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ベトナムコーヒーの歴史・種類・特徴について

ベトナムコーヒーと聞いてどんなイメージを浮かべるでしょうか。

日本では意外と知られていませんが、ベトナムは世界有数のコーヒー産地です。

赤道に近く、コーヒー栽培にも適しています。

またベトナムコーヒーには他の国ではあまり見られない特徴も多くあり、日本に馴染みのない理由とも関係があるのです。

ここではそんなベトナムコーヒーの情報をわかりやすく記述します。

ベトナムコーヒーとは…

ベトナムコーヒーは、東南アジアの国ベトナムで作られたコーヒーを指しますが、「ベトナム式のコーヒー」という意味も持ちます。

南半球の暑い国なので、コーヒーの飲み方も欧米式とは異なり、そう呼ばれるようになりました。

また産地や特徴も風変わりなので、面白い情報が多いです。

ベトナムコーヒーを知るとコーヒーのイメージも変わり、可能性も感じられるはずです。

【ベトナムコーヒーの歴史】

ベトナムは19世紀中頃、フランスに侵略され、植民地となります。

その同時期にコーヒーが持ち込まれ、栽培が始まりました。

元々コーヒーノキが自生していない国で、植民地支配と同時に栽培が始まる例は多いです。

ベトナムコーヒーはさらに特異な例で、コーヒーがブランド化されずに安価で栽培も楽なロブスタ種が大量に育てられました。

ロブスタ種は一種類(シングルオリジン)として大々的に売り出すことは少なく、主にインスタントコーヒー(缶、ペットボトル含む)に使用されます。

ですから日本でも「ベトナムコーヒー」と聞いてどのようなものか想像しにくいのですね。

ベトナムコーヒーは世界2位の生産輸入量

ベトナムはコーヒー栽培が始まって以降、戦争の時期を除いては多量のコーヒー生産と輸入を続けています。

21世紀初期からはブラジルに次いで輸入量で2位となりました。

ロブスタ種の生産に限ってはすでに世界トップです。

以後コロンビアとインドネシアとは順位が何度か入れ替わりながらも、現在はブラジルに次ぐ2位、むしろブラジルを抜いて世界1位になる勢いがあります。

【ベトナムコーヒーの種類】

ベトナムコーヒーには、特別なブランド名(産地や山名などを冠した商品)がまずありません。

ベトナムで育つコーヒーの大半がロブスタ種なので、商品では「ベトナムコーヒー」「ベトナムブレンド」などと表記されます。

日本でも近年はアジアブランドに対する見方も変わったので、ベトナムブランドが作られれば人気も出そうですが、そもそもロブスタ種は苦味が強く、シングルオリジンやストレートで飲むものではないので売り出しにくい側面があります。

アラビカ種も栽培され始めている

ベトナムでは近年、ロブスタと比べて良質なアラビカ種も栽培され始めています。

良質な分、栽培方法が難しいので、作る人の技術や心遣い、何より環境が重要です。

「ベトナムアラビカ」の名前で日本にも出回っています。
味わいは「マイルド」と評されました。

ベトナムの「ジャコウネココーヒー」

「コピ・ルアク」通称「ジャコウネココーヒー」は世界最高級のコーヒーです。

マレージャコウネコという大きな猫がコーヒー豆を丸呑みし、体内で発酵された豆がそのまま排泄され、独特な香りが付くというものです。

ベトナムでもマレージャコウネコが生息し、一時だけブームに乗ってジャコウネココーヒーを生産(品種名は「イタチコーヒー」)しましたが、現在では見られなくなったそうです。

インドネシアが本場なので、ジャコウネココーヒーはインドネシア産以外は認められていません。

すでにコピ・ルアクは偽物が多く出回っているので、仮にベトナムジャコウネココーヒーを見かけても、人為的に発酵させた偽物かもしれず、注意が必要です。

【ベトナムコーヒーの特徴】

ベトナムコーヒーは現在、2種類が出回り、味わいには差があります。

ベトナム ロブスタ:苦味と雑味が強く、単品で飲まれることは珍しい。通好みの味ではある。

ベトナム アラビカ:香りと味はマイルドで飲みやすい。生産量が少なく貴重だが、高級品とはされていない。

ロブスタと表記されることは稀で「ベトナムコーヒー=ロブスタ」のイメージがまだ根強いです。

インドネシア産にもロブスタ種は多くありますが、ストレートで飲むのはよほどのコーヒー通か、好みに合った方に限ります。

アラビカが希少ながらそれほど高級とされていない(輸入業者の相場では大体400円/100g)のは、コーヒー好きには朗報ですね。

見かけたらぜひ味わってみてください。

ベトナム式コーヒーとは

ベトナムでは、フランスから伝わったコーヒーの飲み方を実践し、現在はオリジナリティある飲み方が主流です。

ベトナム式コーヒーと呼ばれる手法で、まず豆を深煎りで作った後、バターや醤油(魚醤)で炒ります。

淹れ方はフランス伝統のフィルター「カフェ・フィン」を用いて、多めの豆を少なめのお湯でゆっくりと抽出します。

時間にすると5分から10分ほどです、フランスらしいですね。

出来上がったコーヒーには、たっぷりの練乳(コンデンスミルク)を入れて飲みます。

ロブスタ種では得られない甘みや深み、コクといった要素を淹れ方とアレンジで今風の甘いコーヒードリンクに仕上げるのがベトナム流なのです。

「世界第二位の生産輸入量を誇るベトナムコーヒー」

ベトナムのコーヒーは、世界でも珍しいタイプです。

ロブスタの大量生産によって世界2位の輸入量、その多くがブレンドやインスタントで飲まれます。

知らないうちに誰もがベトナムコーヒーの味には触れていたのです。

また淹れ方や飲み方もまた珍しく、特徴的です。

今回は簡単にですが、ベトナムコーヒーの情報をまとめました。

今回のサムネはこちらの画像を使わせていただきました。ありがとうございます😸