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人前でおろおろ状態になっても瞬時に自分を取り戻す一つの方法

「スタニスラフスキー・メソッド」というのを、あなたはこれまで聞いたことがありますか?

名前からも想像がつくように、これはロシア人の方が開発された、そもそもは演劇理論です。
具体的には、ロシアの俳優であり演出家だったコンスタンチン・セルゲーエヴィチ・スタニスラフスキー(1863〜1938年)というなが〜い名前の、俳優 兼 演出家だった人が創り上げた、俳優がよりリアリスティックな演技をできるようにするための理論です。

アニメ『推しの子』を観ている方なら、その一端をご覧になっています。天才女優・黒川あかねが役作りのために、役の人物像の深掘りをしているシーンが出てきたことがありますが、あれです。
担当した役が、果たしてどういう生い立ちを持っているのか、だとしたらどういう喋り方をして、どういう言葉を使い、どういう考え方を持ち、どういう心理反応をするかといったところを具体的に詳細に推理していくのがです。

とまあ、前置きはこのくらいにしておいて、このメソッドの中に「人前での孤独」という重要技法があります。
俳優が観客を前にしている中でも、まるで1人でいるかのように振る舞うことを可能にするものです。
周囲の観客や共演者の存在を意識しつつも、自分の内面や役柄の世界へ深く没入できるようにするのです。「注意の輪」「光の輪」「スポットライトの輪」などと表現されることもあるそうです。

この「人前の孤独」、ちょっと引かれませんか?
その予感どおり、「人前の孤独」は内向型さんにとってかなり役立つ方法です。

これを習得できれば、学校や会社など人に囲まれた外の世界で緊張しておろおろしてしまっても、困難に直面してストレスにさらされても、何かの事態に感情が揺らされているときも、瞬時に心の中にスペースを取り戻し、物事に冷静に対処できる余裕をどこかに生み出す可能性をもたらしてくれるのです。

役柄に入り込む必要性があるからか、俳優さんには内向型さんがとても多いそうですが、彼らは実際、私生活においてもこの「人前の孤独」をはじめとするメソッドを活かしているそうです。

「人前の孤独」の技法は、とくに演劇学校に行かなくてもセルフで練習が可能です。わたしもこのメソッドを知ったときにトライしましたが、うまくできなくても、こういうことができるとわかっているだけで、こころの余裕につなげることができます。もちろん、その時の自分の緊張度合いとか混乱度合いにもよりますけどね。

なので興味がもし出た方は、ちょっと調べてみられてはどうでしょう?


参考までに、AIさん(今回はperplexity AI)に「人前の孤独」のセルフワークの基本的なところを出してもらいました。

「人前での孤独」の概念を日常生活に取り入れることは、内面の平静さを保ち、自己意識を高める上で非常に有効です。初心者向けに、以下のような方法で実践を始めることができます。

1. 小さな空間から始める
・カフェや公園のベンチなど、人がいる場所で静かに座ります。
・周囲の音や動きを意識しつつ、自分の呼吸に集中します。
・徐々に外部の刺激を遮断し、内面に意識を向けていきます。

2. 日常的な瞬間を活用する
・電車やバスの中で、周囲の人々を意識しながらも自分の思考に集中します。
・待ち時間(例:レジの列)を利用して、自分の内面に注意を向けます。

3. 五感を使った練習
・人がいる場所で、特定の感覚(例:香り、音)に集中します。
・その感覚に意識を向けることで、周囲の存在を薄れさせます。

4. 内心のモノローグを意識する
・人混みの中で歩きながら、自分の内なる声に耳を傾けます。
・周囲の会話や騒音を背景として、自分の思考の流れを観察します。

5. 短い瞑想の実践
・人がいる場所で、1-2分程度の短い瞑想を行います。
・目を閉じずに、特定の対象(例:窓の外の景色)に視線を固定します。

6. 「もし〜だったら」の想像力を使う
・公共の場所で、「もし私がここで一人きりだったら」と想像します。
・その状況下での自分の行動や感情を内面で探ります。

7. 日記をつける
・人前での孤独を実践した後、その経験を短く日記に記録します。
・感じたこと、気づいたことを書き留め、自己理解を深めます。

*これらの方法を日常生活に少しずつ取り入れることで、「人前での孤独」の状態を作り出す能力を徐々に高めることができます。最初は短時間から始め、慣れてきたら徐々に時間を延ばしていくことをおすすめします。
この実践を通じて、周囲の環境に左右されずに自分の内面に集中する能力が向上し、日常生活でのストレス管理や自己理解の深化につながるでしょう。

『世界で一番やさしいスタニスラフスキー・システムの教科書』(田中徹著)というのもあるみたいですよ。調べたら、著者の田中氏はなんとこのnoteでもメソッドを書いていらっしゃいました。https://note.com/stanislavsky


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