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Z550GP 2025#7 リアキャリパー補修

これは難儀するぞ。
預かったときからそう伝えた。

届いたものは、ブレーキキャリパー。
ブリーザーボルトが折れている。

削り取ってネジを切り直してよ、と軽く言われたが、果たして折れたボルトを取り除くことができるだろうか。

他の箇所と違って、ブレーキキャリパーのブリーザーボルトは、先端がキャリパーとキッチリ合わさって機能する。
合わさらなければブレーキフルードが漏れてしまう。
ボルトの先端は、ネジが切っていないので、ネジのある部分だけ削ればよいのか?
けれども、どれくらいの深さまで削ればよいのかがわからない。
折れたボルトは捨ててしまったので、全長がわからないからだ。

考えてはみたが、考えてもわからない、が結論となり、意を決して堀り始めた。

で、途中で気づいた。
同じサイズのブリーザーボルトを入れるのであれば、先端部だけ残して削るのは無理ではないか?と。
未装着のブリーザーボルトを観察してみると、先端は細くなっているように見えるが、ネジの下穴サイズと比べると同じか、やや太い。
ということは、ネジ部だけ削って先端を取り出す作戦は、あまりよろしくない。
10mmほど掘ったところでもう一度考えてみた。

ひとつの案は、ワンサイズ太いものに入れ替えること。
ただ、この作戦も先端がピッタリ合うように削らないとならない。
しかも、残留した先端部が抜けることが前提になる。
まずは、もとのサイズで進めるのがよかろう。

もうひとつの案は、このまま掘り進めて先端部が外せればラッキー、ダメならブリーザーの穴を塞いでホースを接続する側にブリーザーつきのバンジョウボルトを使う方式。
このキャリパーは下側からホースをつなぐので、エア抜きは少しめんどうになるかもしれないが、エア噛みしないようにキャリパーを補修する目的は達成できる。
うむ、こっちだな。

5mm、4mm、3mmとビットを替えて掘り進めると、予想以上にキレイに穴があき、これならこのままブリーザーボルトが使えるのではないか?と期待が持てる。

おそらく、通常のブリーザーボルトではフルードが漏れるであろう。
期待は多くの場合、外れる。

うまくいけばラッキー、の案の場合、うまくいかなかったときの案が必要である。
じつは、注文したブリーザーつきバンジョウが届くまでに時間ができただけのことではある。

じっと考えると、アイデアが浮かぶ人がうらやましい、と常々考えていたが、どういうわけか思いついた。

ブリーザーボルトにネジを切ってフタをしたらどうだろう?

じつは、まだ実験中である。
少なくとも、ブリーザーボルトにM4のネジが切れることは判ったが、製品化されているものは見つからなかった。

まあ、まともな人はまともな修理業者に依頼するのだろうな。
たぶん、ブリーザーボルト用の専用ビットがあるのだろう。

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