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空を飛べたペンギン【蓮ノ空感想文】
みなさんこんにちは。
蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんのこにーと申します。
遂に明日、「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ 2nd Live Tour 〜Blooming with ○○○〜」が開催されますね。
おそらく去年の11月から今現在までの物語をテーマにしたライブになると思います。
11月といえばなんでしょうか?
そう、Fes×LIVEで「ツバサ・ラ・リベルテ」が初披露された月です。
つまり、2ndライブ、しかも序盤で披露される可能性が非常に高いということです。
11月で綴理は大きな成長を遂げました。
「ツバサ・ラ・リベルテ」が2ndライブで披露される前に11月度Fes×LIVEまでの綴理の成長の軌跡を語りたいと思いました。
なので、この記事では11月度Fes×LIVEまでの「夕霧綴理の軌跡」を私の考察を交えながら語っていきます。
こういう記事を執筆するのは初めてなので、至らない点も多くあると思いますが、なにとぞよろしくお願いします。
ペンギン
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みなさんは蓮ノ空女学院スクールアイドルたちのアイコンを知っているだろうか。
綴理のアイコンはペンギンである。
ではなぜペンギンなのだろうか。
綴理はペンギンが好きで、よく似ていると言っている。
実際に綴理とペンギンは似ている部分が多いと私は考える。
ペンギンは鳥類だが、空を飛ぶことができない。
代わりに海を泳ぐことができる。
空をスクールアイドルの領域としよう。
そんな空に憧れたペンギン、しかし空を飛ぶことができないペンギン。
深い深い海の底は真っ暗で孤独な空間。
上手く泳いでも水面に近づくことさえできない。
綴理が表現する「溺れそうだ。」はどれだけ一人で上手に踊ってもスクールアイドルにはなれないという意味が込められているのだと考える。
102期
今から103期の春になるまで綴理がどんな人物であり、どんな成長をしていたのかを語っていく。
綴理が「スクールアイドル」という存在に出会ったのは2023年の2月頃。
「スクールアイドル」に憧れた綴理は今からでも入学でき「スクールアイドル」になることができる学校を探し、蓮ノ空女学院に入学した。
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直前の二月ぐらいにスクールアイドルという存在を知った綴理は、今から入れて、スクールアイドルとして活動できる学校ならどこでもいい、だなんて……
そんな勢いで飛び込んできた子なんだから。
2023年4月1日より晴れて蓮ノ空女学院102期生の生徒になった綴理は一つ上の先輩、大賀美沙知からスカウトを受けスクールアイドルクラブへ入部した。
しかし、自分のことをスクールアイドルはおろか、スクールアイドル見習いにすらなれていないと思っていた綴理は沙知にスクールアイドルになる方法を聞く。
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(綴理) ねぇ、さち。
(沙知) ん、どうしたんだい。
(綴理) 言われた通り、スクールアイドルクラブに入ったよ。
あとはどうやったら、ボクはスクールアイドルになれるの?
(沙知) んーんーんー。
スクールアイドルっていうのは、自分がスクールアイドルだと思えれば、みんなスクールアイドルなんだけども……。
(綴理) ?
(沙知) そもそもキミ有名人だろ?
外部のダンスクラブ含め、引く手あまただろうに、どうしてスクールアイドルクラブを選んでくれたんだい?
(綴理) みんなでやりたいし。
(沙知) みんなで……。
なるほど。……孤高の存在として持ち上げられていた裏側……なんて、仰々しいことを言うつもりはないけども……。
(綴理) ?
(沙知) キミはもう、いつでもスクールアイドルで良いんだぜ?
(綴理) んー……だとボク、たぶん今「ス」だから。
(沙知) スクールアイドルの「ス」ってこと!?
み、道は険しいねぇ!?
(綴理) スクールアイドル見習いの「ス」だよ。
(沙知) 道は果てしないねえ……。
でも、そうだねい。こういうのは、ぱっと出来るものでもないか。
あるいは……ひとつひとつ、積み重ねていく他ないのかも……。
(綴理) さち?
(沙知) 安心したまえ、綴理。
キミはこの3年の間に、必ずスクールアイドルになれる。
(綴理) ほんと?
(沙知) ああ。まず、その一歩目は……。
あたしとーーDOLLCHESTRAをやろう。
天才が故に孤高の存在で表現してきた綴理。
不完全でもみんなと共に表現することが綴理のスクールアイドルだと知った沙知はある提案をする。
「あたしとーーDOLLCHESTRAをやろう。」
こうして沙知と二人のユニットDOLLCHESTRAを組み、スクールアイドルになる為の第一歩を踏み出した綴理であった。
時は進み103期の春、6人分の自己紹介動画がYouTubeに投稿された。
ボクは夕霧綴理。
スクールアイドルクラブに入ってる、スクールアイドル見習いだよ。
いつかみんなと一緒に、凄いことができる、スクールアイドルになりたいと思ってるんだ。
2月10日にYouTubeに投稿された動画だか、6人分揃っているので、時系列は103期の4月頃と捉えていいだろう。
ということは、スクールアイドルクラブに入部した頃はスクールアイドル見習いの「ス」だったのが、沙知とDOLLCHESTRAとして活動し、一年経ちスクールアイドル見習いへ成長できたということだろう。
以上が103期になるまでの綴理の成長である。
103期4月
AWOKE
4月といえば2023年4月16日にスクコネ内の「103期新入生入部記念ライブ」にてAWOKEがFes×LIVEで初披露された。
また、2023年3月29日に発売の「蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ デビューミニアルバム」に収録されたDOLLCHESTRAのユニット曲であり、2023年2月18日YouTubeにリリックビデオが投稿された。
リリックビデオには鳥篭が何度も描かれている。
この鳥籠は綴理の心であり、外の世界は自由に広がり、何にでもなることができ、スクールアイドルにもなれる。
だが、天才孤独の綴理は臆病で一人で外に出ることが出来ない。
誰かと共にスクールアイドルにスクールアイドルにならないと前へ進めないのだ。
そこに現れたのが村野さやか。
さやかは綴理の隣に立ち、一緒に鳥籠の中に入り、二人で扉を開け、DOLLCHESTRAになりたいという意味がこのリリックビデオに込められていると考える。
Not a marionette…「気付いてよ…」
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「Not a marionnette…」を直訳すれば「私は人形ではない」となる。
綴理は表現力の天才であり、その魅力で多くの人を魅了して賞賛されてきた。
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ボクは、スクールアイドルが好きだ。
初めて見た時、本に感動したんだ。
ずっと一人でステージに立っていたボクとは違う。
ボク自身もよく分かってないところでめられて、すごいって言われてただけのボクとは違う。
スクールアイドルは、一人じゃない。
完璧じゃないかもしれないけど、みんなでがんばって。
ステージに立ってみんなでやると、地球上のどんなものより、きれいに見えるんだ。
ボクの、一番好きで、……一番届かない芸術。
しかし、綴理にとってその賞賛は自分でもよく分かっていなくてただ一人で踊って表現するだけでいい、まるで「鳥籠の中の人形」のようだった。
一人で完璧に表現できてしまう綴理は天才故にどこか近寄りがたい遠い存在になっていたの
だ。
天才で孤独な綴理が憧れたスクールアイドルは「不完全でも熱を持ったみんなで作る芸術」決して孤独な人形なんかじゃない。
『Not a marionnette…気付いてよ…』
『もう孤独の人形は嫌だ。みんなと一緒にスクールアイドルになりたい。誰か見つけて、ボクはここにいるよ。気付いてよ。』
と声が届かない深い海の底で叫んでいるようだ。
Sparkly Spot
そんな深い深い海に沈んだ綴理を見つけ手を差し伸べ、隣に立つことを約束したのは村野さやかである。
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違うというならこの場に出てきて!!
ここで!!わたしと!!ライブをして!!
スクールアイドルの大会に、わたしとあなたで出してください!!
ーー夕霧綴理!!
さやかのわがままを聴いた綴理はさやかの手を掴み、二人で鳥籠を、鎖を壊し、DOLLCHESTRAになった。
綴理が初めてスクールアイドルになった瞬間である。
103期10月
10月といえば「竜胆祭」と「ラブライブ!北陸地方大会」が開催された月だ。
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ラブライブ!地方予選に向けて気合を入れるスクールアイドルクラブだが、部長の梢が体調を崩してしまい、代わりにさやかが部長代理の臨時リーダーをすることに。
ステージ利用許可をもらいに103期生は生徒会長、大賀美沙知のところへ提出書類を出しに訪れるが、許可は降りず3つの試練を与えられた。
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綴理は去年沙知がスクールアイドルクラブを突然辞め、自分たちをおいてけぼりにしたと思っていた。
そんな沙知が103期生に課題を出していることに不安があるようだ。
なぜラブライブ!に出るのか。
花帆と瑠璃乃は自分なりの答えを見つけたが、さやかだけ見つけられず、沙知から第三の試練を言い渡される。
なんのためにスクールアイドルをやるのか。
誰のためでもない、自分のため。
さやか自身悩んでたどり着いた答えとはー
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「みんなの期待に応えたい。」
そして2023年10月30日、10月度Fes×LIVE竜胆祭でさやかはソロ曲「Runway」を披露した。
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「Runway」
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今その眼差しが勇気をくれるの
だから返すよ 今日よりも眩しくなって
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私は、声援をいただくことが好きです。
私は、期待されることが好きです。
いただく想いに全部全部、必ず応えてみせるぞって何よりも強い気持ちがたくさん湧いてきます。
それがきっと、私がスクールアイドルをやる理由。
ステージに立てる理由です。
だからみなさん、村野さやかにたくさん、期待してください。
そして、その気持ちに応えさせてください。
そんなさやかのきらめきを見た綴理はこう語る。
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(綴理) さやはすくすく育つね。もう遠くて見えなくなりそうだ。
(さやか) 私は、あなたの背中を追いかけてる最中ですよ。
(綴理) そっか、じゃあ頑張るよ。
(さやか) はい、一緒に。
綴理はさやかの成長を見届けて遥か遠くの存在になって隣にいなくなってしまうのではないかと不安になる様子が伺える。
KNOT
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「KNOT」
第2部ではラブライブ!北陸地方大会に向けてのライブだ。
3ユニットそれぞれで出場し、スリーズブーケは「千変万華」、DOLLCHESTRAは「KNOT」、みらくらぱーく!は「ノンフィクションヒーローショー」を披露した。
衣装も「水彩世界」、「AWOKE」、「ド!ド!ド!」で出場し、それぞれのアンサーソングになっているので歌詞や振り付けに注目しながら見て欲しい。
「KNOT」は綴理がラブライブ!で勝つために作曲した曲で、ベースがとてもかっこいい、DOLLCHESTRAの曲の中でも上位に熱く強い曲だ。
行こう行こうココロ解き放って
鎖千切ったあの日から
未来自分自身で変えるって
強くなれた気がする
ここの「鎖」はAWOKEの歌詞にある「鎖」と同じ意味を持っており、さやかと出会ったあの日から弱く臆病な自分を変えようとしているのだ。
描いた未来幻想なんかじゃないと
この手が教えてくれた
ひとつひとつ確かめてゆく
僕と君の結び目を
Fes×LIVEで何度も隣にいることを確認し、手を差し伸べたり、アイコンタクトをとる振り付けが多い。
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「AWOKE」
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「スケイプゴート」
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「Tragic Drops」
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「Sparkly Spot」
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「Mirage Voyage」
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「Take It Over」
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「ツキマカセ」
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「KNOT」
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「青とシャボン」
綴理は毎回隣にさやかがいることを確認することで、自分は一人じゃない、スクールアイドルだと認識し、全力でパフォーマンスできているのだと私は考える。
綴理とさやかは隣に立ち、お互いの足りないところを補って、前へ進んでいる。
103期11月
竜胆祭でソロ曲を披露したことで成長したさやか。
そんなさやかに置いていかれると思った綴理はオープンキャンパス実行委員に立候補する。
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(綴理) さや6人は良い。でもボク0人はダメ……。
(さやか) 綴理せんぱーい?置いていっちゃいますよ?
(綴理) 置いて、いかれる……!?そ、それはだめ!
(さやか) わあっ。な、なんですかもう。行きましょう?
(綴理)う、うん。
置いていかれるのは、だめだ。こうなったら、ボクも何かーー!
(綴理) やります。
ボクが、オープンキャンパスの実行委員、やります。
しかし、オープンキャンパスは生徒会長主催の行事だ。
生徒会長である沙知と共にオープンキャンパスを成功させなければならない。
綴理は沙知のことを突然スクールアイドルクラブを辞めて置いていった人と思っており、嫌いと言う。
だが、さやかに追いつく為に一人で何かを成し遂げることと沙知は関係ないからこのまま続ける決断をした。
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(梢) この企画、生徒会主導なのよ。
学校説明会をオープンキャンパスにしたのは、沙知先輩。
(綴理) そっか。
(慈) 竜胆祭のとき、綴理ってば沙知先輩のやったことに……その。
微妙な顔というか。こう、ピキっとしてたじゃん?
だから、沙知先輩の下で頑張ることになるのは、不本意かなーみたいな。
(綴理) ……ありがと、めぐ。こず。
ボクは……嫌い、なんだと思う。
生徒会長……ボクを置いていった人のことは。
……でも、それとボクのやりたいことに変わりはないから。
オープンキャンパスでスクールアイドルクラブも参加することに。
綴理が9割考えた案、ツアーガイドをすることとなる。
そしてオープンキャンパス当日になった。
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!じゃあ……スクールアイドル、やるぞー。
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ようこそ、蓮ノ空女学院へ!!
雨が止む瞬間
天気も晴れで順調に進んでいると思われたオープンキャンパス。
しかし、次第に天気が悪くなり、スクールアイドルクラブが野外ライブをする頃に雨が降ってしまったのだ。
ここで活動記録は沙知と蓮ノ大三角の回想に入る。
沙知が好きなもの…それは…
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(沙知) せっかくだし、キミたちにもあたしの好きなものをシェアしようじゃないか。
……ほら、もうすぐだ。
(綴理) わ……。
(沙知) あたしはさ。この、雨が止む瞬間が一番好きなんだよねぃ。
雨が止む瞬間
みなさんはこの配信を覚えているだろうか。
私は沙知が教えてくれた「雨が止む瞬間」という言葉を聴いた瞬間、この配信を思い出して活動記録を一時停止してしまった。
活動記録を観ていてこんなに衝撃を受けたことはなかった。
この配信で花帆と綴理はこんなことを話していた。
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(花帆) 綴理センパイの、一番好きな天気ってなんですか?
(綴理) うーん。あ、雨の止む瞬間、かな?
(花帆) 雨の止む瞬間。
(綴理) 昔ね、好きな人が…?
雨の止む瞬間が好きって人がいて教えてもらったんだ。
(花帆) へー!いいですねー!
(綴理) で、ボクも好きになった。
そう、綴理が話している「雨の止む瞬間が好きって人」というのは沙知のことだったのだ。
何気ない配信、何気ない会話の中にこんな伏線が隠されていたということに驚きを隠せなかった。
約半年ぶりの伏線回収である。
綴理は沙知のことが嫌いと言っていたが、それは沙知が理由も言わず、突然目の前からいなくなったことに怒っていた感情だった。
心の底では沙知のことが好きということである。
信じる心
突然雨が降り、参加していた中学生たちを体育館に避難させたスクールアイドルクラブ。
このまま中止かと思われたが実行委員の綴理が合流してライブを決行できるとみんなに伝える。
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予定通りライブを成功させる手立てがない中、梢と花帆、慈と瑠璃乃たちはアイデアを考えながら行動することに。
そして二人きりになり、さやかは綴理に沙知が綴理のことを探していたことを伝えると、「生徒会長のところには行かない」と綴理は言う。
ライブ決行させる判断の話を生徒会長としていなかったのである。
ライブを無理にでも決行させ、頑なに生徒会長と壁を作る綴理にさやかは一緒に話に行こうと提案をする。
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(綴理) 生徒会長は、いつも正しい。
だから行ったら、ボクは何も言えないんだ。
中止、って、たった一言言われたら、ボクはおしまい。
分かったって、言うしかない。
ーーいつか、辞める、って言われた時みたいに。
(さやか) !
……どうして、何も言えなかったんですか?
(綴理) だって……きっと正しいのは、生徒会長の方だから。
怪我したばっかりのめぐを、置いていっても。
そのせいでこずまで、おかしくなっても。
いきなり、ボクの前からっ……居なくなっても……。
それでも、おかしいのはボクの方なんだ……。
だってこずも、めぐも、生徒会長と話せてて……。
さやもっ……!
さやだって……色々されても、感謝してた……。
(さやか) そう、ですね。
(綴理) ボクがおかしいんだ。
分かってる。分かってるけど……。
ボクは、ボクがおかしいんだって、
ボク自身に言い聞かせるのが、痛いよ……。
スクールアイドルクラブに入部した時、「あたしとーーDOLLCHESTRAをやろう。」と隣に立っていてくれた沙知。
突然目の前からいなくなり、ショックを受け沙知の気持ちもわからなくなっていた綴理。
自分だけ理解できなくて、一人だけ違う自分を綴理はずっと責め続けていた。
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(さやか) ねえ、綴理先輩。
……後輩に、そこまで無体になれるものですか?
わたしは、きっと裏では沙知先輩もすごく悩んだんだと思います。
(綴理) ……どうして、そう言い切れるの?
(さやか) そうですねぇ。
わたしがどんなに綴理先輩に突然距離を置かれたって、きっと何か事情があるんだろうなって、信じられるからでしょうか。
(綴理) !
(沙知) 夕霧綴理ー……待ってるよ。
相手を信じることー
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さやかに本音を自分自身の想いをまっすぐ伝え、綴理は沙知がいる生徒会室へと向かう。
アンブレラスカイ
生徒会室で待っていた沙知はオープンキャンパスを中止する決断を綴理に伝える。
そして綴理は今まで聞けなかった想いを沙知に伝える。
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(綴理) ……ライブができるなら、やりたいと思ってくれてる?
(沙知) なっ……。
(綴理) ボクたちのこと、どうでもいいって思ってない?
正しければなんだって良いわけじゃ、ない?
ボクたちを置いていった時、あっさりじゃなかった?
(沙知) そっ、そんなの。
……バカだな、あたしは。
そんな、機械みたいに思われていたのか。
そのことに気付きもせずに……あたしは嫌われて当然、って、蓋をして……。
あたしはライブができるなら、やりたい。
正しいことを、しなきゃいけないからやってた。
スクールアイドルクラブのことは大好きだ。
……辞める時、部室で泣いた。一年生には内緒だぞ。
(綴理) ……あ。
(沙知)今日だって、できることなら、みんなに最高の1日を届けたい。
キミたちに……最高の1日を作ってほしい。
キミたちの全てがうまく行ってほしいと、いつも思ってるよ。
(綴理)……そっか。
綴理と沙知はお互い気持ちを伝えることができた。
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(綴理) ……ねえ、さち。
ボクは、このまま終わらせたくないよ。
(沙知) その気持ちは、わかるけど。
(綴理) 今はもっと強く思う。みんなに伝えたい。
雨は、止むものなんだって。……違うな。
ーー止むまで待たない。
ボクたちの気持ちで、どうにでもなるんだって。
沙知を連れて部室に向かう綴理。
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アンブレラスカイ
中止の原因になる雨がライブの演出に変化した。
止むまで待たない。雨を味方にできたのだ。
そして沙知はある曲を綴理たちに渡す。
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(沙知) それから、もしよかったらなんだけど。
……これ、持って行って。
随分前に作ったんだけど、
結局渡せなかった、キミたちのために作った曲。
あたしが好きな……雨が止むやつだ。
(綴理) ……あのとき歌ってた、曲。
ありがとう、さち。
沙知が綴理たちにのために作った曲、それはーー
「ツバサ・ラ・リベルテ」
スクールアイドルとは
ライブも無事に成功し、最後までオープンキャンパスをやり遂げたスクールアイドルクラブ。
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綴理もオープンキャンパス実行委員を一人でやり遂げ成長してさやかの隣に追いついた。
その前に綴理は沙知にスクールアイドルに戻らないのかと質問をしていた。
「あたしはーースクールアイドルだよ。」
スクールアイドルは一人じゃできない。
一人の力ではライブは成功しない。
ステージ立ってみんなを笑顔にする人、ステージを作ってくれる人、照明や音響演出を作る人、ステージを見にきてくれる人。
一人一人の想いの熱が合わさって、協力して一つのライブが完成する。
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スクールアイドルは
不完全でも熱を持ったみんなで作る芸術
である。
ツバサ・ラ・リベルテ
「ツバサ・ラ・リベルテ」が披露された11月度Fes×LIVEは金沢城公園特設会場で行われた。
沙知が102期生の三人の為に作った曲であるからか、103期生より102期生の歌唱パートが多い。
そして綴理のセンター曲である。
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金沢城
「ツバサ・ラ・リベルテ」が披露される頃、雨が降ってきた。
この時丁度金沢にも雨が降り、曲が終わると止んでいたとか。
(さやか) 水鏡が消してゆく
(瑠璃乃) 世界別ける境界線
(花帆) まるで僕らをまっさらにして
(梢) どこまでだって
(慈) 飛べる気がする
(綴理) 大丈夫。(君となら)きっと!
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(君となら)ではみんなで顔を合わせている
そして全員で歌い継いで手を差し伸べる先にいるのはー
さあ羽ばたくよ空が呼んでいる
色とりどり夢を乗せた
ツバサが導くままに
やっと見つけたよ空は気分屋だけど
もう迷わない高く高く舞い上がれ
Hello, brand new world
ツバサは綴理だけのものではない。
沙知、梢、慈、花帆、さやか、瑠璃乃、応援してくれるみんながいてくれたから、飛べた。
綴理という孤独なペンギンが鳥籠の中から大空へ飛んで自由に、夢のスクールアイドルへと羽ばたいていったのだ。
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終わりに
私は夕霧綴理が好きだ。
臆病で寂しがりやでマイペースでお世話が必要だが、誰よりもみんなのこと、仲間が大好きで思いやりのある子だと感じる。
憧れの女性だ。
104期になり、スクールアイドルクラブも9人に増え、DOLLCHESTRAも徒町小鈴という新たなメンバーが加わった。
これから彼女たちはどんな風に変わり、どんな色に移り変わっていくのか楽しみである。
綴理が卒業するまで残り1年、彼女の成長、物語を最後まで見届け、私はこれからも応援していく。