「自分のことが少しずつわかってきました」 ~Мさん 非公開インタビューより
―――去年からパートを始められたそうですね。
はい。実は10年くらい前、夫に「自分も仕事が忙しいから、二人ともいっぱいいっぱいだと困る。家のことはしっかりやってくれ」みたいに言われたことがあって。そのころ私も子どもの幼稚園の係などで忙しくしていたので‥‥。
―――えーっ。
「そう言われたら確かにそうだなあ」と思ってしまって、それからは「あんまり忙しくなっちゃダメなんだ」「仕事もしちゃダメなんだ」という気持ちがどこかにあったかもしれない。
振り返れば、当時の夫は仕事で立場が変わって、すごく大変だったんですよね。
そういう前提があって、またそのときの話の流れでなにげなく言ったことで、たぶん彼は覚えてないの。私だけがずっと引きずってたんですね。
自分で自分をその言葉で縛ってたのがちょっと悔しいというか、今思うと柔軟に考えられなかったんだなと。
―――ああ~。そういうことありますよね。
今回、「子どもたちも大きくなったし、私もやっと仕事に行けると思う」と言ったら、夫もすんなり「よかったね。自分も家のことやるよ」って。
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―――お誕生日を前に、インタビューを申し込んでくださいました。
まだ自分自身ゆらゆら揺れていて、いつか落ち着いたときにお願いしたいなーと思っていたけど、まとまらないままでも良いのかなぁとも思って、誕生日をきっかけに自分を振り返ってみようかなという気になりました。
―――すごくうれしいです。人生ってなかなかまとまらないものなので(笑)、何か節目を作って振り返るのはとっても良いな~と思います。
一年半くらい前から、不登校の子の親のための講座で勉強するようになって。
最近やっと、自分のことが少しずつわかってきた気がします。〇〇年もかかってるけど(笑)
―――全然遅くないと思います。子育ての最中はやっぱり子どもにフォーカスしてるから。自分を後回しにしているうちに、気づいたら何年も経っていて‥‥。
あっというまですよね。
―――どんな「自分」がわかってきたんですか?
もしかしたらがんばりすぎていたのかもしれない。家事も育児も、子ども関係の係もやって、笑顔で‥‥「そうじゃなきゃいけない」と思っていたけど、「できない」と言ってもいいんだな、って。
―――手放せるようになった?
たとえば「私が一番に起きなくてもいい」と思えるようになりました。子どもたちも大きくなったし、「ちょっと、今日のお昼はそれぞれセルフにしない?」みたいな。今は、休みの日に夫がごはんを作ってくれることもあります。
―――やってみたら意外に大丈夫だったんですね。
講座で「お母さんが自分を大事にすることが一番大事」といわれたけれど、自分を大事にするってどういうことなのかわからなかったんです。別に大事にしていないわけじゃないと思ってたし‥‥。
―――何も、自分を粗雑に扱ってるわけじゃないよ、と。
はい。「自分に時間とお金を使いましょう」という話を聞いて、「そういうことか!」と初めてわかったというか。
確かに、自分のためには使ってこなかった、時間もお金も。
―――誰かに止められているわけじゃなくても、どこかでブレーキがかかっていたんでしょうね。
この1年くらいは、ひとりでカフェやランチも楽しんでおります(笑)。インタビューをお願いしたのも、そんな流れがあったからですね。
(おわり)
Mさん、一部公開にOKくださりありがとうございました!
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