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循環に気づく仕掛け

※このnoteは武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科クリエイティブリーダシップコースの「クリエイティブリーダシップ特論」という、クリエイティブの力をビジネス・社会に活用しているゲスト講師の方々による講義のレポートです。


9/27の講義では、株式会社fog 代表取締役 大山 貴子さんのお話を伺いました。

Profile
大山 貴子
株式会社fog 代表取締役/一般社団法人530 理事
米ボストンサフォーク大にて中南米でのゲリラ農村留学やウ ガンダの人道支援&平和構築に従事、卒業。ニューヨークに て新聞社、EdTechでの海外戦略、編集&ライティング業を経て、2014年に帰国。日本における食の安全や環境面での取組 みの必要性を感じ、100BANCH入居プロジェクトとしてフー ドウェイストを考える各種企画やワークショップ開発を実施後、株式会社fogを創設。循環型社会の実現をテーマにしたプロセス設計を食や行動分析、コレクティブインパクトを起こ すコミュニティ形成などから行う。
(引用:https://fog.co.jp/#memberより)

このnoteでは大山さんのお話の中から印象的だったことについて書いていきます。


循環に気づく仕掛け

大山さんは循環する日常をえらび、実践するラボ「élab」をクラウドファンディングを経てオープンされました。

https://elabtorigoe.tokyo

ここでは、”循環する日常”というコピーからもわかる通り、サーキュラーな暮らしを提案していくコンセプトではありますが、”サーキュラー”という言葉を意識的に使わないようにしているそうです。

大山さんは、大切にしていることの一つとして「脱サステナブル」ということをおっしゃっていました。昨今、SDGsやサステイナブルという言葉を聞く機会が増え、認知されるようになってきましたが一方で、「サステイナブル」という言葉を聞くと、多くの人が「本当にそれがサステイナブルかどうか」ということを考えずに受容してしまう、ということに違和感を持っているそうです。

また、サステイナブルは目的ではなく手段である、ということも強調されていました。あくまで心地よい生活を実現するための手段の一つとして、循環型の生活があるとおっしゃっていて、その点でも「サステイナブル・サーキュラー」という言葉を打ち出すことはしない、ということを大事にしているそうです。


でも、他のお店と変わらない体験で良い、誰にも気づいてもらわなくても良い、ということではなくて、お客さん自らが”循環に気づく仕掛け”を店内では取り入れているそうです。

例えば、「サーキュラーのために食べ残しはコンポストへ」と直接的に伝えるのではなく、「生ゴミを捨てようと思ったらコンポストだった」という同線設計にする。

そうすると「なぜ?」という疑問が生まれて、話を聞くと循環型という概念を知る。

そんな体験を目指しているそうです。器や食材など、店内の全てのものに意味があり、それらに興味を持って頂いたらそこから話が始まる。そんな自然な体験設計がとても素敵だなと思いました。

気づかれなくてもただ心地よいお店として来店してくださっても良い、そんなグラデーションのある場を作られているとお聞きし、とても行ってみたくなりました。







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