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50代、人生最大の挑戦。阿部本部長が語る「クラ・ゼミらしさとコペルの再建」とは?
#「コペル再建」の支柱、2人の本部長
2024年7月、株式会社クラ・ゼミがコペルの民事再生手続きにおけるスポンサーに選任されました。クラ・ゼミは浜松で創業した学習塾・児童福祉事業などを展開する企業で、来年創業50年を迎えます。
これに伴い、コペル再建を担う2人の本部長が任命されました。生え抜きの児童福祉部門 阿部全伸 本部長が「コペルプラス」などの事業再建を、メガバンクから転職したコーポレート部門 堀田直志 本部長がコーポレート機能の基盤再構築を担当。浜松と新宿を往復しながら立て直しに尽力しています。
コペル事業部note第1弾では、阿部本部長へのインタビューを通し、塾講師を志した理由からコペル再建と向き合う覚悟まで、リアルな本音に迫ります。
#「プロ講師」を志し、伸び盛りのクラ・ゼミへ入社
◎なぜ「塾講師」を志したのですか?
はじめまして、阿部です。まず、自分は「本部長」としてコペル再建にあたっていますが、特別な才能や武勇伝なんてありません。ごくごく「普通の子ども」だったと思います。
でも昔から「子どもたちのために、一生懸命になれる仕事に就きたい」想いは一貫していました。大学時代の家庭教師のアルバイトを通して、子どもの「出来ない」が「出来る」に変わる瞬間に感動したんです。「プロの講師として、どこまで出来るか挑戦したい」と決意が芽生えました。
◎数ある塾から「クラ・ゼミ」入社の決め手を教えてください。
私は「授業」で勝負したかったんです。生徒を惹きつけ、成績もアップする、最高の授業を提供したいと。学校よりも、講師の実力・魅力がシビアに評価される、塾のスタイルが合っていたんですね。
クラ・ゼミ入社の決め手は、先輩講師の模擬授業の面白さに衝撃を受けたことと、当時社員80名の中、新卒を26名も採用する勢いに惹かれたからです。同期(新卒2期生)で英語講師だった河合部長(現:障がい者雇用サポート事業統括)とは今も戦友です。お互い、切磋琢磨して授業にあたりました。
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#新卒時の挫折が、「泥臭く人と向き合う」原点に
◎順調にキャリアを積まれた印象です。大きな転機はありましたか?
講師から校舎長、児童福祉事業立ち上げ、オンライン療育導入、そしてコペル再建…、節目で大事な役割を担ってきたと思うかもしれませんが、実は新卒1年目に大きな挫折を経験しました。
人気ベテラン講師の代役を務めたとある中学2年生の教室で、生徒は皆、前の先生が大好きで、気合いばかり空回り。1、2か月と私の代講が続くと、教室の空気が冷え込むのを感じました。
ある日、思い切って「前の先生が良いと思う人?」と尋ねると、全員が手を挙げたのです。悔しかった。でも、同時にスイッチが入った。「3ヶ月後に君たちの気持ちが変わるよう、本気で頑張る」と宣言し、とにかく努力しました。
◎「泥臭くひたむきに相手と向き合う」原点になったのですね。
とことん考え、生徒と向き合って。授業の予習復習にも力を入れて。すると、生徒の表情や教室の雰囲気が徐々に変わりました。
1年後、異動が決まって最後の授業。以前「前の先生が良かった」と言った生徒が、「授業が終わるのが寂しい」と話してくれたんです。「先生ありがとう。今は先生が先生でよかった」と寄せ書きを貰った時は、本当に嬉しかったですね。
この喜びは、講師だからこそ味わえるもの。それが活力となり、次の生徒へと繋がっていきます。同時に「泥臭く相手と向き合えば、必ず通じ合える」という私の原点にもなりました。
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#受け継ぎたい「クラ・ゼミらしさ」とは?
◎会長の「オーラ」の答えは、見つかりましたか?
創業者の倉橋会長は、教壇に立つと教室が静まり返るほどのオーラを持つ人です。新人の頃は、どうしたらそんなオーラを出せるのかと悩みましたが、今は分かります。
それは魔法のようなものではなく、生徒と信頼関係を築き、「この人に付いていけば大丈夫」と思わせる雰囲気を、情熱と地道な努力で作り出すものだと気付きました。
◎受け継ぎたい「クラ・ゼミらしさ」とは?
クラ・ゼミで学んだのは、とにかく「謙虚であれ」ということですね。人の話をきちんと聞き、自分を成長させること。そして「正しい道を歩む」こと。起こったことを他責にせず、実直な姿勢を貫くクラ・ゼミの在り方が、福祉事業への参入にも繋がっていると思います。
また、堅実な経営とチャレンジ精神を両立し、長く働いても飽きない会社です。私自身、20代の「良い講師」という目標から、やがて目線が「会社に貢献出来ること」へと変化し、それぞれのフェーズで、多くの挑戦をさせてもらいました。
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#「コペル民事再生」を受け止めたあの日
◎「コペル民事再生」のあの日。その様子を教えてください。
民事再生のニュースが飛び込んだのは、こどもサポート教室ブロック長会議の最中でした。「対岸の火事じゃないぞ」と皆で危機感を共有し、会長に報告したことを覚えています。そこから、真っ先に会長・社長が先導してコペル側の状況を確認し、スポンサー選任までは本当にあっという間でした。
私は会長・社長の真剣な姿から、スポンサーを引き受けるという強い覚悟を感じました。「コペル再建のため、新宿に行って欲しい」と言われ、「はい」と即答。とはいえ、クラ・ゼミ社員1,400名に対し、旧コペル社員は1,600名、負債額は約70億円。「怖さ」とか「重み」を超えていました。でも、これが自分の使命なのか、と覚悟を決めました。
◎両社にはどんな共通点・相違がありますか?
両社には、私塾からのスタート、社会福祉事業の展開、創業者のカリスマ性、何より「教育・福祉で本気で世の中を良くする」想いが共通しています。「早くやる、何でもやる、全力でやる」文化も共通です。
一番の違いは経営面。クラ・ゼミが安定・堅実経営なのに対し、コペルは理念が先行し足固めが出来ておらず、結果多くの方にご迷惑をお掛けすることになってしまった。また、組織運営も異なりますね。クラ・ゼミは役割や権限が明確なのに対し、旧コペルはオールフラットな組織。いい悪いではなく、文化の違いを感じます。
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#コペル再建に向けて、描く道筋
◎再建のために「必要なもの」は何でしょうか?
倉橋社長とともにコペルの約80教室を巡回しましたが、ご利用者思い・誠実・優秀な方が多く、皆「コペルメソッド」への自信も持っていますね。一方で、良いメソッドや療育があっても「教室の安定運営」は別問題です。再建に向けて、本部と現場が一体となり、対話型のコミュニケーションを通して各教室の支援数確保・課題解決をサポートしていくことが重要です。
また、両社の強みを活かした新規事業も柱になると思います。開発中の全脳教育型AIシステム「コペルン」はまさにそのひとつ。デジタル時代に対応しながら、究極の個別最適化教育を実現できるよう、サービスを磨き込んでいるところです。
◎来年は50周年。100年続くために、大切なことは何でしょう?
「ひとりひとりがご利用者様、会社を好きになり、周りも自分も幸せになる方法を実行し続けること」じゃないかな。クラ・ゼミの理念「誰にだって 輝ける舞台がある」は、社員にも当てはまります。
そしてこれからも信念はブラさずに、年齢に関係なく挑戦出来る会社であり続けたい。私も50代にして人生最大のチャレンジですが、両社の文化を理解尊重しながら、新旧一丸となって泥臭く社会に貢献し、多くの人々に笑顔になってもらえたら、たまらなく嬉しいですね。
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