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【ユーザー体験談】家事としての料理と趣味としての料理のバランスをとる。家庭の「肉野菜炒め」にコーチをつけると・・・。
料理というものを色々な立場から考えてみると時には趣味になり、時には家事としてのタスクになり、時には仕事になります。
momentファシリテーターをしていると、さまざまな学び手(ユーザー)さんに出会います。普段、他人の家の料理環境を見る機会も、料理の傾向を聞くこともないので、さまざまな立場・環境における料理の話を聞くことのできるファシリテーターという役回りは新鮮で多くの気づきがあります。
私にとって料理は「趣味」の領域で、好きな時に作りたいもの・食べたいものを気ままに作るだけ。だから料理を苦だと思ったことはまだありません。
一方で、世の中には主婦という職業が存在しており、彼女たちの日々の家事の量は膨大です。どんなに料理が好きでも、忙しい日々の中で1日3食必ず作るとなると「やらなければいけない」タスクと感じてしまう人も多いのではないでしょうか。
3人のお子さんを持つ*実月*さんは、「やっぱりおうちで食べるごはんが最高」と家族に言ってもらえることをモットーに料理をしています。
彼女は、「手を抜きつつ手を抜かない」という絶妙なバランス感覚を持ち合わせ、趣味であり家事である毎日の料理を楽しんでいる、そんな印象の学び手でした。
*実月*さんがmomentで最初に挑戦した課題料理は、『肉野菜炒め』。「大量調理をしながら家族それぞれの好みに合わせて、料理の味付けを決めるのが難しい」という主婦としてのリアルな悩みをありのままに語ってくれました。
片栗粉の性質を知り食材の水分をコントロール!
*実月*さん:「2人分までの料理は美味しくできるのですが、5人分の量だとなかなか味を決めるのも難しいんですよね。家計の節約もしたいので、質の良い肉ではなく、スーパーの安い豚肉や鶏むね肉でも世の中のお店の料理より美味しく作れるようになりたいです。」
*実月*さん:「いつも青梗菜や青菜、キャベツなど、冷蔵庫にある葉物野菜を入れますが、生っぽかったり、炒めすぎたり、食べ始めは美味しくても、だんだん水分が出てきてしまったり、上手な火加減の見極めがわかりません。夫に「これなら俺のほうが…」 と言われるのが悔しくて、どうしてもこれだけは克服したいです!」
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同期的にやりとりができないオンラインコーチングで、課題を明確に言語化してコーチに伝えるのは、意外と難しいことです。*実月*さんは、ご自身が感じている課題の言語化がとても上手な学び手でした。
担当コーチである安藤コーチも*実月*さんの生活が細部までイメージでき、会ったことはないのに彼女が料理で何をどこまで求めているかを理解できたからこそ、家庭状況に応じたコーチングを行うことができました。
安藤コーチ:「正直ですね、作る量を減らせばもっと簡単に肉野菜炒めは作れます。でもね、わかります。*実月*さんはたくさん家事をこなしているので、それではきっと意味がないんですよね。大量調理をしながら、食材の水分をコントロールして、口の中でジュワッと食材の水分が踊り出すような肉野菜炒めを目指していきましょう。」
安藤コーチ:「まずなぜトロッとなってしまったか、理想の仕上がりにならなかったか、という問いを解くためには、片栗粉の特性を知ることから始めていきましょう。まず片栗粉というのは、水分を吸いやすいので、食材の外側の水分を吸ってカリッと仕上げていくことができます。
しかし今回は片栗粉をつけた肉と野菜を一緒に炒めたことで、片栗粉が野菜の中の水分までも吸ってしまい、水分を吸いきれず外に溶け出してしまったんです。だから、今回はあんかけみたいになってしまいました。なので、まず片栗粉をまぶした肉と野菜は別で炒め、最後に合わせるようにするとよいですね。」
momentでは、同じ料理を3回作ります。その間で、コーチからアドバイスをもらったり、コーチに質問をしながら、自分の料理工程の何が良くて何がダメだったのか、仕上がりにどう繋がっているのかを考えます。
*実月さん*:「2回目を作りました!かなりよい仕上がりでした!今は肉にのみ下味をつけていますが、味付けのポイントはありますか?野菜をいためてお肉を戻した後、全部まとめて味付するか、それとも野菜それぞれに塩などをかけた方がいいのでしょうか。我が家はみんなちょっと甘めが好みなので、味醂の甘みを足した方がいいのかな、と思ったりしています。」
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安藤コーチ:「肉に下味をつけるのはナイスです! 他の調味料に関してですが、今回は「食材から水分が出ていない状態でそれぞれがハリっとジューシーに仕上がっている状態」を目指しているので、極力食材が水浸しになる事をさける必要がありますね。
これだけたくさんの野菜を炒めるので、上手に炒める事が出来れば塩だけで充分野菜の甘みを引き出す事が出来ます。 なのでそこに味醂の甘みを足す必要はありません。
また、料理において醤油は味付けではなく「香り付け」だと意識しましょう。最後に少しの量を香ばしくジュッと焦がして野菜に絡めるという考え方が出来れば、液体調味料自体を減らせます。
そして最初から塩を入れると食材から水分が出てしまうので、最後の味付けの際にサッと塩をして吸わせるように焼きましょう。
目標をしっかりと持ってそこに合わせた手順を考えられるようになると、これからやる工程の整理が頭の中で出来るようになると、安藤コーチは*実月*さんに丁寧に伝えます。
*実月*さん:「3回目、作ってみました!野菜もシャキシャキしていて普段野菜を食べない息子も好きだと言って食べてくれました。でも少し味が物足りない気がしたので、次回はオイスターソースも使いたいです。 お肉の方は、かりっとした食感を出すためにできる工夫はあるのでしょうか。片栗粉、小麦粉の使い分けはあるのでしょうか?」
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安藤コーチ:「片栗粉は成分にデンプン質が多いので、カリッと焼きながらも中の調味料や肉汁をしっかりと閉じ込めてジューシーに仕上げたい時に使います。 小麦粉の成分には、片栗粉より多くタンパク質が含まれているので、より外側をカリサクッと焼けます。しかし、味や水分を中に保つ事は苦手です。
なので、肉を調味料に漬け込んでジューシーな味わいにしたい場合は片栗粉、塩胡椒で味付けをして、肉本来の味わいをダイレクトに感じて、カリサクッとした食感に仕上げたい場合は小麦粉、みたいな感じで仕上がりを考えて使えるようになると良いと思います。」
momentでは、選んだ課題料理から、一つの課題テーマを設定して、そのテーマを深ぼっていきます。この「1つのテーマに絞る」をかなり重要視してデザインしています。というのも、今回コーチと共に身につけたスキルを一生モノにしてほしいからです。一時的なインプットではなく、10年後、20年後もずっと覚えていてほしいのです。質問をたくさんして、たくさんの知識が得られても、忘れてしまっては意味がないですよね。受験期に頑張って1日10個覚えた英単語も10年経った今はもう1/10程度しか思い出せないのと同じです。(実体験検証済み。)
今回*実月*さんは肉野菜炒めを通して「食材の水分のコントロール」ができるようになりました。これは、肉野菜炒めだけでなく、料理全般に活かせるスキルです。
*実月*さん:「今回片栗粉を学んで、肉野菜炒め以外の料理でも、小麦粉と片栗粉の使い方、粉類は水分を含むという点に注意して調理するようになりました。鶏むね肉を柔らかくソテーしたい、と思って、塩コショウと小麦粉をつけて蓋をして両面焼いていたのですが、どうしてもパリッとせず悩んでいました。 今なら原因がわかります。粉×蓋は水分を含んでムチムチになるのですから。 」
*実月*さんより体験談・コメント
コーチが、私の家や家事の状況を考えてくれているということを、動画やチャットの会話から感じています。肉野菜炒めも、もっと量を減らしてフライパンにおさまるように炒めれば美味しくできることは知っています。でも、私は家族の料理も作るからフライパンの容量を超えそうなくらいの大量調理をしないといけません。こうした私の家庭の状況をちゃんと踏まえてアドバイスをくださいました。そういう提案があるから、普通の料理教室では味わえない料理教室の体験ができていると思います。料理教室でも確かに料理上手になります。火加減、味付けのタイミング、塩加減など、料理の基礎を一通り体系的に勉強できるので良いのですが、料理教室は、大人2人暮らしなどの家庭でしか使えない料理なんですよね。
またmomentは、自宅のキッチンで、自分で買ってきたものをベースに学べます。いつもスーパーで買っている100g98円の安い豚肩ロース肉で美味しくできる力を身につけられなければ、意味がないんです。
食材、家族の人数、家事・育児、仕事など、生活の中でいろんな条件があっての料理だから、こうしたパーソナルな体験は実践的で、すぐに役に立ちました。
*実月*さんのキッチン:https://cookpad.com/kitchen/458162
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教えてくれたコーチ:安藤曜磁(Ristorante QUINDI元料理長)
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