令和に米騒動ってどうなのよ?
昨日、自宅の米びつが空なことに気づいたので駅前のスーパーに行ったんですよ。そうしたら、なんとお米コーナーの棚が空っぽじゃないですか。何かすごい特売セールでもやっていたのかと値札を見たら「お米の供給が不安定になっております、次回入荷は未定です」と書いてありました。いやいや、つい数日前にトイレットペーパーがなくなるというデマを日本家庭紙工業会が否定したばっかりですよね。この時は「紙は中国製」という大ウソを転売ヤーが同時多発的にSNSで流布したことがきっかけなので理解はできます。でも、日本人のソウルフードである「コメ」は消費量が年々減っているとはいえ自給率はほぼ100%ですよ? 義務教育で習ったと思いますし、そんなにすぐ在庫がなくなるわけないはずですよね。なぜデマのニュースの記憶が新しい中で、同じようなパニック現象が起こるんでしょうか。その理由について書かれた記事を見つけました。
ふむふむ。どうやらスーパーや薬局、コストコなどの大型店舗で紙や米を買い占めに走っているのは「デマに踊らされる情報弱者」ではなく、デマであることは承知の上で買い占められるであろうことを予期して先に買いに走る「情報強者」による行動のようです。つまりTwitterとかnoteとか読んじゃってる俺らネット民が火に油を注いでいたわけですよ! 「自分だけは違う」と思って結果的に他の人たちと同じ行動をしちゃっているとはなんとも皮肉です。ちなみにこういう現象を社会心理学的には「多元的無知」と呼ぶそうです。勉強になりました。
でもね、リアルに今トイレットペーパーがなかったり米のストックが切れている人にとっては死活問題なわけです。「紙がなければ左手の指で拭えばいいでしょ」とか「コメがなければケーキを食べればいいじゃない」とかワイルドなのかセレブなのかわからない意見はこの際置いておいて、情報強者ネット民が普段目を向けなさそうなローカルな個人経営の米店に行ってみました(迷惑をかけるといけないので名前や場所は伏せておきます)。
そしたら、なんということでしょう! ある意味予想はしていましたが、パッキングされた米の袋が山積みでコシヒカリもあきたこまちもひとめぼれもより取りみどり。ここはお米のパラダイスなの(米店です)? せっかくなので、米店のご主人にお話を聞いてみました。簡単にまとめると次のような感じです。
・2019年収穫(令和元年産)は好天のため5年ぶりの豊作でむしろ供給過剰
・給食への提供が止まったので納入している米店には良質なお米がたくさんある
・温暖化で従来品種の透明度が下がるなどの影響があるが、新品種の質が上がった
・山形産の「つや姫」とかよくできているので試してほしい
う〜ん、地元で長く経営しているプロの話は面白い。ちなみに今年の給食向けに卸していたのは魚沼産のコシヒカリだったそうで、子どもたち美味しそうなもの食べてるな! 確かに個人店はスーパーなどに比べると若干高めではあるのですが、持ち帰るのであれば割引があったりして品質を考えたらそんなに悪くない選択ではないかと思いました。ということで無事、新米のコシヒカリを買えたので一件落着というお話でした。
普段はMacやiPhone、iPadといったApple専門誌の編集や執筆をしています。お米屋さんのご主人だけでなく企業や著名人へのインタビューも多数行なっておりますので、お仕事のご用命がありましたらご連絡ください。新刊の「iPad WORK 2020」(マイナビ出版)が出たのでご紹介します。