図解レシピが本になります!|書籍化までの道のり
2年前、自称「料理ができない男性」を集めて始まった料理教室で偶然に生まれた「図解レシピ」ですが、この度、なんと飛鳥新社さんから書籍化されることが決定しました!
現在、着々と編集作業が進んでおり、6月下旬、もしくは7月上旬の発売になりそうです。これを機に、長らく更新が止っていた(スミマセン)「料理男子のための図解レシピ by cookpad」のnoteも再稼働し、制作過程をお知らせしていけたらと思っています。
第1回目は、図解レシピがどんな経緯で出版されたのかをご紹介します。
「図解レシピ」は、クックパッドの「毎日の料理を楽しみにする」というミッションのもと、同社の小竹貴子が中心になって立ち上げた「料理男子プロジェクト」が誕生のきっかけです。料理初心者や料理が苦手の男性向けに始めた料理教室で、参考のためにホワイトボードに書いた手順のフローチャートが「こう書いてもらえるとわかりやすい!」と図らずも好評をいただいたのでした。
2020年3月に図解レシピのnoteを開設(上のリンクは1記事目です)、以来、料理教室の様子や図解レシピの使い方などをお伝えしてきました。
ファーストコンタクト|2020年12月10日
note株式会社のディレクターである志村優衣さんから、料理男子プロジェクトチームのinfoメールに書籍化に関する問合せのメールが届いたのは、昨年12月のことでした。
志村さんは、noteで話題のクリエイターを定期的に出版社などのパートナー企業に紹介して書籍化等をサポートする「クリエイター支援プログラム」の担当でもあります。
「公開されているnoteの数は多くはなかったですが、『料理が苦手な男子向け』というコンセプトと、『図解でレシピを紹介する』というコンテンツがすでにできあがっていると感じました。また、この企画が刺さる読者もたくさんいるだろうと思えたので、『これはすぐに本にできそう!』と考え、出版社にご紹介させていただきました」(note・志村さん)
志村さんは、69あるnoteのメディアパートナーに、メールで図解レシピをご紹介くださったそうです。そのなかで、真っ先に連絡をくださったのが飛鳥新社さんでした。
とはいえ、「書籍化出来るかも!」と期待をしつつも、「まだ興味を持ってくださった段階で、本になるのは、なかなか難しいだろうなぁ」と半信半疑のまま、まずは顔合わせの場を設けることになります。
顔合わせだけかと思いきや、まさかの即決!|2021年1月8日
新年が明けてすぐ、note・志村さんの手配で飛鳥新社の副編集長内田威さんと、料理男子プロジェクトチームからは、プロジェクトの発起人である小竹貴子と、図解レシピ担当の藤田愛、プロジェクトマネージャーの日下部純一の3名が参加し、顔合わせの場がオンラインで実現しました。
お互いのミッション、パッションを共有するうちに「これなら企画は通せると思うからGOで!」と、飛鳥新社・内田さんがまさかの出版決定、即決です!
実際、初回の打ち合わせで書籍化が決定することはそんなに多くはないそうで、note・志村さんも「珍しいことなので、単純にうれしかったです」という驚きの展開です。
私たちも図解レシピのnoteは、「書籍化できたらいいなぁ」と考え、本になってもいいように進めてはいたのですが、こんなにも突然、降ってわいたような書籍化の申し出にチームは困惑気味です。どうなる?! 図解レシピ!
企画構成案とスケジュールが出て現実味を帯びた書籍化|2021年2月4日
初回の顔合わせから1カ月後、ふたたび同じメンバーがそろっての企画会議です。今回から、図解レシピの現場で編集を担当してくださるフリー編集者の加藤洋子さんも参加してくださいます。
この会議までに図解レシピチームからは、ストックしていた図解レシピのリストや、私たちからの構成案(図解レシピを3つほどにジャンル分けするなど)などのざっくりとした資料を飛鳥新社・内田さんにお渡ししていました。
この日、飛鳥新社・内田さんがまとめてくださった企画構成案には、私たちの要望をうまくくみ取ってもらいながらも「図解レシピ」の誕生ストーリーや、料理を作る前の基本準備、より料理を作ることが楽しくなるようなコラムなどが加えられていました。そうです、もう1冊の本の流れが出来あがっていたのです。
さすが、レシピ本を何冊も出版されている編集者、内田さん、加藤さんのプロの仕事!この企画構成案を見て、半信半疑だった私たち図解レシピチームも「本当に書籍化されるんだ」と実感し、改めて気持ちが引き締まる思いだったのを今でも覚えています。
さらに、発売に向けてのスケジュールも出来あがっていました。
発売は6月か……。
え、発売は6月?? 6月ってあと4カ月しかないじゃないですか。今までの料理教室でブラッシュアップした図解レシピはプロトタイプも含め50レシピはありましたが、それでも4カ月となると一気にソワソワ、焦燥感で不安になります。
だって、掲載レシピの選定や撮影に関する場所やスタッフの段取りなど、決めなければならないことは山積されているではないですか。「本当にできるのか」という言葉が頭をよぎるなか、いよいよ本格的に書籍制作が始まるのでした(次回へ続く)。
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実は、初回の飛鳥新社さんとの顔合わせから、2回目の企画会議までの間に、他の出版社にも図解レシピの書籍化に興味をもっていただき、お話を聞かせていただきました。しかし、すでに飛鳥新社さんとのプロジェクトが動き始めていたこともあって、残念ながらお断りしています。
申し訳ない気持ちの一方で、図解レシピがこれほど興味を持っていただけているということはとてもうれしくて、ちょっとだけ図解レシピの書籍化を待ってくださる方がいるのかもしれない、という自信にもなりました。
そして、何より「noteを地道に書いていると本当に本になるんだ」ということを実感したことで、noteが掲げるミッション「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。」のために、志村さんをはじめnoteのみなさんが、本当に努力をされているのだということも知ることができました。
このご縁を大切に、良い本になるように努力していくとともに、「本をつくる過程」も公開していきながら、発売日を迎えられればと思っています!