界でも稀に見るほど多彩なコーヒー生産国です。

大衆銘柄も扱い、高級ブランドも持つという、コーヒーの産地としては理想的な形です。

高級品種をストレートで味わう贅沢なひととき、ロブスタ種の個性をブレンドで楽しむなど、ぜひインドネシアコーヒーの醍醐味を広く楽しんでください。

今回のサムネはこちらの画像を使わせていただきました。ありがとうございます!Have a nice coffee☕