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私ならではの旅(5)ー香港

香港・・この響きに、ぎゅっと心を揺さぶられるほど懐かしさを感じる人は多くいると思う。香港には人々を強烈にひきつける何かがある、そんなロマンがある国だと思う。

1990年代、アジアの大都市というと香港だった。ファッションも食も香港に集約されていて、シンガポールなんて”いなかっぺ―”の存在。そんな中、香港に行くとなると、シンガポール人も私も「大都会」に行くという感じだった。

80年代から香港に住む日本人女性から言わせると、90年代の香港は、昔の雰囲気が薄れてきたとよく言われていたが、そうはいっても90年代は、まだイギリス領だったので、アジアとヨーロッパの混ざり合った雰囲気が満載だった。道路標識は広東語と英語、一歩裏に入るとカオス化した汚い裏通りだけど、美味しいご飯が売っている。香港島ではきらびやかなブランドショップに、大勢のファッショニスタが集まっている。素敵なビストロがあるSOHOエリア、いつでも楽しめる飲茶、ペニンシュラホテルの豪華さ、たくさんの思い出があるピーク、ビルの間を通り抜けた先にある啓徳空港に降りる時は、スリル満点だったし、街はどこもかしこもパワーが溢れていて、台風が来るとなると人々は買い物に走り、お店はとっとと閉まってしまう。そして夜はいつまでも明るくて、喧嘩だかなんだかわからないくらい人々の声はおおきくて・・そんな香港が大好きで、出張でも遊びでも何度も訪れた。シンガポールとは全然違う香港、訪れるたびにワクワクしたことを思い出す。

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私が最後に香港に行ったのは12年前。つまり返還後の香港。返還後当時も出張でよく香港には行っていたものの、返還から10年以上経った2010年の香港は、人々が北京語を普通に話すようになるなど様々な箇所に変化が見られた。中国の広東、深センに行くために、香港の羅湖にも人の往来が以前より多くなり(返還後、真夜中に一人で深センから香港に戻らされた怖い経験もあったがまたの機会に・・)、また広東語が話せなくても、北京語で普通に会話できれば、事足りることも多くなった。

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さて、その旅行は、パートナーの出張に便乗したものであったが、彼の仕事中に、私はある場所に行くのが目的であった。それは「深水埗(シャムスイポ)」。

深水埗の街並み(1)

何があるかって?深水埗は、問屋街。アクセサリーづくりが趣味だった私は、その問屋街で、アクセサリーパーツを購入したかったのだ。シンガポールでは、インド系、欧州系のパーツを多く目にするが(中華系も多いが)、香港で、目新しいものを見つけるのが目的だった。

深水埗の街並み(2)

深水埗へは、Tsim Sha TsuiからMTRで10分くらい。駅から出ると、す、すごいディープな香港の街並みが待っていた。少し圧倒されそうになったが、現地の人に負けないくらいの無愛想さで、街をどんどん歩いていく。

リボン屋さんだろうか。量もこれでもか、というくらい売っている。
生地屋さん。見ているだけで楽しい。

念願のパーツ屋さんを見つけた。パーツの種類はすざましい量で、その数に圧倒された。

これ全部パーツです。(made in china)

しかし、私がハマったのはこのお店。つけ襟を販売しているお店で、販売員の方もとてもお洒落で親切だった。

様々なつけ襟に目を奪われる
可愛くないすか?笑
ブルーに見えるが、これはブラックのつけ襟。私はこれをブラックワンピに合わせるため購入

深水埗は、ものづくりが好きな自分にとってはとても楽しく、充実した街だった。シンガポールのチャイナタウンにある問屋街なんて、比べ物にならないくらい断然に迫力もあり充実もしていた。しかしここは観光でも行くところなのだろうか。観光地以外の香港を見るならば、深水埗に行くのもおすすめかもしれない。

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深水埗の後は、パートナー、そして私の香港人の親友と香港島でディナーだったのだが、深水埗の後に行く(久しぶりの)香港島の雰囲気は、あまりにもギャップが激しくそれも楽しかった。

香港のディープな街も面白いけど、やっぱり私は香港の人混みやスカイスクレイパーを見ると、安心する。

クリスマス時期だったので街は更に綺麗だった
通勤ラッシュのセントラル駅


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