非関税障壁
日本人がアメリカの車を避ける訳。
今は違うかも知れないけれど、とにかく日本の道、特に生活道路は道幅が狭い。軽自動車でもすれ違うのに徐行しないと怖い道は至る所にある。アメリカとは違う。
そんな所にアメリカの車など持ち込んだら、もう、大迷惑というか、そもそもその車に乗ってる人も、あっちで擦り、こっちで擦りで、道幅の狭さに辟易するんじゃないか、という気がする。
要するに、アメリカ並みの道幅がない国に輸出したいなら、それなりに小さい車を作らないと無理だと私は思う、
改善しろ、というのならば、日本のあちこちの狭い道路を拡幅するための資金をアメリカに出してもらわないと、無理じゃないかと思う。
それと、軽自動車の税率の低さ。
日本人はアメリカ人ほど裕福じゃないから、やっぱり日本に輸出を増やしたいなら排気量が660cc以下の車を量産しないと無理じゃないかな?
660ccのフォードだったら、結構売れるんじゃないかな?と思うけれど。
ただでさえ、ガラケー(ガラパゴス携帯電話)みたいに、日本特有のニーズに合わせて技術を進化させてしまい、世界に遅れをとったことを自虐的に考えているのが日本だから、この日本の「ガラパゴス的ニーズ」に沿ったものでなければなかなか売れない。それは日本企業ですら四苦八苦している。日本人を熟知している日本人ですら手こずってるのに、アメリカ人がどこまでその日本的ニーズを把握できるか、疑問だけれど。
それを「非関税障壁」と言われてもなぁ・・・
さらに言えば、日本は欧州と同じくSI単位系を採用している。SI単位系(メートル法)を公式採用していないのは、アメリカと、リベリアと、ミャンマーだけ。
それ以外の国は、みな「全世界共通の部品」を使える。
日本の場合、国産車を買うメリットは、メーカー純正でなくても互換性のある部品が安く手に入る場合が多く、維持費が安い、ということがあると思う。。
ところが、特にアメリカだけは、医療機器でも使っているのが「ミリネジ」(メートル法のネジ)ではなく「インチネジ」(インチだとかフィートだのの、SI単位系ではないネジ)だったりするから、修理でも手こずる。
(私が30代の頃、あまりこの辺のことに気配りできなくて、大変なご迷惑をおかけした某大学医学部の附属病院がありましたが、そもそも当時の私は、無知を曝け出して生きていたけれど、話が逸れるのでその話はやめておく。)
そもそも、アメリカが自国の製品を海外ですんなり受け入れてもらおうと思うなら、工業部品の単位系をSI単位系に合わせる必要があるんじゃないのかな?
それが嫌なら、アメリカとリベリアとミャンマーとで「三国同盟」でも作って、全世界をメートル法以外の「アメリカ的標準」に変えるように、学術団体をはじめとして、国連に「単位をアメリカに合わせるための基金」を支出し、国際標準を改める必要がある、と思う。
アメリカに輸出している国は、(個別には把握していないけれど)インチだの、オンスだのというメートル法以外の度量衡を製品に書き込んでいる。日本で買える輸入スナック菓子なんかでも、「内容量」の表示に「オンス」だとか「ポンド」だとかが書かれていたりする。そうやって「アメリカの非関税障壁」を乗り越えるために、多くの国がわざわざアメリカに合わせて、アメリカに輸出している。
もし、アメリカが輸出を増やしたいなら、まずアメリカの単位系を国際標準に改める必要がある、と思う。
それが嫌なら、全世界の「国際標準」を「アメリカ標準」に改めるために必要となる、産業界の「仕様変更」に伴う膨大な資金をアメリカが負担すべきだと思う。
余談ながら、アメリカの学会でも学術論文はメートル法で書かれている。ということは、アメリカ(と、リベリア、ミャンマー)で生まれた子どもたちは、学者になるためには日常生活で使われている「単位」を「国際的な単位系」に換算するために、慣れる必要があって、それ自体が「学問的な障壁」になっているんじゃないかな、という気がするのだけれども。頭のいい方々にとっては簡単かも知れないけれど・・・私自身は、インチも、フィートも、オンスもポンドも、全く感覚的に馴染めない。
別に、世界はインチやフィートを使う義務はないですからね。アメリカに輸出する時だけ、アメリカの「非関税障壁」を乗り越えたらいい、それだけの話で、アメリカが輸出を増やしたいなら、アメリカが「世界標準」に合わせるか、でなければ、世界を「アメリカ標準」に変えるための膨大な資金を供出するか、そのどちらかだと、私は思う。