【インタビュー記事】アジアで出会った起業家たち(3)
*この記事はCoolmeが編集を務めているintroduStarからのリライト記事です。
名産地ベトナムから、質の高いロブスタ・コーヒーをプロデュースすることが僕のミッションーLung Cafe – Tran Hue Trung
そのカフェに一歩入ると、コクのあるコーヒーの匂いが鼻をくすぐり、目に入るのは大きなロースター。ベトナム、ハノイの高級住宅地にある『Lung Cafe』は1980年にスタートしたカフェ。今回は、世界中のコーヒー豆とベトナム生産のロブスタ・コーヒー豆の研究にいそしみながらも、順調にその店舗も増やし、日系企業のカフェにも卸などを始めているLung Cafeオーナー、TRAN HUE TRUNG氏にインタビューしました。
ハノイでは老舗のカフェーLung Cafe
今日も『Lung Cafe』はコーヒーのいい匂いですね。『Lung Cafe』は最近店舗数も増えて絶好調ですね。
Trung:ありがとうございます。1980年に開店して今年で39年目になります。1店舗目は、ベトナムのアーティストが集まってくるカフェとして存在し、今はハノイに2店舗、そして最近3店舗目がオープンしました。3店舗目では簡単なベトナム料理も食べられます。そうですね、順調なスタートとなっています。
『Lung Cafe』で出されているコーヒーは、主にベトナム・コーヒー(強い苦みのあるコーヒーをフィルターで漉すタイプ)ですよね?
Trung :勿論ベトナムなので、ベトナム・コーヒーは提供しています。ですが、カフェでは世界中のコーヒー豆を取り扱っています。そして私自身、長年、世界中のコーヒー豆を研究してきているんですよ。カフェでは、パナマのゲイシャ・コーヒーや、エチオピア、ハワイのコナ・コーヒーなども楽しむことができます。過去には、東京・銀座の昔ながらに有名な喫茶店に足を運び、コーヒーの味を研究してきたこともあります。
もっとコーヒーの素晴らしさを知ってもらいたい
そうなんですね!ベトナムのカフェなんで、ベトナム・コーヒーがメインなのかと思っていました。日本にまで行って、コーヒーの研究されるなんて、素晴らしいですね。
Trung :『Lung Cafe』では、カフェ運営やコーヒー豆の研究などから、その知見を活かして、他のカフェへ”アドバイザー”として活動したり、バリスタを育てたり、色々な活動をしています。そうそう、ワークショップに参加したりなどして、皆さんにコーヒーの楽しみ方や、コーヒー豆の知識をお伝えしたりする活動などもやっているんです。
世界のコーヒー豆を研究してきているからこそ挑戦できる、質の高いロブスタ・コーヒーの追求
『Lung Cafe』ではオリジナルのコーヒー豆があるそうですね!
Trung:はい。ベトナムの各地のコーヒー豆生産者との連携があるので、そこからオリジナルの豆を作りました。ベトナム発祥のコーヒー豆です。今ではこのカフェで焙煎をし、色々な店舗に卸しています。ちなみにこのコーヒー・ロースターはアメリカの認定(SCA – Speciality Coffee of America)を取っています。
ベトナムのコーヒー豆、ロブスタ・コーヒーというと、世の中で多く飲まれているアラビカ豆と比べ、「安くて、味も落ちる」と言われがちです。でも私はそんなことはない、と思っているんです。今まで生産者であるベトナム人の私達が、ロブスタ・コーヒーの質を高めかたを知らなかっただけだったと思うんです。私は世界中のコーヒーの味を研究してきたからこそ、ハイ・クオリティのロブスタ・コーヒーを作っていくことができると思っています。
そうですね、日本でも、やはりアラビカ豆が主流になっているようです。ですが、きっとコーヒー好きの人達は、コーヒーの味の違いが楽しめるからこそ、テイストの違ったロブスタ・コーヒーの美味しさも楽しめるんではないでしょうか。
Trung : はい、その為にも、日々研究です。本当にコーヒーの世界は奥が深いので。コーヒーのことを語りだすと、いつも時間を忘れてしまいます。(笑)
ハイ・クオリティのロブスタ・コーヒー生産者として
日本にもこのコーヒー豆を輸出しているそうですね。
Trung :はい、豆は日本のコーヒー・エキスパートの人に検証してもらっているので、自信作です(笑)。国内でも、ベトナムに進出した某日本企業のカフェにも卸をしています。多くの強豪の中でLung Cafeの豆だけが唯一、ベトナムコーヒー取引先として、そのカフェに選ばれたんですよ。
そうですか!日本は、ベトナムにも負けず劣らず、コーヒー好きな人が多くいます。是非、Lung Cafe焙煎の豆が、益々日本で味わえる機会が増えてくるといいですね!