横浜DeNAベイスターズ〜謝るな。行ってこい今永、そしてお別れ〜
すっかり朝晩、冬の寒さになり始めた横浜に惜別の秋が到来した。
今永がかねてより噂されていたポスティングを利用したMLB挑戦を正式に表明して球団からも了承された。
1.ベイスターズでの今永の思い出、そして思い
私個人の思いにはなるが、暫し述べさせていただきたい。
まず遡る事、2015年のドラフト会議。
私は当時を思い出すと兼ねてより噂があり、候補になっていた今永か地元神奈川、東海大相模の小笠原を指名して欲しいと考えていた。
そしてベイスターズは今永を指名したのである。
ベイスターズは三浦の次のエースとなる存在に未だ当時は苦しんでいた。
しかも当時の先発には山口俊、久保、三浦、三嶋、高崎、モスコーソ、井納と左に不足しており今永は待望の左のエース候補だった。
そして知っての通り今永は横浜のエースの称号を手に入れ、今に至る。
私が今永の登板で非常に鮮明に覚えてるのがCSファイナルの広島戦(負ければ敗退)での登板である。
初回から際どいボールをことごとくボール判定され、甘く入ったボールを広島打線に掴まり大量失点したのである。
結果的には横浜もなんとか全員野球で粘ったが敗戦してCS敗退。
試合後、ベンチ裏で涙する今永をロペスが慰めていたシーンをよく覚えている。
それから翌年の最初の広島戦。今永は同じマツダスタジアムで140球を超える球数を投げ見事完封したのである。
その試合は私は2年目ではあるがこの投手こそ、横浜のエースになれる存在だと確信した。
2.会見で異例の謝罪
今永はMLB挑戦表明の会見で「優勝できなかったというところをもの凄く申し訳ない気持ちでいっぱい」と謝罪した。
今まで多くのFA表明やポスティング表明会見で優勝出来なくて申し訳ないと謝罪をしたのは今永1人ではないだろうか?
そこに今永の実直な性格が現れているが、何よりエースとしての申し訳なさを私は感じた。
確かに、ポスティングでMLB挑戦したエース達は松坂、ダルビッシュ、田中、大谷、菊池、山本由伸などは優勝や日本一をチームにもたらしてチームを去った場合が多い。
だがそこはチームの責任なわけで今永1人の責任ではない。
謝る必要はないのだ。でも心なしか幾分か救われた気持ちにもなった。
あの謝罪はある意味、横浜のエースとしての最後の仕事だったのかもしれない。
私はそう思う。
3.周囲からの雑音を結果で黙らせろ
正直、抜群の成績を残しての挑戦ではないし、8年間で獲得した投手タイトルも今年の奪三振王一回のみである。
3年連続で結果を出したシーズンもないし、スタミナはあるが身体が頑丈なタイプとも違う。
そのため周囲から雑音が出るのは仕方ない部分もある。
今永自身もそこは理解しているらしい。
だからこそ、MLBで結果を出し示してほしい。
今永の指標は素晴らしいし、良い時のストレートはMLBでも通用するはずだ。
MLBはNPBと違いタフさも求められるし、純粋にレベルがむちゃくちゃ高い。
当時NPB最強左腕と言われていた菊池雄星が苦しむレベルだ。
だが横浜のエースとしてMLBでも結果を出して欲しい。そう願っている。