背徳のかき氷
暑い、暑い、暑い。
ギラギラめらめらする太陽の下、初めての乳がん検診。自治体主催のバスで行われるものだ。車内はクーラーが効いているけど、外へ出れば、エンジンがかかりっぱなしになっているせいか、一段と暑い。
娘たちは、夫が見てくれている。今日はひとり。そうだ、自分へのご褒美(←なんの?)に冷たいものを食べてから帰ろう!と思い立つ。
ずーっと気になっていたけど、入ったことのないカフェ。入口に氷と書かれたこと小さな旗が毎夏ひらひら揺れていて、いつもどんなかき氷が食べれるのだろうと思っていた。うん、このカフェに決めた…!
店内に入ると、クーラーが効いていて心地よい涼しさ。かき氷食べると、むしろ寒く感じるかな?と思いながら、『いいや、かき氷を食べると決めてきたのだ!』とメニューを見ながら、自分に言い聞かせる。
だって、次はいつ来れるやら、子持ちのひとり時間は、それくらい貴重な特別な時間なのだ…!
メニューは心惹かれるものがズラリ。
自家製イチゴシロップ 練乳がけ
宇治金時 北海道産あずき添え
マンゴーピューレ 果肉添え
チャイティーシロップ
地場産ブルーベリーをふんだんに使ったシロップ
全部美味しそう!全部食べたい!でも、食べれない!
どれか選ぶのだ、きっと全部美味しいはずだ!!
私が迷いに迷って選んだのは、
自家製イチゴシロップ 練乳がけ
甘くて冷たくて、美味しい。
自家製イチゴシロップだけあって、甘すぎない。
程よい、甘さ。
かき氷の氷自体も、ふわふわして、頭がキンキンしない柔らかさがある。
クーラーが効いていても、美味しく、どんどん進むのだ。
なにより気に入ったのが木のスプーン。
かき氷に添えられていたのは木のスプーンだった。
シルバーやステンレスのスプーンとは違った、優しいぬくもりが、氷をより優しく口に運んでくれた。
夫にも子どもにも横取りされず、食べたいペースで食べられる。普段の日常では、体感できない、『むふふ(*´ω`*)な幸福』
背徳のかき氷は、涼と私にささやかな幸福の時間をくれた。甘くて冷たくて、最高だ。