maya ongaku 「Nuska」 / シングルレビュー
本日4/5先行シングル配信開始!5/26に世界デビューを果たす1stアルバム、『 Approach to Anima』をリリースするmaya ongakuの神秘に触れた。
maya ongakuとは
2021年、江ノ島の海辺の集落から生まれた園田努、高野 諒大、池田抄英による3人組バンドmaya ongaku。 魂のルーツを超えたアーシーなサイケデリアを奏でる地元ミュージシャンの有象無象の集合体。 その名の由来は、古代文明からではなく、視野の外にある想像上の景色を意味する新造語。 「自然発生」と表現する、非生物から生物が生まれるとされる現象の集大成が<maya ongaku>の原点である。
(Bayon Productionより転載)
「Nuska」を聴いた/クールマイン的見聞録
桜の季節もピークを越え、すっかり春めいた今日この頃、この部屋をたおやかに流れ続けている曲がある。本日晴れて配信となったニューカマー、”maya ongaku”のアルバムリリースに先駆けてのシングル、『Nuska』だ。
ニューカマーとは言ったものの、既に一部熱心な音楽ファンの間では、そのライブでの高い表現力が絶賛されており、音源のリリース元も、配信はBayon Productionが担当。2014年からスタートしたBayon Productionにとって、新人バンドのリリースはD.A.N.以来の8年振りだという。
またフィジカル盤は、世界中を熱狂させつつも昨年惜しまれながら無期限の活動停止を発表した、幾何学模様/Kikagaku Moyoの主宰するオランダ・アムステルダムのレーベル『Guruguru Brain』からのレコードリリースという事もあり、言わば”鳴物入り”かつ”折り紙付き”だ。アルバムのインフォメーションは下記を参照していただくとして、早速本日4/5(水)配信のこの楽曲に触れたい。
『Nuska』を一聴して沸き起こった言葉がある。それは「メンタル・アサイラム」。ダブミュージックをレゲエリスナー以外の耳元へも届け、世界各地へと広めた伝説的エンジニア/プロデューサーのリー・”スクラッチ”・ペリーの残した言葉である。(2021年8月逝去)リー・ペリーがオリジナルで作り出した言葉なのか、大元の語源は別にあるのか、詳細は知らない。ただ自分自身、この言葉はジャンル問わず音楽に触れる上でとても大切にしている。メンタル・アサイラム=「心の避難場」。これが得られた時の喜びや有り難み、エネルギーを感じる瞬間を追い求めて音楽と向き合っている節がある。
maya ongakuの紡ぎ出す音色にも間違いなくその一種が宿っている。ドラムレスのトリオ編成による物足りなさなどは皆無で、幽玄な音のレイヤーが霞のベールような広がりをみせている。アルバムタイトルで使われている「Anima」という言葉はラテン語で「命」や「魂」を指す。この曲からは太古から連綿と続いて来た生命や音楽の歴史という地層の厚さに敬意と愛情を称しているかのように聴こえてくる。プレイボタンを押せばいつでも、動植物や幾何学図形で有名な”ナスカの地上絵”の上を大きく翼を広げ浮遊しているサードアイビューが広がるのだった。(だがバンド名の由来とは関係無いと公言している)
4月。新しい時代の到来に、高揚と安堵の共存した音楽の誕生に、様々な事象が揺らぎと共に動き出している。
【作品情報】
アーティスト:maya ongaku
【先行シングル】
作品名:Naska
リリース:2023年4月5日
レーベル:Bayon Production
フォーマット:Digital
【1stアルバム】
作品名:Approach to Anima
リリース:2023年5月26日
レーベル:Bayon Production / Guruguru Brain
フォーマット:Digital / Vinyl
流通:SPACE SHOWER MUSIC
▼アルバムインフォ▼
【ライブ情報】
5.20 [sat]「Ambient Room」@渋谷クアトロ
5.27 [sat]「森、道、市場」@愛知県・蒲郡ラグーナ
5.28 [sun]「FFKT」@長野県・こだまの森
5.28 [sun]「CRAFT ROCK’2023」@立川ステージガーデン
11月上旬~2週間 EU TOUR w: Mong Tong (Taiwan)