どんな風に雨に消えない『白線』のnoteを書く――
先日、自分のブログで学園アイドルマスターの『白線』の歌詞の解釈の考察ブログを書いたんですが、せっかく書いたのでもう少し読まれてほしいと思ってこちらにも転載します。もとの記事はこちらです。内容は全く同じなのでこちらだけ読んでいただければ大丈夫です。
はじめに
学マス、面白いですね~~~~。
自分も毎日ログインする程度にはプレイしています。(という書き出しで始めようと思っているうちに時間が経ち、全員親愛度10になってしまった)
自分としてはミリオンに軸足を置いているので「ちょっと触ってみようかな」程度に考えていたんですが、もはや片方の軸足が学マスに取られてしまっているような感じです。こんなにガッツリやるつもりじゃなかったのに……嬉しい誤算でした。
「学マスを今後もずっと追い続けるぞ」という覚悟ができていないのでまだ担当アイドルとは言えませんが、現在プロデュースできる10名の中では葛城リーリヤが気になっています。
リリース前の各アイドルの紹介配信のリーリヤ回はたまたま見ていて、紹介PVに出てくる「私に才能なんてない。でも、それは前提だから。諦める理由にはならない」というセリフがかなり刺さった記憶があります。実際にプロデュースしてみてからもその気持ちは変わらず、やはり担当するならこの子だろうなーと思っています。
リーリヤに割り当てられたソロ曲『白線』も初視聴時から気に入っており、やはり歌詞を読み解きたくなってしまったので自分の解釈をまとめました。長い期間聴いて考え続けているうちに自分なりの解釈がまとまってきたので割と気に入っています。
なお、この記事はリーリヤの親愛度コミュ10話までのネタバレを含んでいます。まだ10話まで見られていない方はご注意ください。
全体の構成
歌詞: https://s.awa.fm/track/c545b96d788e9416d265
まず歌詞をざっくり読んで全体の構成を確認します。白線に限らずですが、歌詞は大きなブロックごと(1番、2番など)に場面や状況が変わっている場合が多いです。
白線の歌詞を最初からざっと読むと、ざっくり3つぐらいの時系列に分かれていそうなので、以下の画像につけた枠の通りにアタリをつけて読むことにします。説明の便宜的に大過去・過去・現在と分けましたが、この部分の説明はおもしろくないので省きます。
また、MVにも出てきますがタイトルの白線はもちろん飛行機雲がモチーフになっています。
以上を踏まえて歌詞を1番から読んでいきます。
1番(大過去)
冒頭の1行について。ここではまだリーリヤの物語は始まっていないので、単純に飛行機の描く雲を表しているのかなと考えています。なので、この部分は枠で囲みませんでした。
リーリヤは親友である清夏と初星学園のライブを観たことをきっかけにアイドルを目指すようになります。しかし紹介PVでも述べている通り、リーリヤは自分には才能がないと考えています。
そういった経緯を踏まえると、「アイドルへのあこがれを持ったけど自分には才能がないことはわかっているので、期待をしないようにした」という意味だと思います。「淡い月」はおそらく 手を伸ばしても届かないもの=アイドル ということですかね。
「かすれたエコー」については現状謎なので一旦放置しますが、何かが聞こえていることだけは覚えておきます。
「でも答えはもう」以降では自分の中にアイドルへの強い情熱がすでにあり、熱を増して強くなっていることを指しています。メイビー(maybe=たぶん)からマスビー(must be=~に違いない)になっていることからも、気持ちが強くなっていることが読み取れますね。
これからアイドルとして羽ばたいてみたい、という意思を宣言している箇所です。
「今日に未来色の軌道描いて 地平の先まで」は飛行機雲の比喩で、リーリヤを飛行機に見立てて、未来色の軌道=飛行機雲=リーリヤの(今後の)軌跡、アイドルとしての目標=地平の先といった対応でしょうか。
「届かない歌はない 迷いはいらない!」とかなり強い意思が読み取れますね。この時点では「届かない歌はない」と自分に言い聞かせているような願望のようなものだと思います。
この部分のアイが片仮名になっているのはいくつかの意味が重なっているからだと思います。アイドルへの揺るがない「愛」であったり、どんな状況でもアイドルを目指すという「I(自己)」であったり、絶対にこんな風になるんだという「アイ」ドル像であったりを踏まえた部分かなと思います。
「でも声はもう気づいてる」の部分に関しては、一旦飛ばします。
1番の内容をまとめると、「アイドルという夢に出会ったが、自分に才能はないしなれっこないと思いながらもアイドルへの気持ちが強くなっていき、不安と期待を抱えたままアイドルになる決心をする」というような内容になります。
2番(過去)~落ちサビ
途切れ途切れの「一縷」でも 紡いでたら「一途」に変わったよ というフレーズが印象的で大好きです。
精神的な面で自分の才能の低さに絶望したこともあったかもしれない。スウェーデン出身なので難しい日本語は苦手だったかもしれない。アイドルになるために海外に行くと親を説得するのに苦労したかもしれない。初星学園に入学するまでにはきっと他にもたくさんの困難があって、たくさん迷うこともあったかもしれませんが、必死につないでここまで来たわけです。
そういう色々な葛藤を経て1番サビの「迷いはいらない!」という気持ちになった、ということを表現している部分だと思います。素敵すぎる。
「あたりさわりない言葉じゃ 覆いきれないほどのマイワールド」の部分は……すみません、ここだけは最後までわかりませんでした。なんとなくはわかるような気もするけど言語化できないので、いつか解釈ができれば更新しておきます。
ここも一旦飛ばします。
ここは初星学園に入ってレッスンしているのを指している部分だと思います。
掴んだもの=初星学園の入学(アイドルとしての能力も含む)、落としたもの=アイドルにならなかった場合の人生(娯楽とかも含む)という感じかな。他にも色々当てはまると思います。
思えばリーリヤはコミュの中でオーバーワークでフラフラになることもありましたが、その度に立ち上がって実力をつけていきました。そうして得たものがアイドルとして見る景色を変えていくわけです。(ゲーム内での最終成績で発表の場が変わるシステムを意識してそうな歌詞ですね)
アイドルとして踏み出したばかりのリーリヤが、トップアイドルを目指す意思を強く固めるという部分かと思います。私の中ではTrueエンド(初公演成功)とか親愛度10ぐらいの頃だと思っています。
ところどころ飛ばしまくっていますが、2番の内容をまとめると「迷いながら何度も立ち上がって掴み取ったものが景色を変える(努力が実る)ことを知り、トップアイドルを目指す意思を固める」といった内容だと思います。
ラスサビ(過去)~ラスト
1番では「羽ばたいてみたい」となっていた箇所が「羽ばたいていたい」と現在形になっています。この時点ですでにアイドルとして羽ばたいているんですね。
1番サビとよく似た構成になっています。1番では地平をアイドルとしての目標という意味に捉えたので、この地平もおそらく同義でしょう。トップアイドル的な意味でしょうか。
彼方色は造語だと思いますが、「彼方色で繋ぐリープ」に対応しているのは「未来色の軌道描いて」であることから考えると、彼方色=未来色と考えてもよさそうです。彼方というのは「向こうの方」という意味なので意味合い的にも合います。
リープは跳躍という意味なので、それを踏まえてこの行の内容をまとめると「未来まで跳躍をずっと繋げる(アイドルとして頑張り続ける)ので待ってて」ということかなと思います。
誰に対しての待っててなのかはわかりませんが、自分の中では「将来トップアイドルになったリーリヤ」自身への呼びかけなのかなと思っています。(トップアイドルになった清夏、という説も考えられるけど、自分の中では未来の自分への呼びかけ説が好きです)
「もう願いに嘘はない ここが好き!」について、願いとはなんだったのか。
振り返ってみると1番の同じ箇所のフレーズが「届かない歌はない 迷いはいらない!」という願望でした。ネタバレになりますが、10話のコミュを経て「届かない歌はない」ということが実感できたのだと思います。
これを受けて、昔は迷いながらアイドルを目指していたリーリヤが、いま立っているこの場所(ステージ、アイドルという立場)が好きとまでと断言できるようになったのでしょう。
「アイ」については1番で述べた通りですが、括弧付きの「愛しているよ!!」は漢字で表記されています。他の部分で片仮名アイが存在することによって、この「愛しているよ!!」は他の意味には解釈させないという作詞者の強い意思を感じますね…
「愛しているよ!!」というのは直前で似た意味合いの「ここが好き!」というフレーズが出ているので、これと同じ意味と考えるのが自然かなと思います。必死に努力をして掴みとったこの場所が大好きだ、という意味だと思います。
1番のサビとほぼ同じ内容ですが「君」という対象が出てきます。この対象の「君」とは誰なのかも気になりますが、今はまだイマイチわかりません。
ここで一旦飛ばした箇所を含めてよくわからない部分をまとめると、以下の通りです。
1番 かすれたエコー
1番 でも声はもう気づいてる
2番 明日で呼ぶ声の持ち主は~~
ラスサビ 愛しているよ は誰に向けて?
最後の「君」は誰なのか?
これらの部分について再度考えていきます。
かすれたエコーとはなんだったのか?
1番の「かすれたエコー」とはいったい何だったのでしょうか?すぐ後ろに「でも答えはもうはじめからちゃんと持っていたんだよ」と続いています。
逆説の接続詞が入っているため、かすれたエコーは何らかの「答え」であると考えるのが自然そうです。なんらかの答えが聞こえてきたけれど答えは自分の中にすでに持っていた、という流れです。
ここで2番に目を向けると、「明日で呼ぶ声の持ち主は 他でもないこの心だった」とあります。他でもないこの心=リーリヤ自身の心と考えられるため、明日で呼ぶ声の持ち主はリーリヤであるということがわかります。つまり、未来のリーリヤから過去のリーリヤに何かを呼びかけていることになります。(すみません、上で分けたブロックのせいでわかりにくくなってしまったのですが、ここの過去と未来は相対的な意味です)
ではいったい何を呼びかけているのか?このあとの歌詞は
と続きます。
「言葉」だと足りないとはどういうことか。わざわざカギカッコをつけているということは、ここは直前の言葉とは違う意味合いなのではないかと思います。おそらく文字通り言葉をただ話すだけでは込めたい気持ちに足りないということでしょう。
アイドルにとって想いを伝える手段は気持ちを口で伝えるだけではありません。「歌」という手段で想いを伝えることができます。つまり、「言葉」だと足りないけれど、「歌」でなら十分に想いを伝えられる、ということを表現しているのではないでしょうか。
ラスサビでのリーリヤは、アイドルとしてすでに羽ばたいていました。そして、マイクを通して「ここが好き!」「愛しているよ!!」と歌っています。この歌声が過去のリーリヤに向けて届けられたのではないでしょうか。
通常の話し言葉ならエコーはかかりません。しかし、マイクを持って発した歌声なら「かすれたエコー」がかかりうるはずです。
この説でいけば、1番の「でも答えはもうはじめからちゃんと持っていたんだよ」の部分も読み解けそうです。かすれたエコーで未来のリーリヤからアイドルになって良かったという想いが届く。でも、そんなものがなくても「アイドルになる」という答えは初めからちゃんと持っていた、という意味合いでしょう。
1番サビの「でも声はもう気づいてる もっと高く高く高く飛んでいける!」における声の持ち主は未来のリーリヤです。「この足でどこにいけるかなんてわかってないけどわかっている」と迷っていた過去リーリヤに対して、もっと高く飛んでいけると伝えているのかなと思います。
最後の最後のサビでも同じ表現が出てきますが、「君」はもう気づいてるという表現になっています。ラストのサビは未来のリーリヤから過去のリーリヤに向けて送った想いと考えられるので、この「君」の正体はまだアイドルとして踏み出す前の迷っていたリーリヤを指しているのだと思います。
これらの解釈をまとめるとこんなイメージになります。これが、私の白線に対する解釈です。
最後に
今回自分なりに解釈をしてみて、もともと好きだった白線に対する解像度が上がり、さらに好きになることができました。この解釈が合っているのかはわからないんですが、ナユタン星人さんは本当に良い曲をリーリヤに作ってくれたなあと感謝の気持ちでいっぱいです。
リーリヤは7月24日に誕生日を迎えるので、もうすぐ新曲が与えられますね。次の曲も白線に負けないぐらい素晴らしい曲になるといいなあと期待しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?