ChatGPTが書いた歌詞で曲を完成させてみた
まずはこちらをご覧ください。
英語の歌詞が書けない?ChatGPTがあるじゃないか
以前オケだけ作って「これは英語の歌詞が合うだろう」と思ったものの、そんなの作れるわけないと思って放置していた曲がありました。
曲調から自分では80〜90年代のブリティッシュ系ポップ・ロックなイメージだったので、できればアングロサクソン系ネイティブの声で・・・なんて思って、Logic Proのループ素材から合いそうなヴォーカルのフレーズを貼り付けて遊んだりしていました。
で、時は流れて2023年。Synthesizer V Maiの英語での歌唱がなかなか本格的なので、もしかしたらこれは歌詞さえあればイケるのでは?と考えて、ChatGPTに作詞をお願いしてみました。
提示したのは"Realize Paradise"という仮タイトルだけ。それで生成された結果がこちら。
先に自分で作っていた曲の構成が変則的だったので、実際にはVerse 1と2を続けて歌い、そのあとChorusの歌詞を2回繰り返す、というように入れ替えを行う必要はありましたが、BridgeやOutroも含め、すべてChatGPTの提案通りの歌詞を採用しました。
ただし、ひとつだけ変更した歌詞があります。語感の問題で何となく"travel"という単語が気に入らなかったので、"journey"に差し替えました。
しかし、そんな微妙に細かいところが気になるクセに、いざ全体として「この歌詞がイケてるのか?」という話になると、自分の英語力ではまったく判断できないという問題があります。
こればっかりはもう、仕方ないですよね。AIに提案されたものをジャッジするセンス。そこだけは人間がやらなければならない領域だということです。
少なくとも今の時点では、ですが。
いずれ、AIが生成したコンテンツそのものに対しても、アルゴリズムをもとに一定の評価を下し、AIがレコメンドまでやってくれて、人間はただそれを消費するだけ、みたいなことになっていくのかも。
楽しく遊べるのも今のうち、なのかもしれませんね。
Synthesizer V Maiで洋楽っぽく英語を歌わせるときのコツ
Synthesizer Vのエディターには、どの歌声にも共通のパラメーターがあるほか、それぞれの歌声ライブラリーごとに声色を変化させる独自のパラメーターが用意されています。
すべての歌声ライブラリーに共通するパラメーターのひとつに「ジェンダー」というものがありますが、これは女声を男声に近づける、といった変化ではなく(擬似的にそのような用途で使う人もいますが)、むしろ「年齢」が変化するといったニュアンスに近いと思っています。
例えば、京町セイカや夏色花梨の場合には、デフォルトの設定では(個人的な好みの問題で)幼い感じがするため、スライダーを右に動かして少し高めにしてやることで大人っぽく、より自分好みのお姉さんな感じの声にする、といった使い方をしています。
しかし、SakiやMaiの声はデフォルトのままで非常に素晴らしく、通常はこの「ジェンダー」のパラメーターを変更する必要を感じませんでした。というより、試しに少し上げてみても、あまりよい感じにならなかった、というのが正しいでしょう。
しかし、それはもちろん曲によりけり、という面があります。
これまでは英語の歌詞であっても、Maiの歌う英語の響きやニュアンスがそのままでとても美しく、「ジェンダー」での調整の行う必要を感じなかったのですが、今回の曲は普段自分が使わないようなコード進行をモチーフに、自分の手ぐせを排除した実験的なチャレンジを行ったという経緯があります。
結果、メロディを紡ぎ出すこと自体にも過去にないほど苦労したわけですが、イメージ的に洋楽のステレオタイプから抜け出すことができず、Maiの歌声と頭の中で鳴っている音にギャップがあると感じていました。
最初は "Ninezero"(ナインゼロ)のような「英語で収録した男性ヴォーカルのライブラリが必要なんじゃないか?」とも思ったのですが、試しにMaiの「ジェンダー」設定を少し上げてやると、なんか白人の大人の女性ヴォーカルみたいな感じに大化けした、というわけです。
最近は英語の女性ヴォーカルについても興味が出てきて「やはり最強は"SOLARIA"かな?でも"ANRI"もなかなかいいな」などと思っていたのですが、Maiが優秀すぎて、また新たな使い道を見つけてしまったというところです。
これがプロ版のエディター(Synthesizer V Studio Pro)を購入すれば無償でついてくるというのは、本当にありがたいことです。
導入を検討している方には、フリーで使えるベーシック版よりも、フル機能でMaiが使えるプロ版を思い切って購入することを強くお勧めします。
他の歌声ライブラリについては無償で使えるライト版もいくつか存在していますが、結局それでは真価がわからないので、「うーん、こんなものか?」という印象で終わってしまう可能性が高いと思っています。
興味がある方は下記メーカーサイトをチェックしてみてください。