[模型]NASA装甲救助車輌M113
最近制作したプラモデルについての覚え書きです。
M113装甲兵員輸送車について
M113装甲兵員輸送車は、1960年台に米軍で採用された装甲兵員輸送車(APC)。ベトナム戦争に多くの車両が投入され、「戦場のタクシー」としての活躍が有名です。車体のアルミ合金装甲は防護力に課題を抱えつつも、そのシンプルな設計と汎用性が評価され、その後の湾岸戦争やイラク戦争でも活躍しました。また、多くの派生型が開発され、総生産数は8万輌を超えるとも言われています。
NASAで運用されたM113
一方、NASA(アメリカ航空宇宙局)では1960年台から2013年にかけてケネディ宇宙センター(KSC)で利用する緊急避難車輌として、米陸軍で退役したM113を4輌運用していた時期がありました。実際に運用していたのは宇宙センター内の消防署ということで、アメリカの消防車らしく鮮やかな黄色いカラーリングと赤い数字の対比が印象的です。
タミヤのデザートワゴンをベースに選択
この意外なカラーリングのM113を久しぶりのプラモデル制作の題材として選ぼうと思い立ち、早速ベースとなる1/35のキットを検討しました。M113と言えばタミヤが1974年に発売開始したロングセラーのキットがありますが、こちらはベトナム戦争当時の仕様を再現しているので、いくつか不都合な点もありました。
NASAのM113には車体前面にスモークディスチャージャのフレームが残るなど、M113のアップグレードモデルであるM113A2の特徴をいくつか残していたのです。そこで、イラク戦争時の仕様をモデル化したタミヤのM113A2デザートワゴンをチョイス。外観上の特徴である後部昇降ドア両脇の燃料タンクは今回利用しませんでしたが、比較的新しいキットということもありサクサク組み上げられました。
車体小改造のポイント
車体は特にストレスなく組み上げられたのですが、NASAのM113の資料写真と見比べると、細かな違いがいくつか目に留まりました。まず、M113A2には車体前面に水上浮航時の安定を図るための大型のトリムベーンがあるのですが、このパーツを使わないことで前面のヒンジや手すりなどのディティール不足が目立ってしまうのです。
そこで、自己満足ですがパーツ取り付け穴をタミヤパテで埋め、0.2mmの真鍮線で手すりを追加。ヒンジやボルト類はプラ材とWAVEの角リベットでディティールアップしました。
塗装とミッションパッチのデカール自作
塗装についても特筆することはありませんが、M113A2デザートワゴンの成形色は明るめなので、今回のように明るい車体を塗る際には楽でした。車体色はガイアノーツのメカトロウィーゴカラー WG-06レモンをベースに調色。実車の撮影時期によって褪色変化があるようなので、この辺りは好みで適当でいいと思います。
そして一番の難関は、スペースシャトルのミッションクルーが車輌に貼り付けたとされる無数のミッションパッチ。Webの情報を頼りに写真を拡大しまくって該当する各ミッションを探しました。簡単に言ってますが、この調査が一番時間がかかっています(笑)。
元のパッチが剥がれかかっていくつかわからないものがあったものの、これらの画像をAdobe Illustrator上で配置して、インクジェットプリンタ用の転写デカールシールにプリントアウトします。印刷の際にはデータを反転する必要があるので注意が必要ですね。
ひとまず完成
久しぶりの模型制作でいろいろ細かなミスもありましたが、まずは完成させることが優先。戦場ではなく宇宙センターでの利用ということなので、ウェザリング等は控えめにしました。実車も後期になるとだいぶ各所にヤレが出ているので錆色などを追加してもよさそうです。
細かいことを言い出すと反省点は多々ありますが、イメージに近いものにはなったのでいったんこれで完成とします。
最後までお読みいただきありがとうございます。ちなみに、ニーズがあるかわかりませんが、ミッションパッチのIllustratorデータが欲しい人はおりますでしょうか?ご希望があれば、いいねをポチッとしたりコメントいただけると幸いです。
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