TOEFL iBT のリーディング問題① -The Origins of Cetaceans-
ほい、というわけでTOEFLの演習/解説の実況中継をしていってみたいと思います。 The Official Guide to the TOEFL Test Fourth Editionという、ちょっと古いやつから始めます。
まずはReadingを一通り。それからListening。その後はSpeakingで、最後にWritingに進んでいきたい。Listeningは自分の音声を公開するか、それともコンピュータ音声を作成して公開するか検討中。まあ、Readingが終わってから考えるとしよう。
というわけでReading Sectionの出題傾向と各設問へのアプローチ方法について。TOEFL iBTのReading Sectionは
1.パラグラフ内容の把握
2.語彙・代名詞系問題
3.言い換え問題
4.文挿入問題
5.サマリー問題
の5つに大別できる。このあたりの分類方法は人それぞれで、参考書や問題集によっても若干異なるが、大枠こんな感じだと思ってください。
1.パラグラフ内容の把握を要する設問のほとんどは、以下の読み方で対処可能。すなわち1)キーワード=タイトルの同義語・関連語を含むセンテンスを重点的に読む、2)逆接を含むセンテンスの後半または直後のセンテンスを重点的に読む、3)例示をしているセンテンスの直前のセンテンスを重点的に読む。この3つである。
2.語彙・代名詞系問題は、地道にボキャブラリーを増やしましょう。代名詞問題も、単数複数を見極めて、その前に出てくる名詞などを慎重にexamineすれば大丈夫。
3.言い換え問題は、いわゆる highlighted sentence in the passageと同義のセンテンスを選ぶ問題。これも文法と語彙がちゃんと身についていて、そこに至るまでのパラグラフをしっかりと読めていれば大丈夫。
4.文挿入問題は、TOEICのPart 6 と同じアプローチでOK。というか、TOEICがTOEFLを真似てるのかな?まあ、どっちでもええわ。基本は代名詞・指示形容詞(thisやらthatやら)を軸に考え、次にthereやthenなどの副詞から考える。それでもダメなら接続詞に注目し、最後の手段として該当センテンスを4つの■に一つひとつ当てはめて、文の流れを見る。
5.のサマリー問題は、慣れればパッセージを一切読むことなく、7~8割の率で正解センテンス3つを選び出すことが可能になる。前職の関西の某英会話スクールで数十人に指導実績あり。名付けて〇✖△(まるばつさんかく)メソッド。やり方は簡単。キーワード=タイトルの内容語の同義語や関連語を含む選択肢には〇をつける、キーワードではない固有名詞や数字(ただしサマリーの始まりとして与えられたセンテンスに数字がある場合は除く)があるものは✖をつける。各パラグラフ、パッセージ全体の内容に意味的に合致するが、サマリーに適切かどうか自信が持てないものには△をつける。これだけ。サマリー問題の選択肢はだいたい6つなので、〇がつくものが3つ、あるいは△✖✖△△✖みたいに、〇がつかなくても✖が3つだと判断できれば、残りが正解である。「ホンマかいな?」と思われるだろうが、ホンマである。
では実況中継をしてみよう。
THE ORIGINS OF CETACEANS
1. In paragraph 1, what does the author say about the presence of a blowhole in cetaceans?
タイトルの機能語はorginsとcetacenas、起源と鯨類。なのでパッセージは鯨の起源を問うものと分かる。事実、ファースト・センテンスの実質は、Cetaceans are mammals.に要約できる。なので、第1パラグラフではcetaceansおよびその同義語・関連語を含むセンテンスを重点的に読む。問われているのは、presence of a blowholeについて著者が何と言っているか。第2、第3センテンスのtheyやtheirも、cetaceansを指している。4行目のcannot disguiseが、選択肢2のcannot concealと同じなので、これが正解だと分かる。
2. Which of the following can be inferred from paragraph 1 about early sea otters?
これは第1パラグラフ4行目のHoweverという逆接がポイント。このセンテンスの後半を重点的に読むと、it is not easy to envision what the first whales looked like.とある。 一番最初の鯨の姿かたちを思い描くのは簡単ではない、ということ。early sea ottersについては、howeverで意味が逆になっていると考えれば良いので、it is easy to envision what the first sea otters looked like.であると考えられる。選択肢1の It is not difficult to imagine what they looked like. がそっくり。実際にこれが正解。
3. The word “precious” in the passage is closest in meaning to
precious = 貴重な、大切な。それに最も近い valuable が当然のように正解。
4. Pakicetus and modern cetaceans have similar
これは第3パラグラフでキーワードのcetaceanを探せば、3行目に The skull is cetacean-like がすぐに見つかる。なので正解選択肢は skull shapes。
5. The word “It” in the passage refers to
It probably bred and gave birth on land. の It が指すのは、Pakicetus, fish, life, oceanのどれかというもの。陸地で繁殖するのはPakicetusか魚か生命か海のいずれかを問う問題。代名詞問題は、普通はその直前の名詞を一つひとつ見ていくものだが、これは読み返す必要もなく答えは Pakicetus で決まり。ボーナス問題だ。
6. The word “exposed” in the passage is closest in meaning to
expose = ex + pose というラテン語の語源に分解される。外に+置く、ということ。大阪人ならエキスポシティにいったことがあるかもしれない。エキスポ=Exposition = 博覧会 = 大々的な展示である。展示=目に見えるということで、visibleが正解。まあ、普通にTOEFL対策でボキャビルしていれば、これもボーナス問題だろう。
7. The hind leg of Basilosaurus was a significant find because it showed that Basilosaurus
やや難しい設問。キーワードを含むセンテンス、例示の前を見ても、正答につながるセンテンスはない。逆接(but)の後ろに、they included, for the first time in an archaeocyte, a complete hind leg that features a foot with three tiny toes. とあり、設問の内容語である a hind leg が出てきた。さらに読み進めると、Such legs would have been far too small to have supported the 50-foot-long Basilosaurus on land. とあり、地上では歩くことは無理だったとある。ここから、正解選択肢は could not have walked on land. となる。
8. It can be inferred that Basilosaurus bred and gave birth in which of the following locations.
設問7にしっかり答えられていれば何のことはない。また、cetaceanの同義語であるwhaleを含む第4パラグラフの最後のセンテンス、Basilosaurus was undoubtedly a fully marine whale with possibly nonfunctional, or vestigial, hind legs. に注目できていれば、a fully marine whale かつ、could not have walked on land から、In a marine environmentが正解であると分かる。
9. Why does the author use the word “luckily” in mentioning that the Ambulocetus natans fossil included hind legs?
これも基本に立ち返れば簡単。このパッセージは徹頭徹尾、The Origins of Cetaceans = 鯨の起源について仔細に検討している。鯨と地上の哺乳類の違いとして、後ろ足の有無が設問7から問題になっているわけで、the evolutions of cetaceans というメイン・アイデアを含むThe legs provided important information about the evolution of cetaceans. が正解。
10. Which of the sentences below best expresses the essential information in the highlighted sentence in the passage. Incorrect choices change the meaning in important ways or leave out essential information.
ハイライトされているのは The structure of the the backbone shows, however, that Amubulocetus swam like modern whales by moving the rear portion of its body up and down, even though a fluke was missing. という箇所。howeverとeven thoughという二つの逆接の接続詞に、whalesというキーワードを含むセンテンスに注目するな、という方が無理である。それぞれ逆接の後ろだけを簡単に抽出すると、「アンビュロシータス・ナターンズは鯨のように泳いでいた」と「尾びれはなかった」ということ。この二つをしっかり表現している Although Ambulocetus natans had no fluke, its backbone structure shows that it swam like modern whales. が正解であるのは明らか。
11. The word “propulsion” in the passage is closest in meaning to
ボーナス問題。接頭辞のproが前であることは、TOEFLを受けるのならば絶対に知っておきたい。正解はmoving forward。これを取りこぼすようでは、TOEFL受験資格はない。
12. Look at the four squares [■] that indicate where the following sentence can be added to the passage.
This is a question that has puzzled scientists for ages.
Where would the sentence best fit?
いい加減なブログ記事では「文挿入問題は場数を踏むしかない」と解説していたり、いい加減な参考書では「文の流れが最もよくなるものを選ぶ」という、解説になっているようでいて全く解説になっていない解説を載せていたりする。定石通り、代名詞を軸に考えよう。パッと見でThisが目に入る。代名詞は9割がた、その前に出てきたものを指す。このThisが何を指すのか。その前に挿入対象の文自体にも目を通そう。This is a questionとある。つまり、This = question である。したがって、この文の挿入箇所の前にquestionがあればよいのだ。ということで探してみると How was the gap between a walking mammal and swimming whale bridged? と疑問文がある。つまり、この後の■が文挿入位置として正解であることが分かる。
13. Directions: An introductory sentence for a brief summary of the passage is provided below. Complete the summary by selecting the THREE answer choices that express the most important ideas in the passage. Some answer choices do not belong in the summary because they express ideas that are not presented in the passage or are minor ideas in the
passage. This question is worth 2 points.
This passage discusses fossils that help to explain the likely origins of cetaceans—whales, porpoises, and dolphins.
これに続くセンテンス3つを選択肢から選んで、サマリーを完成させる問題。慣れれば超簡単、パッセージを読まずタイトルだけ読んでも、そこそこの率で正解を導き出せる。〇✖△メソッドを実況する。
1. Recent discoveries of fossils have helped to show the link between land mammals and cetaceans.
cetaceansというキーワードがあるので〇とする。
2. The discovery of Ambulocetus natans provided evidence for a whale that lived both on land and at sea.
Ambulocetus natansは固有名詞だが、実質的には鯨(の祖先)なのでキーワードと同等に扱ってよいだろう。whaleというキーワードがあるので、これも〇とする。
3. The skeleton of Basilosaurus was found in what had been the Tethys Sea, an area rich in fossil evidence.
Basilosaurusも固有名詞だが、実質的には鯨(の祖先)なのでキーワードと同等に扱う。問題はthe Tethys Seaで、これは本筋(鯨の祖先)と関係ない固有名詞。したがって✖とする。
4. Pakicetus is the oldest fossil whale yet to be found.
Basilosaurusも固有名詞だが、実質的には鯨(の祖先)なのでキーワードと同等に扱う。whaleもあるので、〇とする。
5. Fossils thought to be transitional forms between walking mammals and swimming whales were found.
swimming whalesというキーワードがあるので、〇で良いだろう。
6. Ambulocetus’s hind legs were used for propulsion in the water.
キーワードと同等のAmbulocetusが含まれているが、propulsionはoriginとは関係ない。ということで、△よりの✖。
1、2、4、5が〇となったが、一つ多い。なのでもう少し詳細に検討する。パッセージはThe Origins of Cetaceansであって、鯨の起源を複数で求めている。これがもしもThe First Origin of Cetaceansならば〇だろうが、そうではない。なので4. Pakicetus is the oldest fossil whale yet to be found. を除外して、1、2、5を選ぶ。実際にこれらが正解である。ちょっと慣れれば、サマリー問題は1分で二点稼げる重要な得点源になる。100点以上を目指す人はもう少し慎重に取り組むべきだが、目標スコアが60~80点という人は参考にしてみてほしい。
次はDESERT FORMATIONを実況予定。乞うご期待。
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