歴代中央競馬クラシック三冠馬を全て網羅する配合を考えよう
中央競馬クラシック三冠。
コントレイルを応援する者として、いや日本の競馬を見る者として忘れてはならない存在です。
そんな栄光を掴んだ三冠馬たちを全て血統内に持つ馬がいたら心が躍りませんか?
普段はややお堅めの雰囲気でお送りしておりますが、今回はロマンに振り切って執筆していこうと思います。
1.現役種牡馬
今回目指す配合は、「中央競馬クラシック三冠馬歴代8頭全ての血を引く配合」です。それを達成するためにどのような配合が必要なのか見て行きましょう。
まず、現役種牡馬の三冠馬は2頭。2011年の7代目オルフェーヴルと2020年の8代目コントレイルです。この2頭はもちろん必須になってきますが、コントレイルの父は2005年の6代目ディープインパクトなので、コントレイルを配合することがそのままディープインパクトの血を持ってくることに繋がります。
続いてもう1頭、今回の鍵を握る種牡馬がいます。ご存じの方も多いでしょう、クワイトファインです。クワイトファインは父トウカイテイオーですので父の父が1984年の4代目シンボリルドルフ。それに留まらず、母の父は1983年の3代目ミスターシービー、母の母の父が1964年の2代目シンザンという血統。この3頭は今や血統的勢力に乏しく、クワイトファインがいなければ究極の三冠配合は生まれ得なかったでしょう。実にありがたいことです。
早くも3頭の現役種牡馬によって8頭中6頭が揃うという僥倖に恵まれましたが、本題はここからです。
1941年の初代セントライトと1994年の5代目ナリタブライアン。この2頭は現在血を引く現役種牡馬が存在しません。つまり繁殖牝馬を経由して血を引いてくるしかないということです。
2.セントライト
セントライトの血を引く繁殖牝馬はどれほどいるのでしょうか。内国産不遇の時代を経て80年以上前の血が残っているのか…実は、結構残っています。
その繁栄に多大な貢献をしているのがサマンサトウショウ。父トウショウボーイ、母マーブルトウショウで、4代母トミユキの父がセントライトという血統で、GI3勝スイープトウショウの2代母としても知られる牝馬です。
実はスイープトウショウを輩出したタバサトウショウ以外にも牝系を伸ばしており、現役繁殖牝馬だけでリーズントウショウ、マリスステラ、スウェアトウショウ、スマートモニカ、ダイストウショウ、ジーントウショウ、レジェトウショウ、スマートレジーナ、ノーズトウショウ、ソルシエトウショウ、セドゥラマジー、ウィッチクイーン、スマートエリスと計13頭います。
そして、レジェトウショウはオルフェーヴルとの間に2022年産の牝駒スマートカリーナがいます。レジェトウショウは2022年・2023年と2年連続でコントレイルを付けながら両年とも流産と残念な結果になっていますが、スマートカリーナが活躍して繁殖入りしてくれれば、スマートカリーナにコントレイルかクワイトファインを付けることで一挙にオルフェーヴルとセントライトの血を導入することができるのです。
レジェトウショウはJRA5勝・重賞3着3回の実績があるスマートクラージュを輩出していますし、血統に不足はないでしょう。
3.本題・ナリタブライアン
正直、ここまでは前座と言っても過言ではありません。
一番の難関はここ、ナリタブライアンなのです。
三冠馬をできるだけ集める血統を作りたいとは言っても、あくまで生産するのは競走馬。悪い言い方になりますが、勝つのに難がありすぎるような血統は頂けないというのが本音です。
胃破裂によって7歳の若さで亡くなり、内国産不遇時代も相まって後継種牡馬を1頭も出すことができなかったナリタブライアン。重賞勝ち馬も1頭もいません。仮に血を引く繁殖牝馬が現役にいたとして、活躍が見込めないようでは如何ともしがたいわけです。
そして何より、コントレイルやクワイトファインを付けようと考える牧場に繫養されているかというのが大事です。実はコントレイルは2022年・2023年ともに岡田スタッド・コスモヴューファーム・ビッグレッドファームのいわゆる「岡田家」系列の牝馬と1頭も交配していません。
また、こちらも悪い物言いになってしまいますが、あとはクワイトファインだけという状況でもない限り、大きな牧場…例えばノーザンファームがクワイトファインを付けようとは思わないでしょう。
できれば個人所有で、中央でも活躍が見込めるような繁殖牝馬はいるのか、そう思いながら検索をかけると…
1頭の繁殖牝馬が見つかりました。
その馬とは、ナリタブライアン産駒で唯一の中央OP馬ブライアンズレターの仔、ブリリアントレター。ブリリアントレター自身は中央5戦を全て着外として転出後金沢で3勝とやや物足りなさのある戦績ですが、初年度産駒・現2歳のナインオブレター(父モーニン)が中央で2戦3着2回と善戦中。現在10歳と年齢もまだ若く、繫養されている牧場はクワイトファインの繫養先と同じ新冠町の松浦牧場。兵庫競馬で最強を誇り中央馬相手の交流重賞3着もあるジンギ、今年の京浜盃で圧勝を披露したサントノーレを輩出しており牧場にも不足ありません。
母の父ナリタブライアンで唯一中央OP馬に登り詰めたアナモリもまだ現役繁殖馬なのですが、19歳という高齢もありブリリアントレターが適任のように感じます。
4.究極の三冠配合完成!
先述の3段を踏まえて出来上がった血統表がこちら!
いかがでしょうか。
未誕生馬を絡めたなかなかな力押しではありますが、全ての中央競馬クラシック三冠馬の血を引き、うち7頭を5代血統表内に収める究極の三冠配合が完成しました!
もちろん牡牝の組み合わせは変わりうると思いますが、最も勝てそうで最も可能性がありそうな配合はこの4頭の組み合わせだと思っています。
5代内インブリードはサンデーサイレンス4×5×5のみとそこまで濃くないラインまで抑えることができました。
地味な部分にはなりますが、6代目まで見るとトウショウボーイ6×5のクロスもあり、オールドファンにはたまらない血統構成になっています。
血統表の節々からダート馬の香りが漂ってきますが、できれば芝で、できればクラシック戦線に乗り込んでいって欲しいと願う次第です。
今のところのハードルはブリリアントレターかスマートカリーナにクワイトファインを付けてもらうこと、そして生まれてきてくれた牡駒に種牡馬入りしてもらうことです。
前途多難かもしれませんが、いつか究極の三冠配合が見られる日を願って、この記事の締めとしたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
今後ともコントレイル産駒出走情報をよろしくお願いいたします。
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