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あいみょんのライブに行って心を撃ち抜かれてしまう男の話

僕は生きてきて、「湘南乃風」のライブしか観に行ったことがない。湘南乃風のライブはみんなで歌って踊って、全員で楽しむというのがモットーである。帰る際にはキャバ嬢のような声になるのは当たり前だ。

そして今日、半年ほど前に予約したあいみょんのライブの日だった。この日のために全曲、サビは歌えるようにした。お金がないから一緒に行った妹にライブTシャツを買ってもらい、着て、小さい背中でライブ会場に入って行った。

ライブが始まった。本物のあいみょんが出てきた。
 「芸能人はテレビで見るより生で見た方が美人」と、よく聞くが、本当だった。

歌いながら出てきた瞬間、周りは「キャー!」と叫んでいた中、僕は「あいみょんだ……」と小さく声が溢れた。

隣の席が一つだけ空いていた。ライブ開始から20分ほど経った。
 「ここの席の人もったいないなぁ」っと思っていた矢先、僕らのブロックがザワつき始めた。すると僕らのパイプ椅子の列を破壊しながらマシュマロマンのような女性がこちらへ近づいてきた。

そして空いていた隣の席をお尻で踏み潰すように座った。その一瞬はあいみょんよりも目立っていた。

ライブの後半に差し掛かり、僕は「楽しむ」よりも「唖然」としていた。理由は2つあった。

1つ目は、ギターと1人の女性の歌声でアリーナを人で埋めているという現状に混乱していた。すごいというよりも
意味わからん」が勝った。
小学生から90代まで幅広い年齢層の方々が観に来ており、29歳の女性が歌詞、リズム、歌声、人柄で人々に活気を与えていた。

 意味わからん


2つ目は憧れを感じだ。高校を中退して上京して、路上ライブを繰り返し、デビューを勝ち取った。僕はあいみょんのすごいところしか見えていないが、過去には様々な辛い経験や挫折もあっただろう。それを歌に換えることによって今があるのだと感じた。

僕は走り続ける。

夢追いベンガル

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