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死生観の考察[LIVE 2025/hyde BIRTHDAY CELEBRATION]

正直舐めてました。

バースデーライブと聞くと、アイドルがやりそうな誕生日イベントみたいなイメージが頭の片隅にあったので、なんとなく今までよりも軽い気持ちで臨んでいた。。

が、振り返り見るとなんと味わい深いライブであったことか、、、少し反省してます。
1日目は東京ドーム、2日目はライブビューイングにて。

あくまで個人的感想ですが、実はこのLIVEは誕生祭と称して[生と死]を裏テーマにした壮大なエンターテイメントだったのでした。
誕生=[生]、と[死]は表裏一体であり、生があるから死があり、死があるから生がある、そのようなことを感じさせてくれるLIVEでした。

(以下MCの内容はニュアンスです)

[人生いつ終わりを迎えるか分かりません]

[やりたいことがあればすぐ行動して、会いたい人がいるならすぐ会いに行ってください]

[人生はいつか必ず終わりがやってくるけど、終わりがあるから頑張ることができる、そんなことを思って書いた曲(ALONE EN LA VIDA)]

[僕にとってはあなたたち一人ひとりが誕生日プレゼントです]

全体の流れとして[終わり]を感じさせる曲が続き、要所要所に人生の愉しみ[宴]が散りばめられ、その間に叶わない[恋]があったりする。
しかし、最期にはかけがえのない[あなた]に逢えた[喜び]があり、死へと向かう人生の救いが示されている。

特に印象深かったのが

[あと どれくらいだろう そばにいてくれるのは そう想いながら時を刻んでいたよ(the Fourth Avenue Café)]

[真実と幻想と この目に映るすべてを 血が枯れ果てるまで 歌おう(真実と幻想と)]

[もう行くこともない あの風景 道先に明日がどれくらいあるだろうか この命はまだ旅の途中 And so I go(ALONE EN LA VIDA)]

[たとえこの身体がいくら燃え尽きてもいいさ 君に捧ぐなら(Link)]

今回のLIVEは以下、(あなた)の冒頭の歌詞にすべて繋がってると言っても過言ではないと思う。

[眠れなくて 窓の月を見上げた 思えばあの日から 空へ続く階段を一つずつ歩いてきたんだね(あなた)]

個人的に、病床の祖母が亡くなる少し前に、泣きながら聴いたこともあって、[死]というものを、その人の人生の終着点という、ある意味前向きに捉えられた楽曲でもあります。

DRINK IT DOWNで始まる、終焉を愉しむ雰囲気や、花葬からの浸食〜lose control〜の[死]の旋律も見事な流れでした。

どのタイミングか忘れたけどhydeが倒れ込んで天を仰ぎながら演奏か観客の合唱に耳をすませてたり、いつものLIVEより涙を流す場面が多かった。
hyde自身が想定していたラルクアンシエルの良さ=死生観を彷彿させるダークな一面を超えて、この素晴らしい光景、ステージがもう二度と来ないという刹那的な感情、ファンとの深い繋がりを感じられるこの場所もいつかは終わりがくるという感情がLIVEの中で大きく育っていったのではと思う。

[(こうしてたくさんの人々に祝ってもらえて)生きていていいんだと思える]

それほどやっぱりファンの存在がhyde自身にとっても大きなものなのだと改めて実感できた。

セットリスト的には少し定番多めで物足らない感じもあるかもしれないけど、何回もやってる曲も、コンセプトや構成次第でこうも聴こえ方が変わるのかと、とても感動した。
(正直、初日はもうちょっとレアな曲聴きたかった思いが強かったが、Xとかで他の人の感想見てたらより深い考察ができました)

あと、やっぱり定番楽曲の歌唱、演奏の質がかなり上がっており、観ていてとても楽しかった。

時折挟むミス(今回の大きなところは[真実と幻想と]のギターイントロが飛んだところ)も、人生こういうこともある、みたいな妙な説得力を生んでいた。

何より今回のLIVEはいつにもましてメンバー全員の感情の入り方が凄まじかったと思う。
とても楽しそうに演奏してるのが印象的だった。

こんな重いテーマの中、kenがド下ネタMCを挟んだりするのもラルクアンシエルらしくて本当に脱帽。

新曲の[YOU GOTTA RUN]も人生を駆け抜けるエネルギーみたいなのを感じられ、妙にテーマに沿っていたように感じられる。

今までもコンセプト重視のLIVEはあったけど、今回が1番凝っていたと思う。
プロデュースしたhydeも凄いエネルギーをつかったと思う。
実際[やっと正月来たという感じ]とも言っていたし。

ここまで幅広くいろんな表現ができるのは本当に日本だとラルクアンシエルぐらいなのでは?
消費型の音楽ばかりが流行るなか、今も昔も唯一の[アーティスト]やと思う。

もっともっとhydeの歌詞は評価されてもいいような、、音楽番組でもそういうところ触れないから個人的にはもったいない気がする。
陰翳礼讃に近い感性が宿っていると思う。

まぁ更にはそういう歌詞を描こうと思える、それぞれのメンバーの楽曲センスもやっぱりずば抜けてるということなんやろな〜

ここまで考え抜かれていると、30thのドキュメンタリーでも言ってたけど、そりゃ簡単には演りましょうとも言いにくいやろな(笑)

ラルクアンシエルに対するメンバーの愛が深いからこそというのもあると信じて、できればアルバム発売と年内の活動に期待したい!

思いついたままに書き始めましたが、ご覧いただきありがとうございました。

ちょくちょくラルクアンシエルの魅力について発信していけたらと思います。

最後に、hydeさんお誕生日おめでとうございます。


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