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『KINGDOM HEARTS Re:CHAIN OF MEMORIES』を投げる前に

 『KINGDOM HEARTS Re:CHAIN OF MEMORIES』というゲームがある。『キングダム ハーツ』シリーズに属し、初代であるKHFMの続編だが、見てわかるようにナンバリングタイトルではない。ところが、ReCOMを飛ばして次作でありナンバリングタイトルにあたる2をプレイしようとすると、ストーリーがかなり飛んでいることがわかる。
 まったくわからないではないのだが、2で重要な存在となるXIII機関という組織は、すでにReCOMで登場している(どころか少なくない数のメンバーが撃破されている)。さらに、主人公ソラがなぜ眠っているのかもよくわからないままになる。ゆえに、ストーリーを理解する上ではReCOMをプレイしておいた方がいい。
 ところが、このReCOM、すこぶる評判が悪い。サジェストもひどいいわれようだ。
 以前に書いたように、このゲームは不親切な点が多いし難易度も高い。その難易度の高さも、歯ごたえがあるというよりは「考えることが多い」とか「理不尽なところが多い」といったところに起因している。何も知らない初心者がReCOMをプレイしてその変わりように面食らい、諦めるという光景はよく見られるものらしい。
 彼らを軟弱者とは思わないし、その気持ちはよーくわかる。攻略サイトやサジェストを調べれば簡単だと書かれているが、そうだとは到底思えないのもわかる。

 ただ、記憶と嘘をテーマにしたストーリーはとてもよいもので、それを見ないままになってしまうのは本当に惜しいことだとも思う。現代では実況で済ませるという手もあるのだろうが、やはり個人的には全作を制覇したと胸を張っていたい。ので、かつてのぼくと同じような方々が先へ進めるよう、ささやかなガイドを作成した。もちろん、インターネットにはこれよりも良質な攻略がごろごろあるから、いつかまたプレイする時のための備忘録という面もけっこうあるのだが。
 ……図らずして、記憶をなくすという今作のテーマを体現しかけてしまった。

 Re:COMで重要なカードバトルについて、覚えておくべきことはじつはそんなに多くない。そのどれもが文章での説明が難しく、実際にやった方が早く理解できるタイプなので難しいのだけど。どこかで間違っていたり非効率的なことをしていたりな気もするが、これを読めばまったくわからない状態からは抜け出せる……と思う。

1. カードの種類

 まず、バトルで用いるカードにはアタックカード、マジックカード、アイテムカード、フレンドカード、エネミーカード、ギミックカード、そしてリロードカードの7種類が存在している。
 アタックカードは、キングダムチェーンをはじめとしたキーブレードが描かれている赤のカードだ。発動する効果もシンプルで、そのキーブレードによる攻撃を行う。続けて切ることでコンボもできる。
 特徴としては、ストックによく使うことと、出が早いこと、また魔法耐性持ちへのダメージソースになるといったところだろうか。特にこの「出が早い」というのは大きく、後述するカードブレイクには使いやすい気がする。
 次に、青のマジックカードはファイアやブリザド、ケアルのような魔法を発動する。今作にはMPの概念がないのでカードさえあれば撃ち放題なのだが、隙も少しあるのでブレイクされる危険もある。
 マジックカードは、ストックすることで上位魔法として発動可能だ。特に、ファイラ3枚のファイガ、ブリザド3枚のブリザガは対雑魚から対ボスまで大活躍してくれる。ストックによるカードの喪失には注意が必要だ。
 一部、魔法ではなくキャラクターが描かれたカードもある。後述するサポートカードと少し似ているが、こちらはどのワールドでも使えるほか、ストック技に使うこともある。こちらに登場するのは、基本的にジーニーやムーシューなど前作で召喚できたキャラクターたちだ。
 緑のサポートカードはポーションやエーテルなどのアイテムが描かれており、それぞれ恩恵を受けられる。これらのカードはリロード回数を減らせる大きなメリットがある代わりに、これら自身を使うとリロードできないデメリットもあるので、使い所が肝心になる。なお、ポーションやハイポーションの効果がHP回復ではないところに注意が必要かもしれない。
 また、フレンドカードと呼ばれる緑のカードもある。これにはドナルドやグーフィー、もしくは各ワールドの仲間が描かれており、仲間として連れている時のみ戦闘中にたまに現れる。
 効果時間中はダメージを喰らわないので便利だが、効果時間が長い分ブレイクされる危険もある。ストックしてもいいかもしれない。
 黒いエネミーカードは、パッドを押してデッキを切り替えることで選択・使用できる。効果はそれぞれ異なるが、数字を増やしたりブレイクされなくなったりと一定時間の間バフを付与する。入手には、それぞれのハートレスを倒した際にドロップしたものを拾うか、ボスを倒す必要がある。ストーリーが進んだら、手に入れたボスのカードの効果を確認しておこう。
 ギミックカードには緑のミッキーシェイプが描かれており、ボス戦で条件を満たすと手に入る。場に出すと確定で発動し、ボス戦を有利に進められる効果をもたらしてくれる。ボスのカードブレイクや召喚された敵の撃破など、条件を見つけることが攻略の近道となる。
 最後に、リロードカードは他のカードと少し異なる。真っ黒なカードで、デッキには必ず組み込まれていることが特徴だ。これを選択して○ボタンを長押しすることで使ったカードを再生させることができるが、ストックなどで失われたカードはその限りではない。

2. カードの強さ

 そして、これらのカードには0から9の数字が振ってある。そして、以下のルールに従ってカードがぶつかった時の強さを決める。

  1. ①数字の大きい方が勝つ

  2. ②数字が同じなら先出しが勝つ

  3. ③0は後から出せばあらゆる数字に勝てるが、先に出せばどの数字にも負ける

 ちょっとややこしいが、場合ごとに例をソラ視点からいくつか見てみよう。
①先にカードを出して勝った場合
 敵が後から弱いカードを出した場合、「リフレクト」が発生する。このケースでは、敵のカードは発動せず、アクションも行われない。
②後に出されたカードの方が勝った場合
 敵よりも後に出したカードが勝った場合、「カードブレイク」が発生する。こちらでは、敵のカードを発動中でもキャンセルできる。つまり、敵のアクションをやめさせることができるのだ。
 これは特に重要な点で、ボスは強力で数字の高い(=リフレクトしにくい)ストック技を出してくることが多い。そんな場合でも、すぐにそれよりも高い数字のカードか0のカードを出すことで、その技をキャンセルできるということになる。
③先にカードを出して負けた場合
 これは敵視点から見た②なので、今度はソラのカードがブレイクされ、発動中のアクションもキャンセルされる。さらに、ぼよーんという間抜けな音と共に隙を見せることになってしまう。
 これはケアルなどによる回復やフレンドカードにも適用されるので、妨害されたくないアクションは高い数字で出すことを心掛けたい。
④後にカードを出して負けた場合
 これは敵視点から見た①にあたる。敵のアクションはそのまま続行され、ソラは何も行動できない一方でカードのみが消費されてしまう。
 リボルバーからはカードだけが急速に消えていくため、「いつの間にかカードがなくなっていてちっとも行動できずにやられた」とか「ボタンを押してるのに攻撃してくれない」というのはだいたいこれが原因だったりする。

 例えば、この状態ではファイアが3枚ストック(後述)され、ストック技であるファイガが撃てるようになっている。一方、場にはレッドノクターンのカードが出されており、行動中だ。このままファイガを出せば、数字は10なのでレッドノクターンの4に勝ち、カードブレイクを発生させられる。 

3. ストック

 △ボタンを押すと、カードを「ストック」することができる。ストックされたカードは画面左上に表示され、3枚ストックしてから再度△を押すことでようやく発動する。
 特に考えずにストックすることでも、数字が3枚の合計値として扱われるため、迫り合いに勝ちやすくなる。特に、低い数字のカードしか持っていない場合はボスのブレイクに役立つ。
 さらに、特定の組み合わせや順番でストックすることで、ストック技が発動する。種類は非常に豊富で、レベルアップや宝箱の報酬、ストーリー進行などで覚えていく。
 ただし、デメリットもある。1枚目にストックしたカードは、そのバトル中はリロードできなくなってしまうのだ。序盤はこれを回避する術がないので、使いすぎるとカードが切れなくなってしまう。

4. デッキの組み方

 さて、以上の部分で、カードの種類とバトル中の判定については理解してもらえたことと思う。しかし、数字の強弱だけわかっていればいいというのではない。
 というのも、ほぼブレイクされない9やジョーカーとなる0は手に入りにくい。序盤は低い数字のカードで戦わなくてはならないので、たまに見る「0と9でデッキを組めばいい」というのは理想論のようなものだからだ。

 デッキはバトル中にできることすべてを決定づける、非常に重要な要素だ。いくらいいカードを手に入れても「そうびしないとこうかがない」し、そのコスト枠がなければ宝の持ち腐れだ。
 デッキを組む際、コストと順番が特に大事な要素となる。
 コストはどれだけ質のいいカードを多く入れられるかに関係してくる。HPと相談しつつ、なるべく上げておきたい。特に0や9のカード、ケアルのような回復は重いので、バランスが大事だ。
 順番も変えることができる。バトル中、絶対に順番通りにしかカードを切れない、なんてことはないのだが、快適に戦うにはかなり響いてくる。ただでさえカードをいちいち選んでいる余裕はあまりないのだ。
 バトルが始まった時、リボルバーは以下のようにセットされている。

[最後のカード]
リロードカード
[最初のカード]

 この時、選択されているのは最初のカードだ。なので、最初のカードから順番に切っていくのがやりやすい。ある程度の余裕ができてストック技を主体に戦っていけるようになれば、合計が10になるように組んだ3枚セットを順に置いていくことで、ひたすら△ボタンを連打する戦い方ができるようになる。
 なお、最初のカードから2回カーソルを動かすだけで到達できる最後尾には、0のカードがあると便利だ。特に、ボスが10では対抗できないストック技を撃ってきた時には素早くブレイクできる。その後ろくらいには非常用のケアルがあるといいかもしれない。
 トラヴァースタウンを突破して以降は、ファイア3枚で発動できるファイガ(もしくはブリザド3枚のブリザガ)がとても便利だ。当面はこれで染めたデッキがあれば生きていける。
 なお、数字の部分が黄色の「プレミアカード」というものも存在する。こちらは①ストックの2枚目か3枚目以外で使用するとバトル中はデッキから消える、②コストが同じカードの1相当になるという特徴を持っている。つまり、0だろうと9だろうと低コストでデッキに積めるのだ。
 デメリットとして、普通に1枚で切った時は消失してしまう。ただし、ストックした時の1枚目以外として切った場合は消えず、再度リロードできる(1枚目はプレミアでもノーマルでも消える)ので、ストックして使えばデメリットを踏み倒して使える。なので、プレミアカードをデッキに組み込む時はどうストックして使うかを念頭に置いて組むといい。

5. ルームクリエイション

 今作の舞台となる忘却の城は、各階層がまっさらなフロアになっているようなもので、それぞれの階層へ入る前にカードを使うことでその階層がどのワールドになるかを決定する。なので、ある程度はプレイヤーが攻略する順番を決めることができる。
 そして、各階層の中は、これまたまっさらな部屋が連なっているような仕組みになっていて、こちらはマップカードを使うことで各部屋の性質を指定する。これを「ルームクリエイション」という。

 マップカードは敵を倒すことで99枚まで入手でき、いくつもの種類が存在する。こちらにも0から9の数字があり、ルームクリエイションの際に出される「6以上の緑のカード」のような条件において参照される。こちらでも0は万能だが、終盤の合計で高い数字を要求してくる扉には無力なため、高い数字のカードもなるべく揃えておきたい。
 また、ルームクリエイションは何度でも行える。ハートレスの湧く部屋を何度も作り直してレベル上げに励んでもいいし、ボス戦の前に「一時の休息」でセーブポイントを作ってもいい。レベル上げをするなら、ワールドの入口からすぐのあたりの扉の条件が緩い気がする。ただし、ワールドを一旦出るとすべての部屋がリセットされてしまう。
 なお、通常のマップカード以外に「キーカード」と「ランダムジョーカー」がある。キーカードは黄色をしていて、マップ上のイベントルームへ入場する際に通常のマップカードと共に要求される。この部屋を目指して進むことで、ストーリーを進行させることができる。ランダムジョーカーは低確率でドロップし、どの条件でも満たすことができるカードなので、運よく手に入ったら終盤まで温存しておきたい。
 キーカードの中には「未知なる宝のキーカード」というものもあるが、こちらはストーリーとは無関係。後半以降にランダムでドロップし、各ワールドで初回使用時に特別な宝箱のある部屋へと通じている。

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