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発想を広げる対話と空間

※このnoteは武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科クリエイティブリーダシップコースの「クリエイティブリーダシップ特論」という、クリエイティブの力をビジネス・社会に活用しているゲスト講師の方々による講義のレポートです。


9/20の講義では、三木健デザイン事務所代表の、三木 健さんのお話を伺いました。

Profile
三木 健
1955年神戸生まれ。1982年三木健デザイン事務所設立。ブランディング、アドバタイジング、パッケージ、エディトリアル、空間など様々なフィールドにおいて情報を建築的にとらえる発想で五感を刺激する物語性のあるデザインを展開。主な受賞にJAGDA新人賞、日本タイポグラフィ年鑑グランプリ、世界ポスタートリエンナーレ富山銀賞、N.Y.ADC奨励賞など受賞多数。
パーマネントコレクションにサントリ−ミュ−ジアム、富山県立近代美術館。大阪芸術大学教授。作品はこちら http://ken-miki.net/
(http://ken-miki.net/profile-noflashより)

このnoteでは三木さんのお話の中から印象的だったことについて書いていきます。


話すデザイン

三木さんは、”話すデザイン”を実践されているそうです。
話すデザインとは、対話の中からコンセプトを編み上げていく作業で、雑談から真面目な話まで、色々なテーマでの会話から出てきた”その人・会社らしいキーワード”を拾い、積み上げ、コンセプトへと昇華させていくそうです。

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(Youtubeより:https://youtu.be/AiUXU_zT6N0 以下同)

「コンセプト」という言葉が出てきましたが、授業ではConceptとConceptionのお話をしていただきました。

Conceptは「概念」ですが、これはConceptionから生まれてくるそうです。
Conceptionという言葉が持つ意味に「妊娠」があります。
妊娠した、受精したまだ形が定まっていない”何か”から、輪郭を作り上げていくことが、「コンセプトを作る」という行為なのかなと感じました。

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借脳から発想を広げる

三木さんは、「借脳」という言葉を使われていました。
相手の考え方を取り入れることで、自分の考え方との差異が見えてきたり、掛け合わせから新しいアイデアが発想されるということをおっしゃっていたのですが、この自分を超越する感覚が発想においてとても大切なのだろうなと感じました。

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話すデザインもそうですが、自分の頭で考えるのではなく、「相手と混ざり合う」ことで、着想を得ているのだなと感じました。


また、混ざり合いつつ、キーとなるポイントを見つけていく客観的な作業を行うという視点の行き来が面白いなと思いました。色んな人の立場に立って物事を考えよう、ということはよく言われますが、相手に共感するだけでなく、一歩俯瞰から情報を整理していくということがデザイナーのスキルなのかなと感じました。
この整理において、会話という消えてしまう言葉を積み上げるということが活きて来るのだなと思いました。



セレンディピティのある空間

「話すデザイン」「借脳」など、自分という枠組みを超えてデザインをされている三木さんですが、事務所の空間というハード面でも着想の工夫がありました。

それは「本を決めた位置に置かない」というルールです。多くの人が決められた場所に本を置き、読み終わったら元にあった場所に戻すということをされていると思いますが、三木デザイン事務所ではそれを禁止しているそうです。

あえてバラバラに本が置かれた空間にすることで、たまたま目に入った本から着想する、関連が無いような本同士の関係性を見て発想を膨らますなど、「気づきを生む空間」をデザインされているそうです。


自分の行動に合わせた空間づくりは自分の部屋でも取り入れてみたいなと思いました。

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