父の訃報がありまして、しばらく実家にいました。私の担当分は終わったので、東京に戻ってきています。

父は業界の有名人で、知らない方はいません。仕事人間で、何でも完璧な人間だと思っている方もいるようですが、長年付き合っている人はそうではないことを知っているハズです。
仕事以外は何もできません。目玉焼きのような簡単な加熱調理もできません。炊飯器も暖房のスイッチも入れられません。テレビのリモコンぐらいは使えるかもしれません。
私から見た父は呆れるほどバカで無知で無神経で、話す価値を見出すことができません。私が死ぬか、私が父を殺すかというところまで追い込まれ、私が第三の選択肢を見出したので、現在の私があります。
あとから聞いた話では、第三の選択肢に母の多大なアシストはあったようです。母なりに私の異常状態を感じ取っていたようです。殺すほどだとは思ってなかったでしょうけど…。
亡くなった今も、私の人生に必要な人間だったとは全く思えませんし、全く悲しくもなく、一滴の涙も出ません。キライではなく、(私の人生に)要らない。私から見た父はそんな感じです。

葬儀でみた風景についてお話しましょう。
まず、社員とか関係者はみんな泣きます。男も女も泣きます。
「もう怒られることがなくなった。」
と泣きます。
友人も泣きます。
仕事関係者も泣く人もいます。
心あって泣いているように見えます。
でも、価値観が違いすぎて『スゲー』という感想しかもちませんでした。

(亡くなる前から)人生に関わらなくなってくれてありがとう。安らかに眠ってください。

公開日 2021-12-05