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横浜DeNAベイスターズ〜輝け若星たちよ〜小園編

ベイスターズ期待の若手達にフォーカスするコラム「輝け若星たちよ」第一回目は、ベイスターズファン期待の次期エース候補小園健太を特集する。

1.小園健太の現在地
2021年、ドラフト1位で阪神との競合の結果ベイスターズに入団した小園は1年目、球団の方針もあり2軍で身体作りの1年を費やした。
周りからは高卒1年目と言えど、投げないなんてどうなるか?1軍で1試合くらい投げて欲しかった。など厳しい意見も拝見した。一応、首脳陣も最終盤に1軍でマウンドに立たせると言う考えもあったらしいが本人がコロナにかかるなどもあって登板は無くなった。
結果的には1年目の小園は2軍で1イニングを投げただけに終わる。

そして迎えた2年目、春のキャンプやオープン戦での小園を見た野球解説者の谷繁氏からは「成長が見られない」と厳しい声もあった。

オープン戦は巨人戦に登板して5回無失点と好投するなどして4試合に登板し、防御率2.45の成績を残したが開幕してからは2軍でチーム最多の16試合に先発して2勝5敗、防御率4.21の成績であった。

2.小園が直面した課題と困難
今年、2軍で小園が投げたイニングは83回1/3。
それに対し、40奪三振。39与四球と制球に苦しんだ。
高校時代、制球に苦しむタイプでは無かったため本人も上手くいかないマウンドの連続だったのではないか?

制球力だけではなく、小園は2軍打者に対して中々三振を取るのも苦しんだ。
いわゆるウイニングショットが無いため追い込んでから苦しむシーンも見られた。
フォームも固まっておらず、毎回の様に変えて試してみるなど、2年目といえど周りからは多少厳しい声も聞こえるようになった。

3.小園に見えた光、そして待望の大エースへ
そして多くの課題がある中で迎えたフェニックスリーグ。
10/26韓国選抜戦でプロ入り初の完投勝利を記録する。
チーム的にレベルが低いとは言えど、2軍相手に苦しんでいた小園にとってようやく結果として出た試合だったため、私を含めベイスターズファンを多いに喜ばせ来季に期待を持たせた投球だった。
課題の制球も無四球で奪った三振も7つ。

韓国戦だけではなく他の登板でも短いイニングとはいえ、好投しており期待値はさらに大きくなった。

フォームも固まりつつあり、カットボール中心だったのもカーブをおり混ぜ決め球にフォークを投げるようになり安定してきた印象だ。

元々、投げているボールは一級品であり1年目に夏前くらいまではブルペンにも入らなかったため投げる事を忘れてしまった印象だった。
プロの投手も怪我などで暫く投げないでいると投げ方がおかしくなり忘れたようになると聞いた事がある。
おそらく小園もそれに近しい事があったのではないかと思っている。
ましてや高卒1年目〜2年目は身体も大きくなったり筋肉量も増えるためバランスも全て変わる。
その部分が要因になっていたのはあったのではないか?

そして秋季トレーニングでBPに登板した小園は驚きの数値を見せる。
最速こそ146キロだったが、回転数の最高は2400台を計測しホップ成分は最高60センチを超えたとなっている。
2023年のMLBの投手の平均回転数が約2250となっており、佐々木朗希は2500が平均値となっているため小園も最高値ではあるが高い数値を記録したのは間違いない。
ちなみに余談ではあるが、バウアーはレッズ時代に記録した最高回転数は2776となっている。
なんにせよ、フォーム修正がうまくいっている証拠だ。

そして今オフ小園が「2023アジアウインターベースボールリーグ」に参加する事が発表された。
過去には巨人の岡本やヤクルト村上、阪神の青柳、ベイスターズでは佐野も参加し飛躍に繋がった大会であるため、小園もそこをきっかけに大きく飛躍する事が楽しみである。

周りや一部のファンからは期待ハズレのような言い方を多少されてきたが、高卒2年目であり今年が実質1年目みたいなものであるのでまだまだ評価するのは早い。
現状、今永とバウアーの去就が不明で退団の可能性が高いのが現実だ。
来年はまだバリバリの活躍は難しいかも知れないが、1軍で投げる日は近いはず。

私はベイスターズには長年、"大エース"という存在がいないと思っている。
エースは三浦であったり、今永など居たのは確かだ。
だが私の考える"大エース"とまではいっていないのである。
三浦や今永は素晴らしい投手だし紛れもなく横浜のエースだ。
しかし勝ってほしい時に高い確率で勝ち切れたり、負けないエースではなかったのだ。

平成以降では松坂、ダルビッシュ、短命ではあったが斉藤和巳、田中将大、菅野、千賀、山本由伸などこの辺りが大エースと言えるだろう。
この大エースが居たチームは優勝し皆んな個人タイトルを総ナメしている。
このような存在がベイスターズにも欲しい。
その存在に小園がなってほしいのだ。 
小園が大エースとなった時、ベイスターズは黄金時代を迎える。私はそう思っている。

以前、仁志前2軍監督は小園に対して「色んな部分でまだ子供。考えも意識も大人にならなければいけない」と言っていたのを思い出す。
心身共に成長し小園健太の未来が明るい事を願っているし、そして何よりベイスターズの未来を握っている小園健太に期待したい。




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