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アソビジがやっていること、やってきたこと

こんにちは。中川です。
アソビジを2009年に設立してから、
それぞれにとっての居心地のよい世界をつくるために、
まじめに、遊び心を忘れずに、余白(あそび)をつくってきました。

と書いておきながら、
「そんなこと言っちゃっていいのだろうか。」
と思ってます。
だって、終わりがないし、「つくってきた」実感も正直ない。

アソビジももうそろそろ16期目が終わりそうです。
ホームページの改訂を機に、これまでのことを少しだけ整理して、書き残しておこうじゃないか。ということでnoteを始めました。



やってきたこと

ここまでアソビジでやってきたことは、
・チームビルディングのための研修プログラム
・先生のためのリフレクションサポート
・ファシリテーションとかリーダーシップをテーマにした研修
・コーポラティブ(協同)ゲームの開発と販売
・新しい選択肢となり得る学校づくり
などなど。

一貫性が無いようで、あるのが、
ちがう人たちが、一緒に居心地よく生きていくためにできること
ということ。みたいです。

「みたいです。」というのは、最初からそういうことを整理できていたかと言われたらそんなことはなかったよな、と思うからです。

でも、思い起こしてみれば、
どうしてみんな得意不得意が違うのに、同じ方法で学ばなきゃいけないの?
とか
どうして好きなことがあって学びたいと思っているのに学ばせてもらえないの?(つまり、浪人した。)
とか
そんなことは学生の頃からずっと思っていたのは確かです。

小学生の頃からなんとなく将来は先生になりたいなぁ、と思っていて
結局その思いを貫いて社会人の最初は私立中高の保健体育教師になったけど
大学時代にはすでに「学校をつくって選択肢を増やしたいなぁ」と思いながら、そのためには勉強しなきゃな、と思って現場に出ました。

ああ、ここまで書いて思いましたが、かなり長くなりそうです。
これ、読む人いるのだろうか。

このあたりは、唯一の単著でもある
「あたらしい しょうがっこうの つくりかた」にちょっとだけ書いてあるので
そっちを読んでもらうとしよう。たまには宣伝宣伝。


アソビジが会社になったわけ

アソビジができる数年前、アメリカやオランダの学校を視察させてもらう経験などを経て、教育系NPOを立ち上げました。
でも、「NPOなのに無料じゃないのか」と言われて(まだそういう誤解のある時代でした)、じゃあ「株式会社もつくろう」という(単純な)考えで
アソビジが生まれました。

当時は反対というか、心配もされたけれど、設立して本当によかったです。
自分の裁量で、自分がやりたいと思ったことを、自分のタイミングでできるからです。


あそび道具をつくる

最初は、教室に対話やコミュニケーションが生まれやすくなる遊びのツールや環境をつくりたいと思って、NPO時代から作り始めていた「シャベリカ」をアソビジで引き継ぐ形で制作販売。
イエナプラン教育と出会ったことで行くことになったオランダで、コーポラティブゲームを知り、「教室に遊びを。」というコンセプトに合致するので「日本に合うものをつくろう」と思ってオニミチを制作。

COPORA(コポラ)というネットショップも開店しました。



2011年の東日本大震災が教えてくれたこと

そんなことをしているうちに、2011年3月に大きな震災が起きて、宮城県石巻市と東京を往復する日々がスタートしました。

全てが止まった中で、「この日本の有事にやれることをやれるだけやらなければ、今までやってきたことはなんだったんだということになる」という想いに駆られて、それから10年間、復興支援に関わることなりました。

それは、一般社団法人プロジェクト結という団体を仲間と立ち上げての活動でしたが、かなり深く関わることになったので、途中からアソビジに有償ボランティアとしてプロジェクト結から委託料を少しだけいただく形で働いてもいました。(それくらい、時間と労力をかけて活動していたということです。)

石巻市教育委員会と連携しながら、市内64校(当時)の小中学校と繋がり、学校の困りごとを引き受けていく活動をしていました。1日に5校まわることもあるくらい、いろんな学校の先生方と繋がり、管理職の方々と話し、どんな支援が必要かのニーズをヒアリングし、「支援したい人たち」「支援できそうな人たち」を繋いでいく、ということを繰り返していました。
大量の物資の整理、プール清掃、こどもの学習支援、地域との防災授業、いろいろな企業人からの職業講話の実施、図書整理、、、すべて、こちらがやりたいことではなく、学校から求められたことのみに集中する、というスタンスでやってきました。

学校サポート以外の活動では、地域に子育て支援の場が減ってしまい、働きに出たくても出られないお母さんたちがいっぱいいる、ということも見えてきて、じゃぁそういう場をつくろう、ということで「認可外保育所」をつくることにもなりました。
認可外保育所は、ルールを守れば、補助はない分比較的ハードルが低くつくることができたので、場所探しから、働いてくれる人探し、理念づくり、保育士さんへの研修なども担当。
その後、地元のたらこ屋さんが企業主導型保育所として園を引き継いでくれることになったので、その設立と運営のサポートをし、活動を終えていきました。

この、復興支援での経験は、その後のアソビジや私自身の人生を大きく変えていきます。

震災をきっかけに、人生が変わった。という人は多くいらっしゃると思いますが、私も完全にそのひとりです。

「学校をつくる」しごと

復興支援での活動をしながら、だんだんと石巻以外の仕事も増えてきていて、2017年頃から学校設立の準備が始まりました。

(設立準備時代の動画が残っていたので掲載します)

2006年くらいから関わっていたイエナプランの啓蒙活動の流れの中で、そろそろ日本にもイエナプランスクールをつくる、という流れになったことは当然と言えば当然だったのかもしれませんが、この「学校をつくる」という、若い頃からの願いを実現する機会をいただけたことは、とても良い経験となり心から感謝しています。そして、石巻で経験した「地域の方々との繋がりをつくりながら生み出す」ということを、佐久穂町でも経験させていただきました。
(詳細を知りたい方は、それも上記に紹介した本をご覧ください)

2019年に「大日向小学校」として日本で初めてのイエナプランスクールが開校して、私は学校法人の理事として現場の中にがっつりいさせていただきました。その中でも特別支援とかインクルーシブってどういうことなのか?
「ひとりひとりを大切にするためにできることは?」みたいなことをとても重視して過ごすことになります。

2022年3月末、大日向中学校の設立を見届けて、私は(アソビジとしても)大日向小中学校から離れることになりました。
いろいろあったけれど、「共生社会をつくる」ことが、どれだけ難しいことなのかを身をもって学ぶことができましたし、私立学校でできることと、公立学校でできることの違いについても改めて考えることになりました。

この頃は、日本イエナプラン教育協会から委託を受けて、名古屋市立山吹小学校の「個別最適な学びと協働的な学びの実現」に向けて、毎週サポートに入っていました。(名古屋市のNAGOYA School Inovation事業のマッチングプロジェクトです)

ここではイエナプランのコンセプトのいいとこどりをしつつ自由進度学習や異年齢での学びの場づくりなどのサポートをおこなっていました。2年間、毎週1回学校に通うことで、時間をかけて公立学校での実践に関わらせていただくことができました。

余談ですが、2022年はのんびり過ごしていたので、大日向小学校の子どもたちが教えてくれたことを形にしたいと思い、特別支援教諭の免許を取りました。大人になってからの学びはなかなか面白いものがありました。

2023年は、友人でもある岩瀬直樹さんが校長をしている軽井沢風越学園のラーニングセンターで、公立学校と私立学校が連携しておこなう教師教育やスタッフ研修づくりなどに参画させていただきました。特に「連携事業」では、私立の実践と、公立の実践がこのような形でここまで融合できるものなんだなぁ、と関わらせていただきながらも驚きました。

風越スタッフの方々と共につくる「実践ラボ」のサポートも、単純に楽しかったです。スタッフのみなさんが実践を楽しんでいる様子が、「かぜのーと」でも読めますのでぜひ。


「公共の教育を共につくる」しごと

2022年7月。ひとつの電話がきっかけで、磐梯町の町長と教育長にお会いすることになります。
「町づくりは人づくりであり、子どもたちを大切にしなければ未来はない」という町長の熱い想いに共感し、2023年4月から磐梯町の町政(教育)アドバイザーを拝命し、0才から15才の磐梯町の教育を考える委員会の委員長を務めさせていただくことになりました。

その後、2024年4月より、磐梯町に新たに設置された「磐梯町教育再デザインセンター」に、「地域活性化起業人」としてお世話になることになりました。(アソビジが、3大都市にあってよかったです。笑)

教育再デザインセンター(通称グラデーションセンター)の活動記録は、こちらからどうぞ。


わたしたちも楽しみたい

最近、ちょっとやってみたいな、と思って始めたことは
YouTubeで「わたしたちが楽しいと思うこと」を動画で発信してみよう。ということです。
今更ゆーちゅーぶ??って感じですが、やっぱり「たのしい」がないといけません。

全然登録者数が増えないので、よかったらポチッとお願いします。笑


とりあえず、今のところはこんな感じです。
また新しいことが始まったり、記録をつけていきたいことが増えたら、こちらに追記していきます。

2024年9月5日更新