「今夜は僕が作るよ」と言える男性を増やしたい。

再びの緊急事態宣言のため、在宅勤務をされている方も多いと思います。また、飲食店の時短営業もあり、自宅で食事をする頻度も高くなっている方も多いと思います。

自宅で料理する（料理をしなくてはいけない）機会が増え、料理が苦痛、料理がつらいという声を耳にしますが、それはコロナが終息したら解決される問題なのでしょうか。

これはコロナ禍だからというよりは、コロナ以前から発生していた問題で、コロナの影響でより浮き彫りになった問題というのが正しいでしょう。日本社会が抱える問題がパンデミックにより顕著になったわけです。

料理が苦痛になる理由

クックパッド社が掲げている企業理念「毎日の料理が楽しみになる」は、毎日料理をする人が増えることだけが目標ではありません。それが楽しみになることが重要だと考えています。毎日のように料理する人が、必ずしも楽しみになっていない例は多いですよね。それは「料理をしなくてはいけない」という規範から生まれた義務感が邪魔をしているのではないでしょうか。同じ行為でも「やりたくてやる」のと「やらなければいけないからやる」のでは大違いだと思います。クックパッドが増やしたいのは前者なのです。

そして、「料理をしなくてはいけない」強迫観念の根底には、「家で料理をするのは女性の役割」という規範があるのではないでしょうか。この規範をなくせば、（家で料理する人が減るかもしれませんが）、毎日の料理が苦痛になる人は減るはずです。

なぜ料理ができる男性を増やすプロジェクトなのか

世界の多くの先進国で女性の社会進出が進み、日本の共働き世帯は約6割を占める今、夫婦間での家事の分担が積極的に行われています。しかし、料理だけは女性がやるべき家事として取り残されています。

家庭での料理は誰がやってもいいはず。朝ご飯担当は夫婦で日替わりとか、夜ご飯は仕事から早く帰ってきた方が担当とか、週末の買い出しは二人でとか・・。こんな社会になれば、女性はもっと家事を楽しめるだろうし、結婚して仕事と家事の両立に悩まなくて済む。仕事を男性と同じようにできる環境が整うでしょう。

そして、男性が料理をできるようになれば、「家で料理は誰がやってもいい」形が出来上がります。家族の誰もが、食べる人であり、つくる人。つくる人になれば料理をする人の気持ちが理解できる。つくる人同士なら、料理について共通の会話が広がる。つくる人は食べることをさらに楽しむことができる。お互いにつくる人のカップルは、二人で楽しむことが増え、コミュニケーションの幅も広がり、お互いの関係を深めることができます。

男性が料理を覚えることで、働く女性を楽にすることができる。家庭内のコミュニケーションと関係を深めることができる。そして、男性がより食べることが好きになり、食に対してより感度の高い家庭が生まれる。
この食への意識を高めることが、ひいては健康問題やフードロスなどの食料問題、さらには環境問題やエネルギー問題への関心を持つ人が増えると考えているのです。（男性が料理をしている国の方が、国民の幸福度が高いという研究結果も出ているようです。これはまた後日ご紹介します。）

ということを、「男性も料理すべき」と発信するのではなく、「料理ができる男性を増やす」ためのアクションをしているのがこの料理男子プロジェクトなのです。料理ができる男性を増やして、「毎日の料理が楽しみになる」人の分母を増やしたいと考えています。

料理ができる男性を増やすために生まれた「図解レシピ」

これまで料理男子プロジェクトでは、料理ができない男性に調査をしたり、ワークショップを開催したり、様々なトライをしてきました。その中で、このnoteで発信しているのが図解レシピです。

図解レシピとは、料理のプロセスの各ステップをわかりやすくして、調理全体をフローチャート化した新しいレシピの形です。（現在、特許申請中です。）

料理初心者が陥る「レシピを読んでもよくわからない」、「マルチタスクができない」、「同時に複数のレシピを作ることができない」などの課題に応えるべく、調理全体の工程が一目でわかりやすく、複数レシピも同時に調理できるような形になっています。

男性が仕事で見慣れている工程表や構成図の要素を取り入れ、男性が理解しやすく馴染みやすい、興味を持ちやすい形を目指しています。

いくつかの改善とデザインリニューアルを経て、最新版の図解レシピが完成しました。

これまでこの図解レシピを試してくれた料理初心者男子たちは、「図解レシピのおかげで料理のハードルが下がった」「料理全体のフローが可視化できることで、不安がなくなった」「料理は全て５つのステップだと理解ができたので、自分でも調理工程を整理しやすくなった」と、皆さん自信をつけて料理初心者を卒業していきました。

図解レシピを口実に、料理にチャレンジして欲しい

今、料理ができないことで家庭での戦力になれず肩身が狭くなっている男性がいたら、ぜひこの図解レシピを使って料理にチャレンジしてみてください。どこから学んでいいのか分からないとか、今更挑戦して奥さんに何て言われるか分からないという人がいたら、この図解レシピを試して欲しいと友人に頼まれたなど理由をつけて、この図解レシピを口実に、トライしてみてください。

そして奥さん。料理に挑戦しようとしている旦那さんがいたら、暖かく見守ってあげてください。男性がせっかく料理に挑戦しても、「あなたが料理するとキッチンが散らかる」「あなたが料理すると食材費が高くつく」など奥さんに怒られて、やる気がなくなったというのはよく聞く話です。そんな旦那さんには、そっとこの図解レシピを渡してみてあげてください。「男性向けに作られているから分かりやすそうだよ？」と。

料理ができるようになりたい男性に、この図解レシピが少しでも役に立つことを願っています！

図解レシピ集の無料ダウンロードはこちら

これまで紹介してきた図解レシピはこちらから無料でダウンロードすることができます。

▼図解レシピSTEP１　ダウンロードはこちら
・チャーハン
・ナポリタン
・親子丼
・青椒肉絲

▼図解レシピSTEP２　ダウンロードはこちら
・しょうが焼き、味噌汁
・まいたけの炊き込みごはん、白味噌と豆乳のスープ
・白菜とミルフィーユお花鍋、人参シリシリ
・焼きそばとオイスターソース炒め、わかめナムルともやしナムル
・肉じゃが、いんげんの胡麻和え
・ぶりの照り焼き、ひじきとキュウリとささみのサラダ

▼図解レシピ　モテる男になるワークショップスペシャル版
ダウンロードはこちら
・豚丼＆きゅうりとわかめとツナのサラダ
・カルボナーラ＆紫キャベツとにんじんのコールスロー
・バターチキンカレー＆じゃがいものクミン炒め

図解レシピを使ってみたという方、ぜひ #図解レシピチャレンジ で投稿お待ちしています。もしくは、「cookpad.cookboy@gmail.com」までご感想をいただけたら嬉しいです。